店主の睡眠時間は3時間。大阪のパン屋が“超”薄利多売にこだわるワケ

Baker kneading dough in a bakery. Bakery Concept.
 

薄利多売が原因だと言えなくもないのですが、店主の商売に対する姿勢がそうさせているのです。

旅館の息子として生まれ、幼い頃から家業を手伝い、厳しい親に「死に物狂いで働きなさい」と、言い聞かされてきました。

そんな親に反発することなく、一生懸命に働くことが当然のことと受け止めています。

それが商売人であり、それが人生だと考えています。

毎日、睡眠時間は3時間ほど。働き詰めであることに疑問は持たず、「慣れている。それが当たり前」だと言います。

また、忙しすぎて、食事は1日1回。

「商売人の鑑だ」と言うつもりはありません。明らかに無茶なやり方です。

商売人は儲けるべきであり、たまには余暇も楽しむべきです。

それが正しい働き方だと思います。

しかし、この店主は自身の人生を変えるつもりはありません。

このことに、他人が口出ししてはいけません。

お客さまの笑顔を見るためだけに、ひたすらパンを焼き続けているのです。

何かを犠牲にしている気持ちもありません。楽しいのです。それが人生なのです。

お客さまからは、「値上げして」「営業時間を短くして」と言われます。

そんな声援があるからこそ、このまま続けたいと思っています。

個人商店の中には、こうした商売人がたくさんいます。

ただただ、お客さまに喜んでもらいたい。それが自身の幸せだと感じているのです。

尊敬できる、素晴らしい人たちです。

私たちは、そんなお店をもっともっと利用して、店主たちの心意気に応えてあげることが大切です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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