MAG2 NEWS MENU

時代はここまで進化した。新聞の折込チラシが冷蔵庫に“置き換わる”ワケ

国内外に多くの拠点を持ち、グループ全体で6万人以上の従業員を抱えるトランスコスモス。コールセンターの老舗として知られる同社ですが、大胆な進化を遂げつつあるようです。今回のメルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』では、Webメディア『ECのミカタ』元編集長で株式会社「team145」代表取締役石郷学さんが、そんなトランスコスモスとスマート家電の意外な関係を紹介。さらにそこから気付かされる「重要な事柄」を記しています。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』2022年1月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

ネット通販とキャラクター業界の最新情報が毎週届く石郷学さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

コールセンターの進化は“スマート家電”にあり?家電とトランスコスモスが結びつく理由

ここで質問です。僕らが何気なく目にする「新聞の折込チラシ」は何に置き換わると思いますか?もし「その答えは冷蔵庫」と言ったらどう思うでしょう。トランスコスモス 常務執行役員 所年雄さんと“スマート家電”の話になり、その話題が出ました。小売や生活の未来が見えてくるお話です。

まずトランスコスモスという家電メーカーではない彼らがそんな話をしているのがミソで、本来はコールセンターの老舗ですが、ここ数年でデジタルにおけるコミュニケーションを創造する会社へと変貌していて、実はこの冷蔵庫の話題が合致してきます。

では、今後はコールセンターそのものを「メール」や「チャット」に置き換えていくのか。いやいや、それは全く違うというんです。そういう“部分的な要素”に着手するつもりはなく、寧ろコールセンターを進化させることを意図していて実に本質的で人間的です。

僕が「なるほど」と思ったのは「『CS:カスタマーサクセス(顧客対応)』ではなく『CX:カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)』の向上に舵を切りたい」と彼が話していた事で、両者は似て非なるものです。

例えば、トランスコスモスでは10年前から、問い合わせを削減する為「FAQマネージメント」というのをサービス化しているようです。

それでいうなら、このサービスは先ほどの「CX」を上げることになっているしょうか。必ずしも「そういうわけではない」と指摘してみせるのです。どういうことでしょうか。

「CS」ではなく「CX」を考える

「そのサービスって、いわばセルフレスキューすることで『CS』を向上させる事なんですよね」と所さん。

それが「CX」といえない理由は、それがもう問題発生してしまっているからであって、まさに彼らの新しい視点はそもそも問題を発生しないようにしていくものなのです。

つまり、今までであればトランスコスモスのような会社は家電などにおいてはトラブルが発生してからが出番だったですけど、所さんがいうのはもう少し先の目線です。

洗濯機であれば、壊れる手前では音に変化が現れるといいます。だとすればそれらの音や振動の度合いなど、何かしら異常に近い状態をセンサーが察知し始めると、それを彼らのようなコンタクトセンターへとフィードバックするようにしていく、そんな仕組みを考えようというわけです。

「そのうち、7から8割は音が送られてきた状態でAIで判定できるはずなので省人化を図りつつ、2から3割は人間が対応します」と彼は言います。

そうすれば、故障する前に自分達のリソースを有効活用して、問題解決をするという事になって、これこそが「CS」ではなく「CX」の向上だと説くのです。

ネット通販とキャラクター業界の最新情報が毎週届く石郷学さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

スマート家電とトランスコスモスが結びつく?

それ故に彼らはその為のデジタルのプラットフォームを作って、それを家電メーカーと連携していきたいと意図するのです。従来のコールセンターと視点が違いますね。

もし家電メーカー単体でそういう事をやろうとするなら、莫大なコストがかかりますが、トランスコスモスのような会社が、それを幾つか家電メーカーで使えるように自動化できれば、コストは軽減できます。その分、メーカーはその家電自体の商品力に打ち込みつつ、お客様にとっても最大限、価値あるサービスを提供できる、というわけです。

しかも、不測の事態で故障が起きてから、作業が発生するわけではないので作業に波が生まれず工数も安定します。

その前段階の異常を伝えるそのやりとりでは、彼らの持つコールセンター業務での知見が最大限発揮されますよね。これこそが彼らのいうところの今の時代にふさわしくコールセンターも「進化」しているという事になるわけです。

コールセンターを単純に置き換えるのではない、という意味が見えてきませんか?

さてさて、そんなわけで「冷蔵庫」の話に戻します。だから家電メーカーが、そういうデジタルのプラットフォームと連携していくのはそう遠くなく実現するでしょうと。

ネットとAIを活用して、お客様と近い関係性を持ち合わせれば、家電自体がデバイスとなります。そこには常にコミュニケーションが並走していて、それこそ未来でいう彼らの出番です。

持ち主の情報とを掛け合わせれば、近隣のスーパーなどでその持ち主にあった情報もその「冷蔵庫」から発信されます。冷蔵庫は食品が出入りする情報の宝庫だから、色々な家電を紐づけるほど、その情報は何に使われたかなどその人個人を映し出す正確な役立つデータにもなっていき、それがCXの向上にもなりまます。

もう家電メーカーは変わりつつある

家電メーカーなどに目を向けると結構、実現し始めていて、所さんが例を挙げてくれたのは、シャープ。「スマホと冷蔵庫、自動調理鍋をWiFiで紐づけて操作すると、ディスプレイからオススメレシピが出てくる。しかもその材料を『ヘルシオ ホットクック(自動調理鍋)』に入れると調理ができると教えてくれて、連動しているんですよね。そんな話を先日、聞いたばかりです」と。

「それどころか、お客様の情報に基づいて近隣のスーパーの特売情報も教えてくれるという話もあるみたいです」と。僕が冒頭「もうチラシはスマート家電に置き換わっていく時代もそう遠くないのかもしれない」と触れた理由は、ここです。

勿論、生活に密着するほど、サブスクなどの提案を家電メーカーがしてくるかもしれない。そうすれば、小売の状況すら変貌してきます。

それが当然の世の中になって色々なメーカーがお客様と並走する時代、トランスコスモスは「だからこそCSではなくCXの視点で貢献しなければならない」と模索するわけです。従来の仕事の延長で、今の時代に活かすのは単純に過去を否定することではないということに気付かされますね。

※ 本記事は有料メルマガ『週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版』2022年1月10日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込962円)。

ネット通販とキャラクター業界の最新情報が毎週届く石郷学さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: Shutterstock.com

石郷学この著者の記事一覧

145マガジンの「 145 」は運営責任者 石郷 学(Manabu Ishigo)の名字の当て字です。並々ならぬ、覚悟と想いを持って メディア を立ち上げました。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 週刊145マガジン「腹割って話そうぜ!」まぐまぐ!出張版 』

【著者】 石郷学 【月額】 ¥962/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月曜日

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け