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【書評】人気No.1予備校講師が教える「人から好かれる話し方」

「また会いたいな」と思ってもらえる話し方ができれば、プライベートだけでなく、ビジネスにもプラスに働きますよね。今回の無料メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、大手予備校で大人気となり、多くのベストセラーも著している犬塚壮志さんが、話し方について自身の苦い体験をまじえながら語る一冊を紹介しています。

【一日一冊】「また会いたい」と思われる話し方

「また会いたい」と思われる話し方

犬塚壮志 著/朝日新聞出版

予備校講師が、聞き手に良い印象を与え、口コミを発生させる話し方を教えてくれます。

予備校講師といえば、学生にガチンコで評価される立場。評判が悪ければ、すぐにクビになってしまいます。著者は予備校講師になりたての頃は、生徒から辛辣なフィードバックをもらい、先輩講師を研究したという。

生徒からの受講後アンケートで「生徒に媚を売っているみたいで、なんかイヤ」「授業に関係ない話はすんな」という辛辣なコメントをもらった…。ようやく「話すときには、聞き手が何を聞きたいか、知りたいかが最も重要だ」と気づくことができたのです。(p6)

結論から言えば、先輩講師は生徒が求めることを話していたというのです。それは講義の内容で合格できること。入試の出題傾向を分析した内容であること。講師も元受験生であり、共に戦うこと。つまり、聞き手の心を動かし、内容に実利があることを明確に伝えていたのです。

生徒に伝えていたのは、3点です…。これから自分が行う講義は、志望校に合格するために必要な点が取れる内容である…。過去の入試の出題傾向を分析…。講師である自分もかつては受験生で、不安や苛立ちの多い1年を共に歩むパートナーであること。(p42)

私がドキリとしたのは、「自信を持ったときに失言して失敗する」という失敗パターンです。特に、コミュニティ以外の人とは人間関係が構築されていませんので、気が緩んでいると失言する可能性が非常に高くなるという。

これは「実るほど頭を垂れる稲穂かな」と言われるように、調子に乗ったときこそ注意することが大事なのでしょう。わかっていても失敗パターンが起きるのです。そこが怖いのだと思いました。

失敗パターン…自信を持ったときほど、ニュアンスへのこだわりが薄れ、コミュニティの外の人の反発を生むことになってしまう。(p234)

予備校講師というガチンコの世界で生き延びてきた人らしく充実した内容でした。

ロジック(利益)も大事ですが、受けての心(感情)も大事。両方のバランスをとって最低限のレベルをクリアすることで生き延びることができるのです。

犬塚さん、良い本をありがとうございました。

【この本で私が共感した名言】

「自分」をわかりやすく説明する…誰もが無意識のうちに「どんな人が話しているのか」によって話の価値を判断します。(p49)

話し手の「誠実さ」を伝える…「事実」を伝え、「デメリット」も伝え、逃げない。デメリットを語るときは、対処法もセットで話すとよい。(p77)

【私の評価】★★★★☆(88点)

<私の評価:人生変える度>
★★★★★(お薦めです!ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(買いましょう。素晴らしい本です)
★★★☆☆(社会人として読むべき一冊です)
★★☆☆☆(時間とお金に余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては価値を見い出すかもしれません)
☆☆☆☆☆(こういうお勧めできない本は掲載しません)

image by: Shutterstock.com

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