ロシアが日本に侵攻しない理由はない。それでも日本人が戦争に備えぬ訳

 

同様のことは、中国でも韓国でもあったということになります。

中国では、日本で最も有名な例では三国志で、劉備が南に移動するときに10万人の農民が一緒に移動し、そこを攻めた曹操との間に長坂の戦いがあったという話があります。

劉備の妻が追い詰められたうえで井戸に身を投げて自殺し、子供を趙雲が鎧の内側に入れて守ったという話です。

しかし、これは見方を変えれば、劉備という君主と一緒に移動しなければ、奴隷にされてしまうということを意味しており、それは、自分の父祖伝来の地を捨てて移動しても、奴隷になるよりはよいということであったのではないでしょうか。

その後も、モンゴル帝国や満州族に占領された経験のある中国は、辮髪(騎馬民族の髪型)を強要されたり、資産を失ったりします。

その後共産主義が勃興し、国共内戦の後に「文化大革命」が出てくると、中国の人々は自分たちの歴史も、資産も全て没収され、また知的な内容も失われる「批林批孔運動」などが行われることになるのです。

この事から、現在でも、中国人は金のネックレスなどをしている人が少なくありません。

これはいつ「革命」が起きてもよいように、資産の多くは自分の身に着けていて、一旦緩急の時があった場合は、そのまま逃げだして、それらを換金して生きのこるということなのです。

中国の場合は「その土地に残る」という前提ではなく「異民族や異国が攻めてきたら逃げる」ということを常に覚悟しているということになるのです。

逆に言えば、三国志の時代から土地に執着するよりは、命を失わないように逃げるということになります。

韓国の場合は、そもそも中国に対して「女性」を貢いでいたという歴史があり、それでも中国が元の時代などは元寇の先鋒を務めさせられてしまいます。

その上、「朝鮮戦争」がありました。

朝鮮戦争は、一次プサン以外の都市が全て北朝鮮になったこともあり、一方で、北朝鮮が全て負けるのではないかというような時期もあったのです。

つまり、朝鮮半島全てがほとんど戦場になり、なおかつ、そのすべてが昨日までの敵が日付が変わったら、別な国が支配しているというような感じになっているのです。

もともと、日本軍がピョンヤンやソウルの地下に陣地を築いていました。

これは、アメリカからの空襲を警戒して作られたもので、現在では地下鉄の駅などになるなど、様々に利用されています。

しかし、その後朝鮮戦争で砲撃があるなどのことがあったので同様に「防空壕」「砲撃壕」を作らなければならないということになります。

その結果、現在ソウルではソウルの人口の3倍の人数を収容できる防空壕(砲撃用シェルター)が備わっているのです。

そのうえ、現在でも抜き打ちで「防空訓練」があり、ソウル市内で突然空襲警報がなり、我々観光客や外国人も、一度地に伏せ、その後防空壕に入るというようなことを行います。

基本的に興味があったので、喜んで中に入りましたが、ホテルの地下に6階までの施設があり、棚の中に水や食料や毛布だけではなく、銃や爆弾などの「抵抗するため」もしくは「自決用」の武器が備わっているのです。

逆に言えば、そのような戦争に備えて、既に様々な内容のものが作られているということになります。

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