「安全保障関連法に反対する学者の会」は3月1日、ロシアの科学者や科学ジャーナリストが2月に出した、ロシア軍の侵攻に抗議する書簡を支持する声明を発表しましたが、ロシアの科学者に対する称賛とウクライナの平和を求めている一方で、「この戦争の危機に乗じ、憲法改正と軍事力の強化を目論む動きにも強く抗議する」とも書かれています。
● ウクライナ侵攻に抗議のロシア科学者らに「心から敬意」 安保法に反対する学者の会が声明:東京新聞 TOKYO Web
ロシアの科学者にエールを送るふりをして、本当に言いたいことは憲法改正と軍事力強化への反対なのではないかということが、透けて見えます。
ウクライナ政府は、対戦車砲や地対空ミサイルなどの殺傷能力がある防衛装備の提供を日本政府に求めていたことが明らかになっています。もちろん日本は武器を無償提供する法的根拠がないため、支援を見送らざるをえませんでした。
● 〈独自〉ウクライナ、日本に対戦車砲要請 法的根拠なく提供見送り – 産経ニュース
このような要求をするウクライナ政府に対して、憲法改正反対論者は、憲法9条のある日本に求めるのはおかしいと思っているはずです。いまこそ、ぜひウクライナ政府に、武器の代わりに憲法9条の無償提供を提案してみたらいいのではないでしょうか。もちろんプーチンにも、です。
日本政府は武器の代わりに防弾チョッキをウクライナ政府に送ることを決定しましたが、護憲派の日本共産党は武器輸出にあたり憲法9条に抵触するとして反対を表明しました。
● 防弾チョッキなどウクライナに供与/9条に反する軍事支援
この主張は、そのまま台湾有事のときにも使われるでしょう。もちろん尖閣有事の際にも、自衛隊の活動を縛ることに繋がります。
これまでは日本に降りかかることはないと思っていた戦争や紛争が、にわかに現実味を帯びてきたことで、護憲派に動揺が走っているのでしょう。憲法改正や安全保障について論じたくないので、これまで現実を見ない、聞こえないふりをしてきたのですが、国際情勢がそれを許さなくなってきているのです。
冒頭に述べたように、習近平は台湾侵攻の時期まで決めていたことが明らかになっています。もちろんそれを諦めたわけではなく、現在は改めて時期を練っているはずです。このような情報が外国の情報機関から出てきたことを、日本は真剣に受け止めるべきです。
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