軍は最大飛行速度(音速の17倍)と頂点高度(約970キロ)などを見ると、火星12型を最大射程に合わせて撃ったものと見ている。チャン・ヨングン航空大学教授は「火星-12型に戦術核のような軽量核兵器を積む状況を作り、最大飛行距離をテストした可能性がある」と話した。「グアムキラー」と呼ばれる火星12型弾頭重量は飛行距離3500km基準で約700kgと推定される。これより軽い戦術核(約400kg)級の重さの模擬弾頭を弾頭部に載せ、どこまで飛べるかをテストした可能性が高いという意味だ。
今回の挑発は、先月末、東海(=日本海)上で相次いで行われた韓米合同海上演習と韓米日連合対潜訓練に参加したロナルド・レーガン空母講習団など、米戦略資産の発進基地に照準をあてたものだという分析も出ている。軍関係者は「ロナルド・レーガン空母の母港である日本の横須賀など米増援戦力の集結・発進基地である国連軍司令部後方基地(在日米軍基地)7か所も核打撃圏に含まれるという脅迫的挑発」と話した。
国軍の日(韓国の記念日=1日)に韓国軍が対北朝鮮警告の次元で「怪物弾道ミサイル」を電撃公開したことに対する「対抗性武力デモ」とも見ることができる。韓国軍がいくら弾頭重量の大きいミサイルを開発しても通常弾頭であるため、戦術核を積んだ北朝鮮のIRBMには敵わないという点を露骨に誇示した挑発という。実際、韓国軍が開発中の怪物弾道ミサイルは最大8トンの通常弾頭を搭載できるが、戦術核は1発でも数kt(キロトン・ktはTNT1,000tの爆発力)の威力を備えており破壊力では相手にならない。
北朝鮮のIRBM発射は、韓国を狙った北朝鮮版イスカンデル(KN23)推定短距離弾道ミサイル(SRBM)の連続発射を出発点とし、米本土を攻撃できるICBM発射および7回目の核実験で締めくくる挑発シナリオの中間段階の挑発と観測される。軍は同日、国政監査業務報告資料で、寧辺原子炉など北朝鮮の主要核施設が正常稼動中であり、核実験可能状態も維持されており、新型液体推進ICBMと潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の試験発射も準備中だと明らかにした。









