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オーケー関西初進出で激安スーパー戦国時代へ。個性派の玉出、業スー、ラ・ムーに対抗できるのか?

「高品質・Everyday Low Price」を掲げ、関東を中心に展開するスーパー「オーケー」が6日、関西圏に初出店すると発表した。オーケーの参入により、関西で安売りスーパーの生き残りをかけた激戦が展開しそうだ。はたして、群雄割拠の関西安売りスーパーの中で「オーケー」は存在感を示せるだろうか? ライバル店の特徴とオーケー成功の可能性を探ってみた。

オーケー悲願の関西進出。関西にはライバルがウヨウヨ!

10月6日の朝日新聞は、オーケーの関西進出を報じた。東大阪市が保有していたJR高井田中央駅近くの土地を11月中旬までに取得し、以後、関西エリアで積極的に出店する計画だという。

当初、オーケーは2016年から「関西スーパー」の株式を保有しており、そこから関西エリアへの進出を目指していた。しかし、関西スーパー側はエイチー・ツー・オーリテイリングの子会社になった傘下のオアシス・イズミヤと経営統合する道を選んだ。イズミヤとの統合か買収かで最高裁まで争ったが「敗訴」となり、関西スーパーの株式を売却して、その道が一度は閉ざされた。

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しかし今回ようやく念願かなって、2024年前半には関西の第一店舗目をオープンするという。

オーケーの安売り手法は他のライバル店と比べても特徴的だ。

「Everyday Low Price」と掲げる通り、特売商品を作らず、商品アイテムを絞りこむことで、常にナショナルブランドの地域一番の安値を実現している。普通、スーパーの刺身にはツマや花などの飾りがあるが、それをシンプルにすることで、包装資材や手間をカット。特売がないので広告チラシを出す必要もないから、必然的に商品仕入がシンプルになり、自動仕入を実現。さらにオネスト(正直)カードで、商品の状態や価格を正直に知らせている。それが顧客の信頼を得て、スーパーなど5種類を対象とする調査で、7年連続で顧客満足度1位を獲得した。

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ただ安いだけじゃない誠実な営業姿勢が、安売りスーパーが乱立する関西の顧客に受け入れられるかどうかが課題だ。

この第一店舗目の成功が、すべてのカギを握っているのは間違いない。

電飾ギラギラのスーパー玉出は店も商品も個性的?

蛍光色の看板でパチンコ屋と見まがうような外装だが、店内も電飾がいっぱいで、24時間営業で、深夜になるとさらに電飾が目立つ。

奇抜なのは見た目だけではなく、1000円以上買うと肉でもグラム1円になるという、絶対赤字のセールがインパクト大だ。

サラダ油や卵などの日用品はそれほど安くないといわれているが、目を引く安さなのは惣菜で30円、50円などの通常のスーパーでは考えられない値段で提供されている。

うなぎなしのウナギのタレだけご飯や、ご飯の上に鮭と永谷園の鮭茶漬けを入れただけの鮭茶漬など、独特なお弁当も個性的だ。

だが、調理前のマフグをパック詰めして出し「食品衛生法違反」、外国人留学生を許可された時間を超えて働かせて「入管難民法違反」、前社長が暴力団と関与して「組織犯罪処罰法」で逮捕されるなど不祥事も多い。

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業務スーパー超お買い得の加工品が特徴

「業務スーパー」を手がける株式会社神戸物産は業務用食品の販売が主力だけに、価格も分量も業務用サイズだ。冷凍食品や加工食品がメインなので、手間をかけずに料理を食べたかったり、大所帯の人には助かる商品が一杯だ。

逆に家族が少なく食材が少なくていい人、自分で手料理したい人には不向きで、好き嫌いが分かれるだろう。

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倉敷が発祥のラ・ムーの正体は?

岡山県倉敷市に本社を置く大黒天物産株式会社が展開するスーパー「ディオ」系列の激安スーパー、その名は「ラ・ムー」。もしかすると、オーケー最大の敵はここかもしれない。

ラ・ムーに併設されているフード店パクパク(PAKUPAKU)のたこ焼きやソフトクリームは全部100円と驚きの価格だ。あまりの安さに、たびたび社内でも価格の見直しが取り沙汰されているそうだが、大黒天物産・大賀昭司創業社長の「お客様によろこんでもらいたい」という信念で、いまだに100円のまま据え置いていると言われている。ナショナルブランドの特売のまとめ買いが特徴で、箱買い客が車に積み込む光景が多くみられる。

そして、商品の安さを追求するために、店内の装飾などはシンプルで質素なところが「玉出」とは正反対。

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さらに、ラ・ムーの前身である第1号店の名前が「幸福の商店」で想像できるように、大黒天物産の創業者はガチガチの「幸福の科学」信者だ。「ラ・ムー」という名前自体も、何度も転生を繰り返している教祖がムー大陸の王だったときの名前だといわれている。

パート、アルバイトはともかく、入社した場合は強制的に入信させられて、布教活動に参加しないといけないともっぱらの噂だ。

数年前に入社したという某氏の話によると、まだ出店数の少なかった九州でスカウトされて幹部入社を果たし、岡山県倉敷の本部に勤務したが、入社してはじめて「幸福の科学」を信仰する会社だと分かり、2年もしないうちに病気を理由に退社したという。

入社した場合は信仰心がないと務まらないためか、今のところブラック勤務などの不祥事は一切聞こえてこないのが救いだ。

オーケーの真のライバルは?

以上、オーケーと他のライバルスーパーの特徴を挙げてみたが、オーケーの強みとぶつかるスーパーはほとんど見つからない。オーケーの進出に危機感を抱かないといけないのは、安売りスーパーよりも、むしろ地元に根付く地場スーパーの方なのかもしれない。

顧客がオーケーに惹きつけられる理由は、安さもさることながらその信頼性である。

地元スーパーは改めて、誠実に顧客と向き合う姿勢を求められるだろう。

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