もりした千里が抱く3.11への思い。辻立ちしてわかった被災者たちの心の声

 

平和は、決して約束されたものではない。

思い出話になりますが、去年の夏頃、辻立ちをしている時、6階建ての復興住宅から、わたしの話を聞いてくださっている男性がいらっしゃいました。話を終えて、「聞いてくださってありがとう」を言いたくて、6階まで外階段を駆け上がって行ったわたしを待ち受けていたのは、男性からの厳しい言葉でした。

「震災を知らない者の話だ」

その方は、奥様を震災で亡くされていらっしゃいました。奥様は、飼っていた犬が心配で車で迎えに行ったのですが、そのまま帰らぬ人になってしまったそうです。

その日から、後悔をしたことはなかったと言うこと、これから先どうやって生きて行っていいのか、毎日辛くて仕方ない。この気持ちをわかるものか…と。

わたしの父か少し上くらいの年齢の男性が、弱々しく、でも強く感情をあらわにする姿を見て、その時はとても驚きました。

何をいっていいのか、わかりませんでした。ただ、「分かりませんが、わかりたいと思っています」

それから、自分がどう思っているのか話し、最後には、力強く握手をしてお互いに頑張ろうと励まし合って、お別れしました。

また、その男性にもお会いできるといいなと思って、今でもその場所でたまに辻立ちしています。

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image by: Twitter(@もりした千里

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1981年9月1日 愛知県生まれ。宮城県石巻市在住。芸能界を経て、2021年 宮城県第五選挙区支部長に選任。第49回衆議院議員選挙にて、61410票を獲得するも、落選。比例東北ブロック次点。

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【著者】 もりした千里 【月額】 ¥660/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 火曜日

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