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中国のスパイか?解雇されたツイッター「人権問題」担当責任者の正体

買収したツイッター社のCEOに就任するやいなや、社員の大量解雇に踏み切ったイーロン・マスク氏。中でも人権問題を担当するチーム全員のリストラが大きな話題となっていますが、そこには大手メディアが報じない裏事情が存在するようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、人権問題担当チームの責任者である中国出身の女性取締役の経歴や、噂されている中国政府との関係を紹介。さらに彼女のリストラが意味することやマスク氏の思惑等を考察しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年11月9日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

【米国】ツイッター大量解雇の裏で「中国のスパイ」もリストラか

ツイッター社を買収したイーロン・マスク氏が本社ならびに世界各地の支社の多数の従業員を解雇したことが波紋を広げています。解雇は全社員の半数におよび、こうした動きに反発したハリウッドなどのセレブたちが、ツイッターから自身のアカウントを削除して批判の意を示しています。

暴君イーロン・マスクのツイッター買収で、セレブたちが続々「アカウント削除」! ジジ・ハディッドや元恋人アンバー・ハードも

このリストラで話題になっているのが、人権問題を担当するチームが全員解雇されたということです。ツイッターでは「昨日がツイッターでの最後の日だった。人権問題を担当するチームがまるごと解雇された」という報告が相次いだとのこと。

マスク氏の大規模解雇でツイッター混乱 社員提訴 広告主も撤退

これによって、虚偽投稿やヘイトスピーチなどが放置される懸念が高まり、大企業が広告出稿を取りやめる事態になっているといいます。

もっとも、これは表向きのニュースです。実は、ツイッターの人権問題担当部署には、スタンフォード大学の教授でAI技術の専門家である李飛飛という女性が責任者となっており、しかも、この女性は中国政府と密接な関係が噂されていました。

李飛飛氏は北京で生まれ四川省育ち、16歳でアメリカに移住しました。カリフォルニア工科大学で博士号を取得、2009年にはスタンフォード大学助理教授に就任、その後はAI研究室の責任者になっています。

2016年にグーグルのAIと機械学習のチーフサイエンティストに就任、その後、李飛飛氏はグーグルの中国進出を支える中心人物となっていきます。李飛飛氏の斡旋でグーグルは清華大学人工知能研究所との提携を発表します。この研究所は、中国人民解放軍と技術開発を行っていることでも知られています。

ツイッター社取締役に就任したAI学者、李飛飛氏の赤い経歴

2018年、李飛飛氏はグーグルを退社し、スタンフォード大学に復帰しますが、2020年5月11日、ツイッター社は彼女を独立取締役に起用することを発表。AI技術を使って、フェイクニュースや差別的表現を排除する人権問題担当部署の責任者に就任します。

この起用に対して、一部からはツイッターが今後、中国共産党寄りになるのではないかという懸念が持ち上がりました。当時の「自由時報」は、李飛飛氏が中国政府と密接な関係にあることをツイートすると、アカウントを取り消されるといったネットユーザーからの報告が海外メディアで紹介されたことを報じています。

推特是親中共魔鬼?連署請白宮査「紅色背景」獨董李飛飛

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さらには、アメリカホワイトハウスの請願サイト「We The People」には、「BB」という署名入りネットユーザーから、李飛飛氏と中国の関係調査の依頼も提出されました。そこには、2019年からツイッター社は中国共産党から資金を受け取り、中国語圏の民主・人権派のアカウントを大量に消去・ブロックしてきたことが綴られており、李飛飛氏の採用もその一環だというものでした。

実際、ツイッターの検索機能では、民主化運動家のツイートが見つけにくい状況になっていたといいます。

中国には、海外留学経験者が集まる「欧米同窓会」という組織があります。1913年に創立された当初は民間団体でしたが、中国共産党が中国を統一した1949年以降は党の指導下に置かれ、現在では党中央統一戦線工作部の管理のもと、海外でのスパイ活動や世論操作など、工作活動を行う機関となっています。李飛飛氏はこの欧米同窓会と濃密な関係を持っているとされています。

彼女の就任から約2週間後の5月26日、ツイッター社は当時のトランプ大統領のツイートに、初めて読者にファクトチェック(真偽確認)を促す警告マークを表示します。対象となったトランプ大統領のツイートは、「郵送投票は実質的に不正であり、不正選挙につながる」というものでした。

トランプ氏のツイートに初めて「真偽確認」警告、郵送投票巡る主張で

ツイッター社はこのツイートに青い「!」マークをつけ、郵送投票に関する真偽確認を促すメッセージを表示。それをクリックすると、「トランプ氏は郵送投票が不正投票につながるとの根拠のない主張をしている」という見出しとともに、トランプ氏の主張を否定する内容のニュースや情報が並んだページへと誘導されるのです。

これに対して、トランプ氏はツイッターが2020年の大統領選挙に干渉しているとして、「ツイッターは言論の自由を抑圧している」と猛反発しています。その後の2021年1月、ツイッター社がトランプ氏のアカウントを永久凍結したことはご承知のとおりです。この決定にも、李飛飛氏がかかわっていると言われています。

今回のイーロン・マスク氏によるリストラで、この李飛飛氏が解雇されたことで、中国の情報戦からツイッターが解放されると見る向きもあります。

とはいえ、マスク氏は「台湾は中国の特別行政区になることを検討すべきだ」など、中国が喜ぶ発言もしていますから、今回の大量解雇に、そこまでの意図があったかどうかはわかりませんが。

「台湾は特別区に」マスク氏発言の波紋

ただ、アメリカではメディアもSNSもリベラルが強く、「ポリティカル・コレクトネス」によって、保守的な言動が批判され、時には言論を封殺するような風潮が続いてきました。2020年の大統領選でトランプが敗北した背景には、SNSの影響も少なからずあったでしょう。

それから2年、アメリカの中間選挙では共和党の優勢が伝えられ、トランプ氏の2024年大統領選出馬が取り沙汰されています。その折に、ツイッター社でトランプ氏のアカウントを凍結した関係者や関係部門がリストラされるというのも、一つの大きな転換点なのかもしれません。

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