──具体的にどんな手を打たれたのですか。
上場廃止(MBO)を決断しました。
弊社はそれまで東証二部(当時)へ上場していましたが、市場へ出ていた株を買い戻して買収を防ぎ、会社を再建することにしたのです。
周囲からは、そんなのは無理だから売ったほうがいいと言われましたけど、何としても会社を守り、社員を守り、地元の産業を守らなければという一心でした。
おかげさまで銀行様や会計士、弁護士の先生方をはじめ、お取引先様方、たくさんの方々のご支援をいただいて、翌2013年9月にMBOをやり遂げることができました。
けれどもMBOのために要した借入金は、合計454億円にも上りました。
──借入金が454億円。相当な覚悟が要ったのでは。
ハッキリ言って、怖かったですね。
個人資産もすべて担保に入れて、失敗したらゼロ。
無一文になっても仕方がないという覚悟でした。
そこまで腹を括ることができたのは、結婚の際に義父からいただいた「照美さんはタイヨーの嫁だ」という言葉が、心の中にずっと残っていたからでしょうね。
──MBOを実施されたことに対して社内の反応はいかがでしたか。
(……本誌に続く)
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