イオンが不振にあえぐ中、「業務スーパー」に客が殺到する理由

2018.09.18
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ユニークな品揃えと安さが魅力で、SNSなどでも話題を独占しているスーパーマーケット・チェーン「業務スーパー」。近年、スーパーマーケット業界の不振や閉店が社会問題にもなっていますが、その中で「業務スーパー」は飛ぶ鳥を落とす勢いで店舗数を拡大し業績を大きく伸ばしています。この人気は一体どこから来ているのでしょうか? フリー・エディター&ライターでビジネス分野のジャーナリストとして活躍中の長浜淳之介さんが、同店に直接足を運んで取材を重ね、その魅力を徹底分析しています。

プロフィール:長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)、『バカ売れ法則大全』(SBクリエイティブ、行列研究所名儀)など。

スーパー界の「ユニクロ」とも言うべき製販一体のビジネスモデルを構築

業務スーパー」は、「毎日がお買い得(EDLP=エブリデイ・ロー・プライス)」をコンセプトに躍進中のスーパーマーケット・チェーン。プロの品質の商品を、格安のベストプライスで提供することをモットーとしている。

特筆すべきは、「クックパッド」のようなレシピ投稿サイトに、業務スーパーで購入した食材を使って考案した創作料理が毎日のように投稿されて、人気を博していることだ。業務スーパー店舗の外観、レイアウトは極めてシンプルだが、消費者の料理創作意欲をかき立てる特別な魅力を持つ商品構成であり、宝探しのような面白さがあるのだ。

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経営する神戸物産の2017年10月期の年商は連結で2515億300万円(前年同期比5.1%増)、経常利益157億7800万円(同80.8%増)と過去最高を更新5年前の12年10月期では年商約1574億円だったので1.6倍にスケールアップした。当時の経常利益は約47億円だったので、利益も順調に増えている。

18年10月期も第3四半期(17年11月~18年7月)までで、業務スーパーの店舗数は809店となった。純増で29店舗増(出店34、退店5)と好調を持続。業務スーパー事業の累計期間の売上高1753億1500万円(同8.6%増)と成長している。

日本チェーンストア協会の統計によれば、スーパーマーケットの市場規模は、1997年度(97年4月~98年3月)の約16兆8600億円をピークに縮小を続けており、2017年度(17年4月~18年3月)には約12兆9000億円にまで落ち込んでいる。

大手スーパーのイオン、イトーヨーカ堂、ユニー、西友などが伸び悩む中、業務スーパーはスーパー界のユニクロとも言うべき製販一体のビジネスモデルを構築して、例外的な急成長を遂げている。つまり、充実した自社工場、協力工場の商品に特徴がある。人件費、原材料費の安い海外拠点が充実し、商社や卸を経由すればかかる中間マージンを省いているので、安価で販売できるのだ。

しかも、FC(フランチャイズ)システムを活用して、店舗を急拡大させているのも、どの企業も直営ばかりであるスーパー業界では類を見ない。つまり、規格外のチェーンである。年間を通じて品揃えされたユニークな激安商品を、EDLPで販売している。

地域最安値や超目玉商品も

地域最安値や超目玉商品も

EDLPとは特売を行わない商法で、チラシ、TVCMなどの広告宣伝費を削減。消費者が感じる、特売日に行けなかった不公平感を解消するとともに、日々の販売動向の分析から需要予測が立ちやすくなり、合理的な受注が可能となる。アメリカの世界最大の小売業ウォルマート(西友の親会社)、日本ではOKストアの取る戦略としても知られる。

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