あなたの会社では、「1on1」ミーティングをどのように行っていますか? 実はコロナ禍のいま個別面談形式のミーティングが大きな注目を集めています。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、経営コンサルタントの梅本泰則さんがその方法を紹介。そしてスティーブ・ジョブズをコーチしていたという「シリコンバレーのレジェンド」が行っていた「1on1ミーティング」の進め方について解説しています。
元グーグル会長が紹介「シリコンバレーのレジェンドによる1on1ミーティングの進め方」
1.1on1ミーティングについて
1on1(ワンオンワン)ミーティングをご存知でしょうか。日本語にすると、「個別面談」です。上司と部下が、1対1で面談をする形式のミーティングを指します。人事考課の時に行う面談に近いですが、それよりも軽い内容で、回数も多いです。
とはいえ、この1on1ミーティングが苦手な上司もいます。どんな話をして、どんな進め方をしたらいいか、よく分からないからです。新人のマネージャーなどは、特にそう感じるかもしれませんね。ですから、1on1ミーティングのやり方について書かれた記事もあります。
実は、私が2社目に勤めた会社では、1on1ミーティングが盛んに行われました。数日ごとに、上司に呼ばれて短いミーティングをします。ミーティングがいつ行われるか、決まってはいません。上司が気になったことがあると、そのたびに部下をミーティングルームに連れ出します。現状の売上状況であったり、代金回収の進み具合であったり、お客様との商談内容の確認であったり、内容は様々です。
この1on1ミーティングは、仕事を進めるうえで、大変役に立ちます。上司にしてみれば、常に部下の業務内容が把握できますから、安心です。部下にしてみれば、上司の理解が得やすいので、これも安心感があります。たまには、仕事上の悩みを相談することもあるでしょう。ですから、1on1ミーティングは、円滑なコミュニケーションにもつながりますし、効果的な組織運営にもつながります。
この1on1ミーティング、人事考課のときだけでなく、普段から頻繁に行うと良いでしょう。
2.ビル・キャンベルのこと
そんな1on1ミーティングですが、最近面白い本に出合いました。『1兆ドルコーチ』(ダイヤモンド社)という本です。著者は、元グーグル会長のエリック・シュミット。シリコンバレーのレジェンド「ビル・キャンベル」について、書かれています。
私は、ビル・キャンベルのことを全く知りませんでした。彼は、もともと大学フットボールのヘッドコーチですが、ビジネス界に転身して大きな成功を収めました。さまざまな企業のコーチをしていて、特にグーグルとアップルとの関係が強い人です。
スティーブ・ジョブズについては、30年間コーチをしました。ジャック・ドーシー(ツイッター)、ジェフ・ベゾス(アマゾン)、ラリー・ペイジ(グーグル)、S・サンドバーグ(フェイスブック)といった大物にも、大きな影響を与えています。シリコンバレーのレジェンドと言われる所以です。
この本には、チームのまとめ方、成果の出し方、リーダーシップを発揮する方法など、経営者にとって学ぶべき内容が詰まっています。そして、その中に1on1ミーティングの進め方が取り上げられていますので、紹介することにしました。
ビル・キャンベルは、1on1ミーティングを次のようなテーマで進めたそうです。
・ムダ話
・その日の5つのテーマ
・仕事の進み具合
・同僚との関係
・チームの問題
・イノベーションについて
何となく、ありきたりの1on1ミーティングではなさそうです。もう少し詳しく説明しましょう。
3.ビル・キャンベルの1on1ミーティング
ビル・キャンベルは、1on1ミーティングの最初にする「ムダ話」を大切にしていました。主に家族やレジャーのことなど、プライベートの話をします。これが大切なことなのです。
次に、二人がそれぞれに「その日の5つのテーマ」を発表します。これが、本日の議題です。
以下にあげる「仕事の進み具合」や、「同僚との関係」、「チームの問題」から来る具体的な内容も議題になっていきます。二人のテーマが同じものもあれば、違うものもあるので、テーマは最大10個です。
そして、「仕事の進み具合」では、主に売上の成果や、商品開発について話し合われます。その時、
・どんなことに取り組んでいるか
・それはうまくいっているか
・そして、何か力になれることはあるか
ということを話し合うことが重要です。
「同僚との関係」について話し合うことも大切にしています。これは、上司や上役との関係ではありません。あくまで、同僚との関係です。同僚にどのように評価されているかを明確にします。その評価をあげることで良いチームになるからです。
そして、「チームの問題」に話は移ります。この時に問題になるのは、
・部下をしっかりと指導できているか
・チームに対して明確な方向性を定めているか
・それをことあるごとに強調しているか
ということです。
最後に「イノベーション」について話し合います。たとえば、
・新しい方法を考え、実行したか
・向上するために、何をするか
のようなことです。
あなたも、このような内容で1on1ミーティングをされてはいかがでしょう。ビル・キャンベルのようなアドバイスができるかもしれません。そして、彼は1on1ミーティングについて、こう言っています。
「マネージャーの最も重要な仕事は、部下が実力を発揮し、成長し、発展できるように手助けをすることだ。1on1ミーティングは、それを行う絶好の場所だ」
■今日のツボ■
・1on1ミーティングは組織運営に効果的である
・ビル・キャンベルの1on1ミーティングの進め方は参考になる
・1on1ミーティングは部下の成長発展を助ける場となる
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