平和は、決して約束されたものではない。
思い出話になりますが、去年の夏頃、辻立ちをしている時、6階建ての復興住宅から、わたしの話を聞いてくださっている男性がいらっしゃいました。話を終えて、「聞いてくださってありがとう」を言いたくて、6階まで外階段を駆け上がって行ったわたしを待ち受けていたのは、男性からの厳しい言葉でした。
「震災を知らない者の話だ」
その方は、奥様を震災で亡くされていらっしゃいました。奥様は、飼っていた犬が心配で車で迎えに行ったのですが、そのまま帰らぬ人になってしまったそうです。
その日から、後悔をしたことはなかったと言うこと、これから先どうやって生きて行っていいのか、毎日辛くて仕方ない。この気持ちをわかるものか…と。
わたしの父か少し上くらいの年齢の男性が、弱々しく、でも強く感情をあらわにする姿を見て、その時はとても驚きました。
何をいっていいのか、わかりませんでした。ただ、「分かりませんが、わかりたいと思っています」
それから、自分がどう思っているのか話し、最後には、力強く握手をしてお互いに頑張ろうと励まし合って、お別れしました。
また、その男性にもお会いできるといいなと思って、今でもその場所でたまに辻立ちしています。
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image by: Twitter(@もりした千里)
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