契約は守るべきもの。ただし、「破る自由」も実は存在している

Business man's hand recommending contract and customer's hand refusing it
 

【契約のしくみ】

・契約とはいわゆる約束事です。

・契約は口約束だけでも成立します。

・ただ、言った言わないが常につきまとうので、書面で取り交わすのが普通です。
・契約行為は法律行為とも言えます。契約については「民法」で定められています。

・もし、契約通りにできないと(これを契約不履行といいます)、民事上の責任を負います。

・民事上の責任とは、たとえば、損害金が加算されるとか、一括請求されるとか、差押されるとか、そういうものです。

・民事と刑事は違います。ゴッチャにしてはいけません。契約不履行は民事です。

・つまり、契約を破れば、しかるべき民事上のペナルティを受ける。それは具体的には、損害金や一括請求や、それにも応じられない場合は差押がそれに当たります。

・尚、日本は法治国家であり、法律の頂点は日本国憲法ですから、憲法と矛盾するようなそれ以下の法律はありません。たとえば、「借金を返済できなければ腎臓を売れ」などという法律はありませんし、そのような不条理な契約を結ばされたら契約無効にできます(民法90条 公序良俗に反する契約は無効、など)。

・このように、契約は双方にフェアにできています。

・尚、最初から契約を守る気がなく、契約の際に虚偽のことを書いて相手を信じ込ませ、欺いて金を取るようなことをしたら、これはもはや民事ではなく、刑事です。詐欺罪ですね。

【契約を破る自由についての考え方】

・契約は守るべきなのは当然だが、そこで思考停止してはいけない。

・「従業員の給料を守るために、借金返済を停めなければ…」という場面もある。言い換えれば、「雇用契約を履行するために、金銭消費貸借契約を不履行…」。

・「最初から払う気が無い」のと、「払いたいけど(状況が悪化して)払えなくなった」は大きく違う。前者は刑事事件になりかねないが、後者はあくまで民事の話である。

・だとしたら、どうしても背に腹代えられないときは、自分の意思で、「契約を破る」ことがあってもいいのではないか?

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