「ロシアは負けるかも」ロシア民間軍事会社のトップがこぼした本音

A Group of tanks lined up in front of Russian and Ukrainian flags. Several military army war battle tank vehicles on the terrain are ready to attack. Russian-Ukrainian conflict or war
 

ロシアは昨年9月、ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州を一方的に併合しました。しかし、ほぼ全州を支配できているのはルガンスク州だけです。

つまり、プリゴジンは、「ルガンスク州ほぼ全部、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘルソン州の一部で、ロシアは停戦交渉しろ!」と。

ですが、この話は、ゼレンスキーとウクライナ国民が納得しないでしょう。ロシアは、どういう根拠で、ヘルソンやザポリージャまで併合したのでしょうか?「ルガンスク、ドネツクで迫害されているロシア系住民を救う」という話だったではないですか。

というわけで、戦闘はつづく可能性が高いのですが、つづいた場合の結末は?

停戦しない場合、露軍はウクライナ軍の反攻で占領地域を奪還され、威信も失う恐れがあると指摘。
(同上)

つまり、ウクライナ軍の反攻で、ルガンスク、ドネツク、ザポリージャ、ヘルソン、ひょっとしたらクリミアも奪還される可能性があると。

さらに、プリゴジンは、明らかに反逆的発言もしています。

「ウクライナはかつてロシアの一部だったかもしれないが、今は国民国家だ」とも述べ、「ウクライナはロシアの一部だ」とするプーチン露大統領の持論に暗に異を唱えた。
(同上)

プリゴジン、今は戦時の貴重な戦力なので、何かされることはないでしょう。しかし、プーチンやロシアの支配層が彼を必要としなくなれば、捕まったり、殺されたりする可能性もでてきそうです。

というわけで今回は、ワグネルのトップが、「ロシア軍は負けるかもしれない」と本音を言い始めたというお話でした。早く戦争が終わることを願います。

(無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』2023年4月17日号より一部抜粋)

image by: Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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