良好だった親子の関係性がどこかの時点でいびつになることが多々あります。一度そうなってしまうと、なかなか元のように戻ることはできません。親子の正しい関係性を構築するためには、どのような声がけを我が子にしていけばいいのでしょうか。ベストセラーを数多く世に送り出している作家の木村藤子さんが、メルマガ「“青森の神様 木村藤子” あなたに幸福をもたらすメールマガジン」の中で、親子の関係について語っています。
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親の自慢話を聞きたい子どもはいない
親と子の関係は子どもがある程度大きくなった時点で「人生の先輩と後輩」という関係になりますが、ここで関係性の構築を間違ってしまう親は少なくありません。
たとえば親の威厳を保とうとして、「自分は若い頃にはこんなことができた」「こういう才能があった」などという過去の自慢話をする方がいますが、そうではなく、「自分はこんなことで失敗したから気をつけなさい」といったような、失敗談を伝えてあげたほうが子供の人生の糧になるのです。
人生の先輩として子どもに何かを教えるとなると、正しい生き方や知識、判断力などを教えようとしますが、果たしてそういった生き方を自分自身ができているのかどうか、正しい知識や判断力を自分は持っているのかどうか、まずは自分の心と対話をしなければいけません。
そうしたとき、自分は完璧な人生を歩んできて、正しい知識と判断力を持っていると自信を持って言える人というのは、ほとんどいないのでないでしょうか。だからこそ、過去世から輪廻転生して今この人生を生きているのです。
ですから、親が子どもに教えるべきは格好をつけた幻想の親の姿ではなく、「あのときこうしていればよかった」といった後悔や、「あのときは自分は未熟だった」といったような失敗談なのです。
また、長い人生においては、どこかで必ず壁に突き当たることがある、ということを教えておくこともとても大切なことだと思います。
そのときは、
「人生はうまくいかないことがたくさんあるけれど、壁にぶつかったときは、問題の原点がなんだったのかを考えてみなさい。問題の原点に戻ったら、自分はどう行動するべきだったのか、どう考えるべきだったのかということをよく考えてみるんだよ」
などといった言葉で、問題の原点を探るように考えさせることが重要です。
このような家庭での教育は、子どもを登校拒否や非行から守ることにもつながっていきます。
小さい頃から、毎日のように「あれをしちゃダメ」「これをしちゃダメ」「親の言うことを聞いていればいいんだ」と、親に押さえつけられて育った子どもは、中高生くらいになると話し相手を求めて極端に異性に走るというケースが目立ちます。
そして親はどうかといえば、子どもが大学に行くようになると、もう子育ては終わったような気分になって放任したり、「理解ある親」を演じて異性との交際を大目に見ていたりしますが、そのような間違った親の判断から問題が起こることがあるのです。
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子どもの心情を知ろうとせず、ただ浅い考えで理解ある親を演じるのは、私からいわせれば愚かな行為です。
もちろん干渉しすぎるのはよくありませんし、我が子を信じることも大切ですが、寂しさからいつの間にか男女関係が行き過ぎたり、道を誤ったりして、やがて傷つくことになるのは大事な我が子であることを忘れないでいただきたいと思います。
人生の先輩である親の意志で子どもをある程度導くということは大切なことなのです。
いずれにせよ、子どものことを知っておくのは親としての責任です。子どもを守ったり、正しい方向に導いていくのは、親としての大事な務めなのです。
また、最近では子どもが親を小バカにするようなケースも増えてきているように思います。
私のところに相談に訪れる親子でも、娘さんが椅子にふんぞり返るようにして座り、その横で母親が小さくなっているなど、子どもが親より威張った態度でいるような姿を目にします。
そういった家では、手放しで子どもをただただ「かわいい」といって甘やかし、考えや行動を躾けることもなく、さらに「あなたはできる子だ」と信じて疑わなかった方が多いように見受けられます。
そういう接し方によって、子どもは自分が親よりもえらいという勘違いをしてしまっているのです。
繰り返しますが、親は人生の先輩です。親の言いつけを子どもに守らせるのは、当然のことなのです(もちろん親の理不尽を押し付けることはだめです)。
それなのに、親という人生の先輩よりも自分は偉いという勘違いを子どもにさせてしまうと、前述のような、親を差しおいて椅子にふんぞり返るような子どもに育ってしまう可能性があるのです。
神の視野から見れば、子どもは自分の魂に合うカルマを持つ親を“選んで”生まれてきます。つまり、親子はお互いに似たようなカルマを持っているのです。
そういったこともしっかり理解したうえで、もう一度、親子関係というものを見つめ直していただきたいと思います。
いくつになっても親子は親子。
一生切れない親子の絆を、大事に育んでいっていただきたいと願っております。
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