飛ばなかった「終末の日の飛行機」。今ロシア軍に何が起きているのか?

 

あまりにもうまくいかないので、これはおそらくプーチンさんからの直接の命令だったのではないかと言われていますが、ゲラシモフさんという参謀総長がなんと最前線を視察する。これはまた色んな情報が錯綜していますが、ゲラシモフさんが来たことをおそらくアメリカの衛星か何かで捕まえたのだと思いますが、ウクライナ軍に情報が行って、ウクライナ軍がその施設にロケット砲の攻撃をかけた。これ、ゲラシモフさんは直前に脱出していたという話と、実は被弾してけがをしたという話の二つがあり、どちらが正しいのか分かりませんけど、その後ゲラシモフさんは(公の場所に)登場していないのですよ。どうなったのか、分からない。なんで、そんな人が、お忍びで来たはずなのに、分かってしまったのか、情報がダダ漏れになっていたということ以外考えられない。そういうこともありました。

それから、例の4月14日でしたからちょうど1ヶ月たちましたが、黒海艦隊の旗艦モスクワ、一番大きい船、16発もミサイルを積んだものすごい船なのですが、これがウクライナ軍のミサイル2発で沈められた。あれによって、南部の制空権を失ったのではないかと思うんですよ。これは結構大きな話で、目論見としては東部2州から南下していってマリウポリを押さえ、オデッサに向かう道も押さえ、さらにモルドバの東側、ロシアの傀儡地域というか、そこまで全部つなげるというか。それによっておそらくオデッサを押さえたいということなのだと思いますが、そのような目論見があったはずなのですが、モスクワは沈められてしまったので上陸戦は難しい。そもそも揚陸艦も沈められていますからね。そのような目論見は潰えた格好。で、あとズミイヌイ島という小さな島を巡って激しい戦闘が行われていて、どちらがとるか分からない状況のようですね。つまりロシア軍が制空権を押さえていたらあり得ないこと、ウクライナ空軍も活発に動いているということですからね。

それからどうも、ロシア軍の補給が枯渇しているのではないかという話が出てきました。戦車、ミサイル、誘導弾みたいなものが枯渇して、届かなくなっている。どこかのウクライナの市長さんだかが仰っていたのは、ロシア兵のなかに、軍靴でなくて普通の靴を履いている兵隊がいたと。こんな話があるくらいで、モノが届かなくなっているらしい。で、今一番激しく戦われているところは、ロシア軍の補給路のすぐ脇なんですよね。そこをウクライナ軍がとるとロシア軍の補給を断つことになる。さらに、ロシア軍の補給はハリコフのすぐ北、ロシア領のベルゴロドという町があるのですが、そこに集積してそこから送られてきている。そのロシア領ベルゴロドをドイツやオランダから供与されたパンツァーハウヴィッツェ2000という自走砲ですね、これで砲撃している。この兵器は榴弾砲なのですが自走できるタイプの、しかもとんでもなく高性能の兵器。これはものすごくて、40キロ、あるいは射程を延長できる砲弾を使うと50キロ以上弾を飛ばすことも出来る。どうも、国境線のところからこの自走砲でベルゴロドに向かって大砲を撃ち込むということまで始まっている。これやられたらロシア軍は本当に困るのではないかと思いますけれど、既に始まっているようですね。

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