飛ばなかった「終末の日の飛行機」。今ロシア軍に何が起きているのか?

 

NATOからの武器の供与は次々と行われていく。ロシアの方の補給は途絶えがちになっていく。そもそも(ロシアでは兵器の)生産の方がだんだん苦しくなっていく。経済制裁を色々な形で受けていますから、特に半導体とか世界的に枯渇しているモノがなくなる。となると、中国の助けでもなければおそらくロシアは兵器生産がそもそも出来なくなっていくのではないかと思います。特に高性能の兵器は難しい。その状態を考えると、今、皆、この戦争は長期化すると言っているではないですか。理由の一つはプーチンさんが野望を捨てていないということ。ロシア軍の兵力はまだまだたくさんあって順次投入されるということはありうる…ということだと思うのですが。

同時にウクライナ側から言うと、ウクライナ側から降参するというのはあり得なくて、それはロシア軍がウクライナの領内から完全に撤退するまで戦争は続く、だから長期化だ、1年だ、いやもっとだと、そういう言い方をするじゃないですか。ただ、そのロシア軍の今の状況とか、どこで戦っても勝てない。勝ったところでは酷いことが行われるわけですが。ウクライナの方は西側の圧倒的な援助を受けている。特にアメリカが前のめりになっていて、つい数時間前ではないかと思いますが、バイデンさんが署名した新しい法律では、兵器を政府が調達してそれを援助するのではなくて、最初からウクライナに送る兵器を作ることが可能になったようですね。ということは、アメリカはもはやウクライナの武器庫になるわけですよ。

かたや、ダメになっていくロシア、かたや、どんどん強化されていくウクライナ側。この二つの間で行われている戦争が本当に長期化するのか。少々疑問を抱いています。長期化するにしても、どこかで本当にものすごいことが起こるというか、とりあえず、今いるロシア兵が本当に叩き出されるのではないかなというふうに思うんですけれど。そう時間は掛からないような気がする。しかし、そうなるとどこかで戦術核を使うのではないかというトチ狂った状況ですよね。だって、それをやったら自分のところも戦術核かそれ以外の核か、何か核攻撃を食らう訳でしょ。だから核攻撃はできないというのが抑止の理屈ですよね。やっちゃったら終わりなので、それはどんな終わり方になるのか…いい加減にしてほしいと、そんなふうに思っています。

(『uttiiジャーナル』2022年5月15日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください、初月無料です)

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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