どうしても食べ過ぎてしまう人は「過食性障害」という病気の可能性があります。今回のもりさわメンタルクリニックの無料メルマガ『精神医学論文マガジン』では、この過食性障害(むちゃ食い障害)の治療法について調べた海外の論文を紹介し、認知行動療法のほかに、薬物療法の有効性について紹介しています。
過食性障害に対する治療の有効性
今回は、成人の過食性障害(むちゃ食い障害)について調べた複数の研究を分析した結果(メタ・アナリシス)をご紹介します。
Binge-Eating Disorder in Adults
A Systematic Review and Meta-analysis
https://www.acpjournals.org/doi/10.7326/M15-2455?articleid=2531704
成人の過食性障害
9本の対照群を置いた心理療法の試験、25本の偽薬を対照群とした薬剤か、薬剤と組み合わせた試験が、分析に含まれました。
結果として、以下の内容が示されました。
- 治療者が介入した認知行動療法+リスデキサンフェタミン+抗うつ薬の組み合わせでは、むちゃ食いの頻度が減少し、症状のない期間が延長していました。
- リスデキサンフェタミン+抗うつ薬ではむちゃ食いに関連したとらわれと強迫性が軽減していました。
- 抗うつ薬ではうつ症状が軽減していました。
- リスデキサンフェタミンでは頭痛、消化器症状、睡眠障害が偽薬よりも多く生じていました。
要約:『過食性障害(むちゃ食い障害)の症状には認知行動療法、リスデキサンフェタミンと抗うつ薬を含んだ薬物療法が有効である』
実際の臨床では、効果が実感できない場合も多いのですが、抗うつ薬などの薬物療法も、心理療法と組み合わせると有効であることが考えられました。
image by: Shutterstock.com









