他人の感染対策が気になるのは自分がおかしい?公認心理師からの回答は

shutterstock_2054873528
 

マスク、手洗い、消毒、黙食…新型コロナの感染対策が当たり前になってくると、他人の行動まで気になって腹を立てたりイライラしてしまう人がいるようです。「自分が厳しすぎるのか?」との質問に答えるのは、メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』著者で公認心理師の永藤かおるさん。「もしあなたより厳しい基準を持つ人がいたら」と例を上げ「価値観の違い」についてわかりやすく伝えます。そのうえで、身につけるべき力があるとアドバイスしています。

世の中を「アドラー心理学」で見るためのヒントが満載、永藤かおるさんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

ちょっと御相談がありまして:「私が厳しすぎるの?」

40代、女性。子どもの頃から正義感が強く、曲がったことが嫌いで、嘘をついたりズルをしたりする人が許せません。コロナ禍になってから、この傾向がどんどん強くなってきたような気がします。マスクをしていない人を見たりすると、それが気になって仕方ありません。あと、スーパーなどで、マスクをしていてもぺちゃくちゃしゃべっている人が気になります。

先日も、テイクアウトを買いに入ったドーナツ店で、イートインしていた学生たちが大きな声でしゃべっているのを見て、にらみつけてしまいました。

夫には、「そんなに目くじら立てなくてもいいじゃない」とあきれられています。でも、そんな人たちがいるから、コロナ禍は終わらないんだと思いますし、市中感染も収まらないんだと思います。

私だって家族や友人とマスクなしでおしゃべりしたり笑い合いたいのを我慢しているのに。私が厳しすぎるんでしょうか?私がおかしいんでしょうか?

【永藤より愛をこめて】

そうですか。しんどいですね。自分ばっかり我慢しているような気になってしまいますよね。「あんたたちみたいな人がいるからこんなことになったのよ」そう思ってしまうわけですよね。

私たちはみんな、一人ひとりユニークな存在であり、考え方や捉え方が異なるのは当たり前です。そして、一人ひとりが、生まれたときから今まで遭遇した出来事や人々から影響を受けて、「これが正しい」「これが間違っている」「これは好ましい」「これは好ましくない」などの判断を日々重ねて……それはランチに何を食べるかとか、点滅している青信号の横断歩道を渡るべきか否か、みたいな小さなことから、「この人と結婚する!」とか「転職する!」みたいな人生の岐路にどうするかという重大なものまで、すべての判断をしてきて、今ここに存在しているのです。

「そんなことは言われなくてもわかっている」。そうですよね。でも、どうしても人間は、「私の基準が正しい基準」と思ってしまいがちなのです。だからこそ「私の基準に合う行動をしている人はOK」「私の基準に合わない行動をしている人はダメ!」と思ってしまいがちなのですが、それ、「真実」でしょうか?

世の中を「アドラー心理学」で見るためのヒントが満載、永藤かおるさんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 他人の感染対策が気になるのは自分がおかしい?公認心理師からの回答は
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け