2012年、習近平時代がはじまりました。2015年3月、AIIB事件が起こり、アメリカの没落と中国の影響力の大きさが明らかになった。そして、米中覇権戦争の前哨戦がはじまった。この時、大統領はオバマ、副大統領はバイデンでした。さて、国際金融資本、グローバリストの大物ソロスの中国観は、その後どうなったのでしょうか?BUSSINESS INSIDER JAPAN 2019年1月28日を見てみましょう。
世界経済フォーラムの年次会合(ダボス会議)で、ビリオネアの投資家、ジョージ・ソロス氏がスピーチを行った。1月24日の夜(現地時間)に行われたこのスピーチは、ソロス氏が中国に対して間違いなく批判的であることを示した。「今夜、わたしはこの時間を、開かれた社会の存続を脅かすこれまでにない危険について、世界に警告するために使いたいと思う」
中国=「開かれた社会の存続を脅かすこれまでにない危険」だそうです。9年前まで、「中国がアメリカにかわる覇権国家になってもいいよね」と絶賛していた人が、ずいぶん変わりました。そして、ソロスは、「決定的発言」をします。
「中国は、世界で唯一の独裁政権ではない。だが間違いなく、最も経済的に豊かで、最も強く、機械学習や人工知能が最も発展した国だ。これが開かれた社会というコンセプトを信じる人々にとって、習近平を最も危険な敵にしている」
(同上)
「習近平 = 最も危険な敵」だそうです。
私たちが忘れてはいけないこと。それは、ソロスは、「ただの個人ではない」ということ。彼は、「国際金融資本」全体の考えを代弁している。つまり、国際金融資本が、「習近平はもっとも危険な敵」と認定した可能性が高い。
巷には、いまだに「中国とグローバリストは一体化している」と主張している人たちがいます。しかし状況は変化しているので、アップデートする必要があるのです。
(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2022年1月23日号より一部抜粋)
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