みなさんのおうちに缶詰はありますか?実は今、缶詰市場が勢いづいているのだとか。今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさんが、この缶詰ブームに着目。飲食店の食品ロス問題にも言及しています。
飲食店の食品ロス問題を解決。残りものは「缶詰」にして販売しろ!
「数量限定」「無くなり次第終了」という飲食店では、あまり食品ロスは発生しません。
しかし、ごく普通のお店では、毎日毎日残りものが出て、自分たちで食べるか、廃棄するしかありません。
仕方のないこととは言え、この食品ロスは、経費の面でも倫理面でも、大きな問題です。
これを解決する手立てはないのでしょうか。
無駄なく用意し、無駄なく使い切ることが大切ですが、そう簡単なことではありません。
天気や気温によっても左右されますし、コロナのような社会情勢になると、どれだけ売れるかはまったく予測できなくなります。
予測ができないと、売り上げを読むこともできず、経営の安定は望めません。
そこで、私からの提案です。
イチ推し、自慢できる料理を缶詰にして、販売するのです。
ある居酒屋さんでは、コロナ禍で売り上げが落ち込んだ際に、自店の料理を缶詰にして販売したところ、大ヒットとなりました。
これをキッカケに、いまでは180種類を超える缶詰を開発して、月に1万缶以上を販売する“缶詰ブランド”として、大きく成長しています。
加えて、いま缶詰市場が勢いづいており、「進化系缶詰」として、人気を集めています。
従来の定番品ではなく、珍しく、楽しく、話題性のある缶詰が次々と誕生しています。
だし巻き・たこ焼き・ハンバーグ・茶碗蒸し・たくあん・きゅうり漬け・鯖チョコ・牡蠣の胡麻オイスター・鰯の昆布オイル煮・明石鯛の蒸し煮・鹿肉のフレッシュコーンミート・青椒肉絲・パエリア・チーズケーキ・ガトーショコラなど。
お店でなければ食べられないようなものが、缶詰になっているのです。
いまや、缶詰にできないものはない、と言っても良いでしょう。
なぜ、ここまで多種多様な缶詰が登場しているのか。
それは、「缶詰巻締機」というマシンが小型化され、比較的安価で購入できるようになったからです。
このマシンは、缶に自動でフタをつけることができるものです。
つまり、缶詰づくりの素人でも、缶詰を作ることができるのです。
従来、缶詰はメーカーに依頼して、作ってもらうしか方法がありませんでした。
しかも、生産ロットは数万個でなければ、発注できません。
しかし、自身で購入できるようになり、小ロット多品種の生産が可能となったのです。
自分たちで調理したものを手作業で缶に入れ、巻締機でフタをするだけ。
誰でも簡単に作業できるので、オリジナルの缶詰が気軽に作れるようになっています。
これは、強い味方になります。
お店で提供する料理の延長で缶詰を作り、しかも長期間保存できるので、販売機会が大幅に増えます。
いま、缶詰専門店もたくさんできているので、販売ルートの確保も難しくありません。
また、缶詰はパッケージやネーミングによって、高い価格をつけることもできます。
価格設定は慎重にすべきですが、お客さまが価値を認めれば、高くても買ってもらえます。
これで食品ロスも無くなり、経営の安定化に繋がるのではないでしょうか。
設備投資は少なく、繁盛の可能性は高く。
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