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あのスティーブ・ジョブズを30年間コーチした人物が教える「1on1」の進め方

あなたの会社では、「1on1」ミーティングをどのように行っていますか? 実はコロナ禍のいま個別面談形式のミーティングが大きな注目を集めています。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、経営コンサルタントの梅本泰則さんがその方法を紹介。そしてスティーブ・ジョブズをコーチしていたという「シリコンバレーのレジェンド」が行っていた「1on1ミーティング」の進め方について解説しています。

元グーグル会長が紹介「シリコンバレーのレジェンドによる1on1ミーティングの進め方」

1.1on1ミーティングについて

1on1(ワンオンワン)ミーティングをご存知でしょうか。日本語にすると、「個別面談」です。上司と部下が、1対1で面談をする形式のミーティングを指します。人事考課の時に行う面談に近いですが、それよりも軽い内容で、回数も多いです。

とはいえ、この1on1ミーティングが苦手な上司もいます。どんな話をして、どんな進め方をしたらいいか、よく分からないからです。新人のマネージャーなどは、特にそう感じるかもしれませんね。ですから、1on1ミーティングのやり方について書かれた記事もあります。

実は、私が2社目に勤めた会社では、1on1ミーティングが盛んに行われました。数日ごとに、上司に呼ばれて短いミーティングをします。ミーティングがいつ行われるか、決まってはいません。上司が気になったことがあると、そのたびに部下をミーティングルームに連れ出します。現状の売上状況であったり、代金回収の進み具合であったり、お客様との商談内容の確認であったり、内容は様々です。

この1on1ミーティングは、仕事を進めるうえで、大変役に立ちます。上司にしてみれば、常に部下の業務内容が把握できますから、安心です。部下にしてみれば、上司の理解が得やすいので、これも安心感があります。たまには、仕事上の悩みを相談することもあるでしょう。ですから、1on1ミーティングは、円滑なコミュニケーションにもつながりますし、効果的な組織運営にもつながります。

この1on1ミーティング、人事考課のときだけでなく、普段から頻繁に行うと良いでしょう。

 

2.ビル・キャンベルのこと

そんな1on1ミーティングですが、最近面白い本に出合いました。『1兆ドルコーチ』(ダイヤモンド社)という本です。著者は、元グーグル会長のエリック・シュミット。シリコンバレーのレジェンド「ビル・キャンベル」について、書かれています。

私は、ビル・キャンベルのことを全く知りませんでした。彼は、もともと大学フットボールのヘッドコーチですが、ビジネス界に転身して大きな成功を収めました。さまざまな企業のコーチをしていて、特にグーグルとアップルとの関係が強い人です。

スティーブ・ジョブズについては、30年間コーチをしました。ジャック・ドーシー(ツイッター)、ジェフ・ベゾス(アマゾン)、ラリー・ペイジ(グーグル)、S・サンドバーグ(フェイスブック)といった大物にも、大きな影響を与えています。シリコンバレーのレジェンドと言われる所以です。

この本には、チームのまとめ方、成果の出し方、リーダーシップを発揮する方法など、経営者にとって学ぶべき内容が詰まっています。そして、その中に1on1ミーティングの進め方が取り上げられていますので、紹介することにしました。

ビル・キャンベルは、1on1ミーティングを次のようなテーマで進めたそうです。

・ムダ話
・その日の5つのテーマ
・仕事の進み具合
・同僚との関係
・チームの問題
・イノベーションについて

何となく、ありきたりの1on1ミーティングではなさそうです。もう少し詳しく説明しましょう。

 

3.ビル・キャンベルの1on1ミーティング

ビル・キャンベルは、1on1ミーティングの最初にする「ムダ話」を大切にしていました。主に家族やレジャーのことなど、プライベートの話をします。これが大切なことなのです。

次に、二人がそれぞれに「その日の5つのテーマ」を発表します。これが、本日の議題です。

以下にあげる「仕事の進み具合」や、「同僚との関係」、「チームの問題」から来る具体的な内容も議題になっていきます。二人のテーマが同じものもあれば、違うものもあるので、テーマは最大10個です。

そして、「仕事の進み具合」では、主に売上の成果や、商品開発について話し合われます。その時、

・どんなことに取り組んでいるか
・それはうまくいっているか
・そして、何か力になれることはあるか

ということを話し合うことが重要です。

「同僚との関係」について話し合うことも大切にしています。これは、上司や上役との関係ではありません。あくまで、同僚との関係です。同僚にどのように評価されているかを明確にします。その評価をあげることで良いチームになるからです。

そして、「チームの問題」に話は移ります。この時に問題になるのは、

・部下をしっかりと指導できているか
・チームに対して明確な方向性を定めているか
・それをことあるごとに強調しているか

ということです。

最後に「イノベーション」について話し合います。たとえば、

・新しい方法を考え、実行したか
・向上するために、何をするか

のようなことです。

あなたも、このような内容で1on1ミーティングをされてはいかがでしょう。ビル・キャンベルのようなアドバイスができるかもしれません。そして、彼は1on1ミーティングについて、こう言っています。

「マネージャーの最も重要な仕事は、部下が実力を発揮し、成長し、発展できるように手助けをすることだ。1on1ミーティングは、それを行う絶好の場所だ」

■今日のツボ■

・1on1ミーティングは組織運営に効果的である
・ビル・キャンベルの1on1ミーティングの進め方は参考になる
・1on1ミーティングは部下の成長発展を助ける場となる

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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