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高知小2水難事故に新展開。14万筆の「再捜査嘆願署名」が動かす警察庁

2019年10月の「あまりに多い嘘。探偵が調査で見抜いた高知小2水難事故の深い闇」の公開以来、3年に渡り当事故の報告を行なってきた、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。この案件の再捜査を求める遺族や支援者に対して、高知県警は詭弁をもって「拒否」姿勢を貫いてきましたが、ここに来て新たな展開があったようです。今回のメルマガ『伝説の探偵』に阿部さんがその詳細を記しています。

【関連】あまりに多い嘘。探偵が調査で見抜いた高知小2水難事故の深い闇

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高知県小学生水難事故、警察庁へ再捜査のお願い署名、14万5,572筆を提出へ

第一回再捜査のお願いは高知県警高知東署に2019年10月15日に提出した。7万6,214筆もの全国からの声(署名)は、「捜査は継続中」という詭弁で片付けられてしまった。

遺族によれば、

東警察署に呼ばれ、調査の進展状況や経緯、これからの方針を遺族で話を聞きに行った。

 

しかし、「(児童らの)証言と目撃情報とがいつまでたっても食い違い平行線のままなんです」と担当刑事から告げられる。

 

76,214人の署名、嘆願書を提出したが「再捜査をするつもりはない。事故当日を100%再現することはできんでしょう」と、再捜査は行われていない事を知らされた。

(公式ホームページ「team_hinakun 高知県小学生水難事故 事故概要」から引用)

確かに聞き込みなどはしているのは事実だが、署名を受けてニュースになり、辛うじて、遺族から情報を持っている人のリストなどから形だけの聞き取りをしたに過ぎなかった。

一方、この情報提供者は、一緒にいたとされる児童らの親戚が地域の公的な側面もある顔役であるため、この顔役に用事もないのに訪問され、特に移住している家庭などは、どこから移住してきたかとか、近くに親せきや親しい人はいるか、この土地に長く住むつもりかなどの質問を受けるなど、直接的な圧力をかけられてしまった。

さらに、この署名提出がニュースとなった翌日、高知県警は高知新聞の取材に対し、「事故と断定」と答え、これを高知新聞は大々的に報道している。

第2回目署名は警察庁へ

第1回目の署名の経緯から、第2回目の署名は警察庁へ提出するとして、全国から14万5,572筆が集まり、2022年2月22日(月命日)に締め切られた。その間、どういうやり取りがあったかはまだ公開できないが、警察庁はこの署名について門前払いするのではなく前向きな姿勢で対応している。

署名の提出は警察庁の要請で、郵送にて3月17日に発送された。

14万5,000筆を超える署名は重さにして75キロもあり、大変な量であった。

3月18日にはこの署名などが届いたという報を受けた。量があまりに多いため、これから確認ということになるということであった。

この際、前向きに取り組むという話を聞くことができた。

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3月24日午後1時半から都内にて岡林さんが記者会見

3月18日から22日にかけて、記者会見についてプレスリリースを行ったが、先行してこのリリースを高知新聞が報じてしまったが、記者会見場は衆議院第二議員会館の会議室にて、3月24日午後1時半から行うことになっている。

記者会見においてはご遺族から、これまでの経緯や署名の経緯、現在も行われている誹謗中傷(支援している人も対象とされている)についての資料の開示や署名と同時に発送した陳情書の公開を行う予定である。また、設置からおよそ1年半もの間、活動が止まっている高知県南国市いじめ第三者委員会についても当日は会見が行われる予定である。

ある意味これはゴールでもあるが、新たなスタートラインに立ったとも言える。ここからまたさらに次の展開ができるように対応を続けていく。

編集後記

察して頂ければよいかと思いますが、記者会見の段取りを含めて、様々な調整や協力を頂くための働きかけを続けていました。

私も本件では強く誹謗中傷を受けていますし、業務に支障が出るほどの嫌がらせも受けています。確かに「探偵ごとき」はよく差別されるので、そうしたことには慣れています。それでも思うのは、職業も住む場所も関係ないし年齢も関係なく、必要なのは志と信念、そして継続してきた実績だと思います。

そして、真剣に物事をやっている人を馬鹿にしたり、上から見て「どうせ」できないと決めつける頭でっかちな考えが多くの可能性を失わせていると思います。

時代も変わり、旧来の常識や考えは今、大きく変わろうとしています。実際に大きく変わりつつ概念もあることでしょう。つまり、新時代はすでに始まっているのです。

「ならぬものはならぬ」と思考を停止してきた常識は今一度見直す必要もあるでしょう。

指をくわえてみているか、それとも、時代を作る側で動くか、それはきっと「動くか動かないか」のわずかな第一歩の差でしかないと思います。

私は2019年10月、岡林さんに手紙を書きました。そう、自ら動きました。

2022年3月、やっと大きな一歩のところまでたどり着くことができました。

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image by: 伝説の探偵

阿部泰尚この著者の記事一覧

社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

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