さらに、餡子と皮にも並々ならぬこだわりが。
餡子の小豆は、最高級品である「丹羽大納言」を使っているのですが、砂糖の量で、また試行錯誤。
お土産として日持ちをさせるには、砂糖を多くしなければなりません。
しかし、砂糖が多いと、小豆の素材としての良さが失なわれてしまいます。
砂糖を少なくすると、水分が出て、皮も湿り、日持ちしなくなります。
もっとも適した割合を探り出し、賞味期限1週間という、現在の商品に辿り着きました。
皮もパリパリ感を損なわないようなものを探し、石川県産の「新大正もち米」という、最中用の高級もち米を使うことに。
こうした苦労の末に、長岡京市の名物と言われる「竹の子最中」が誕生したのです。
この商品は、全国菓子大博覧会で「総裁賞」を受賞し、生みの親である西山さんは、産業発展に貢献した人を表彰する、「京都府 現代の名工」にも選ばれています。
和菓子職人として、伝統技術へのこだわりを持ちながらも、固定観念を捨てた斬新なアイデアで、新しい名物を作り出しました。
伝統を守るだけでは、進歩はありません。
新しい発想を取り込んでこそ、お客さまに飽きられない商品・味が生まれるのです。
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