スーパー・オーケーが、関西進出の足がかりとして関西スーパーの買収を試みましたが、結果は「敗北」。では、数ある関西のスーパーの中で、なぜオーケーは関西スーパーを選んだのでしょうか? サステナブルなビジネスモデルを紹介するメルマガ『次世代ニューノーマルに売れるサステナブルビジネス~第3の持続可能なビジネス 全貌解説!!』では今回、関西スーパーの魅力である米国流日本式経営と、そこに育った「人財」について語っています。
関西スーパー争奪戦に見た!米国流日本式経営の限界とは?~米アルバートソンズの成長の事例から
スーパー・オーケーが関西スーパー買収に動いた本当の理由とは?
最高裁の経営統合手続き差し止め棄却判決により、スーパー・オーケーの関西スーパー買収は不可能となりました。
この判決を聞き、私は今後関西スーパーの経営が持続可能なビジネスモデル構築へ向かうことができると感じ安堵しました。
なぜなら経営方針と共に企業文化が培った企業風土が違う両社では、シナジー効果は生み出せないと確信していたからです。
ずばり関西スーパーの強さとは、現場ベクトルが毎日のおかず屋になる目標へと向かい、目先の利益だけを求めコストダウンを図らず、現場が単なる作業員にならない、人が辞めない企業風土=持続可能な風土の存在です。
では収益性抜群のスーパー・オーケーが関西スーパーを買収したい!と動き、H2Oとの間で争奪するまで関西スーパーを是が非でも自社に取りこみたかった本当の理由は、一体何なのでしょうか?
それは、カンバン方式の関西スーパー創業者北野氏が学んだ、アメリカのスーパーアルバートソンズ創業初期に実践した米国流日本式経営とも言える効率と人がシナジーを生む企業風土が浸みこんだ人財そのものだったのです。
関西スーパーがカンバン方式の先に求めたものとは!?
スーパー・オーケーは創業59年の関西スーパーとほぼ同時期58年創業で、初期からコンピューターを導入し仕入れ商品を効率的に配置し、お値ごろを価値に顧客支持を獲得しました。
方や関西スーパーは、刺身など鮮度をとくに重視する日本独特の消費性向に合わせ、生鮮食品の加工処理システムカンバン方式を開発導入し、日々のおかずが欠品しない売場をつくり、来店客が来てよかったと感じるお店をつくりあげ、支持されました。
スーパー・オーケーは丁度この時関西スーパーからカンバン方式を学び、自社に取り入れることで、売場の効率化に成功します。が、同時に関西スーパーにしかない、人が単なる作業員にならない、そして人が辞めない風土が自社にかけていることを認識します。
人が定着する企業風土を関西スーパー研修中に肌で感じたスーパー・オーケーは、その後関西スーパーと自社がいずれ合併すれば効率と人が合体し、人が単なる作業員にならない、人が辞めない、現場の自主性がお店を機能させる唯一無比のお店をつくれると確信したようです。
現場の自主性がお店を機能させる唯一無比のお店とは?どこにあるのでしょうか?
それは、関西スーパーがその後視察時にベンチマークしたアメリカで効率と人が共に活きるスーパーアルバートソンズでした。