スーパー「OK」はナゼ喉から手が出るほど関西スーパーを欲しがったのか?

TOKYO, JAPAN - 20 March 2021:OK signboard that is a supermarket , Japanese word " High quality "
 

関西スーパーがアメリカスーパーアルバートソンズから学ぼうとした米国流日本式経営とは?

アメリカの現場オペレーションと日本のカンバン方式による鮮度を維持した、高い生産性の補充作業と共に、目的と目標を明確にした意思伝達が自主的に動く現場を可能にする日本式が一つになれば、人にかけるコストが吸収され、人が辞めない持続可能なビジネスモデルを構築できます。

関西スーパーの創業時59年には株式上場を果たしたアルバートソンズが、その後シアトル出店でチェーンストアとなった証の100店舗という店舗数も突破し、同社はチェーンオペレーションの標準化を達成します。

関西スーパーはこの時アメリカのスーパーアルバートソンズに、効率化したチェーン店の流れをくみながらも、人が辞めないスーパーをつくることができる同社しかない企業風土の存在を感じ取ります。

アメリカスーパーアルバートソンズに見た、米国流日本式経営を具体化するためのヒントとは!?~ ←h4タイトル

私は当時10年弱当時北野氏が会長だったAJSのアメリカ視察セミナーに同行し、アルバートソンズの売場視察時に通訳も兼ね、売場陳列から商品の絞り込みに至るまで、参加者からの質問を現場アメリカ人スタッフに投げかけインタビューしました。

当時アルバートソンズは、1,000店弱の店舗を本拠地のアイダホ州から全米の半分にあたる地域に展開し、未進出の州で地元のスーパーを傘下に入れながらも、トップからの意思伝達事項がお店で働く全員にそれぞれの役割に沿って、分かりやすく、見える化されていました。

例えば見える化の一例を挙げると、荷受けの役割のパートタイマーには、荷受けする時に必ず視界に入る場所に「荷受け帳を記入せよ!」と掲載していたのです。

当時多くの日本の小売企業が、関西スーパーがアルバートソンズを視察のベンチマーク企業にするためアルバートソンズ視察を敢行していましたが、バックヤードを見て「荷受け帳を記入せよ!」という文言を壁に貼り付けているのを発見すると、アルバートソンズの目的と目標を明確にした意思伝達の具体化は「荷受け帳を記入せよ!」という文言を貼り付けているからできていると、理解してしまう例が後を絶ちませんでした。

関西スーパーが学ぼうとした、アルバートソンズの効率と人が互いにかみ合うシナジーを生むためのヒントとは、荷受け時の現場のマネージャーの職務が明確に指示されているため、役割ごとでやるべきこと=「荷受け帳を記入せよ!」がシンプルな指示となり、現場が機能するための、時系列の流れを指すのです。

print
いま読まれてます

  • スーパー「OK」はナゼ喉から手が出るほど関西スーパーを欲しがったのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け