あなたは「脱マスク」する?しない?日本人のホンネは感染予防よりも他人の目…マスク好きマスク嫌い双方に「もっともな言い分」

2022.10.11
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by たいらひとし
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岸田首相が「マスク着用に関する新ルールを策定する」と表明したが、IT大手のGMOインターネットグループがコミュニケーション不足による社内の活力低下に危機感を抱いて、いち早く「脱マスク化」に乗り出すことがネット上で話題となっている。オミクロン株「BA.5」が弱毒化していることを示すデータが発表されたり、マスクによる予防効果が低いという事実が判明する中、日本国内で一気に「脱マスク化」が進みそうな勢いだが、問題は日本人の「脱マスク」に対する抵抗感だろう。これほど日本人が脱マスクを嫌がる理由は一体どこにあるのだろうか?

日本人だけ「脱マスク化」が進まない理由

「テレ東BIZ」の霞ヶ関担当キャップ小野鉄太郎氏は9月28日の公式動画で、日本の脱マスクが進まない理由について紹介。

これによると、厚労省は「コロナ対策のためのマスクの着用」について、屋外については会話をしないで、通路ですれ違ったり公園で散歩したりする場合、また2m以上の距離を開けて会話する場合は、マスクは必要ないとしている。また屋内では、2m以上の距離を開けた図書館での読書はマスク不要としながら、屋内では基本的にマスクの着用を推奨しているという。

子どものマスクの着用に関しては、「人との距離の確保でき、会話をほとんどしない場合」はマスクは不要としながら、現実の保育園や学校施設などでは、そのような環境になりようがなく基本的にはマスクを着用せざるを得ない状況だとしている。

厚労省の幹部は、

「マスクによる弊害も確かにあると思う。現時点では一応まだ屋内で人が集まるときはマスクが基本」

としながら、これを変えていくには、

「これは国民合意の問題。どういう社会状況に今あるのかというのは、必ずこっちだという答えはない」

と答えたという。つまり「脱マスクに進む」か「現状維持」のままかは国民の世論にかかっているというのだ。こうなると、世論を左右する専門家の意見が重要になってくるが、やはり国民の間では「マスクは必要」という人が多数派のようだ。

 

上昌広医師「マスクのコロナ予防効果は低い」

医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏によると、韓国で行われた検証によると医療用のマスクN95が感染リスクを71%も減らしたのに対し、一般のサージカルマスクでは医療従事者では31%、一般人では22%しか減らすことができなかった。マスクをしても感染防止効果は低いという見解で、マスク偏重主義に一石を投じているが、少数派の意見のためかき消されているようだ。

さらに、水際対策の緩和には経済団体からの強い要請、全数把握の見直しには医師会や全国の知事からの要請があり実現したのに対し、「脱マスク」に関しては目立った団体の要請がないために、今日まで先延ばしにされてきたようだ。

【関連】上昌広医師が苦言、マスクのコロナ予防効果の低さを知らぬ日本人

海外の「脱マスク」が急速に進んだのは、感染蔓延時にマスク着用が義務化されていたためで、解除後には誰もマスクをしなくなったからだ。

逆に日本の場合、マスク着用は義務ではなくあくまでも「推奨」のため、その境目が分からないことも影響しているのだろう。

いいことなし!「脱マスク派」の言い分は

日本人であれ、外国人であれ、多くの人々がマスクに窮屈さを感じているのは間違いない。マスク装着時は基本的に息苦しく、真夏には熱中症の危険さえあった。

そして、さらに深刻なのは、「コミュニケーション不足」という問題だ。

マスクは相手の口元を見ることができず、声がこもって聞き取りにくく、相手が何をどう思っているのか読み取ることができない。そのうち自然と距離ができて、会社や学校の仲間とも疎遠になってしまう問題があった。

顔と顔を見て読み取るのは重要なことのようで、この影響は乳幼児にもっとも顕著に現れるようだ。米・ブラウン大学の研究では、コロナ禍に生まれた子どもを調査し、コロナ以前に生まれた子どもに比べて、2割近く学習能力が落ち込んでいたという結果を公表している。

そして、もっとも深刻なのが、マスクをしていない人に対する「同調圧力」だ。

コロナ感染に対する恐怖心が低くなってきても、マスクをしていない人に対する「周囲の目の冷たさ」は変わらない。

公衆の場でちょっとマスクを外しただけで、「なぜマスクをしないの?」と詰めよられた経験をした人も多いのではないだろうか?

【関連】コロナとマスクで見えてきた一番恐ろしい「同調圧力」という世間

日本の場合、感染対策というより「周囲の視線」対策としてマスクをし続けているケースが多いのではないかと思われる。人の目が気にならない屋内ではマスクを外していながら、外出した途端に他人の視線が気になりマスクを装着するという矛盾した行動をとる人は多いようだ。

マスクとリモートが必須だった緊急事態宣言下は「コミュ症」には天国?

マスク生活を窮屈に思う人が大勢いる一方で、逆に「マスクを外したくない」という人もかなり多いようだ。

とくに多感な3年間がマスク生活だった中学・高校の学生たちは、マスクありきの顔が当たり前となり、マスクを取って素顔を見られることが「下着を見られるように恥ずかしい」という。

そして、幼い子どもたちは「マスクをしなさい」と先生や親から植え付けられているため、いざ「マスクをしなくてもいいよ」と言われても、怖がって外さないという話も聞こえてくる。

また、マスク生活では、化粧をしなかったり、髭を剃らなかったり、表情を見られなかったり、「他人からどう見られているか?」を考えるような気遣いをしなくてもよかったという利点もあるようだ。

会社でもリモートワークが増え、余計な飲み会のつきあいや、長時間の会議にも参加しなくて済むようになった。

これは、元々コミュニケーションが苦手なタイプや、面と向かって打ち合わせするより書面でのやりとりの方が楽だった人にとっては、効率的で有意義な時間だったのかもしれない。

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