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なぜ、女子大生が祖父のあとを継いで「町中華」を繁盛させることが出来たのか?

亡くなった祖父の代わりに町中華のお店を継いだ女子大生。その奮闘と繁盛への道のりを、今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者、佐藤きよあきさんが紹介しています。

突如、女子大生が町中華の跡継ぎに。デカ盛りとSNSで大繁盛!

千葉県松戸市に、女子大生が経営する町中華のお店があります。

1ポンド(450g)のステーキが上にのった「ステーキチャーハン」や器からはみ出そうなハンバーグがのった「ドデカハンバーグチャーハン」などが注目され、大人気となっています。

創業44年。女子大生店主の祖父が開業し、町中華の名店として繁盛していました。

特にレバー料理が評判で、多くの常連さんに親しまれていました。

しかし、数年前、店主である祖父にガンが見つかり、闘病の末、他界。閉店の危機となりました。

祖父は、闘病中も自分のことより、お店のことばかりを心配していました。

そのことを知っている現店主は、当時高校3年生ながら、お店を継ぐことを決意。何としても、お店を守りたいと考えたのです。

そのために、残った従業員に協力を仰ぐとともに、もう1人力を借りたいと考えた人にも声を掛けました。

幼なじみの女性です。料理もほとんどしたことがない人ですが、気心の知れた人とともに頑張ることで、心の支えを求めたのかもしれません。

彼女も大学への進学が決まっており、ともに二足のわらじを履くことになりました。

ここから、女子大生2人の奮闘が始まったのです。

最初はコロナ禍でもあったので、外食を控える人が多く、お店はガラガラな状態。

その上、味が変わったという評判がSNSで広がり、ますます大ピンチに。

祖父はレシピを残していなかったので、祖母や従業員の記憶を頼りに、昔の味を再現することから、やり直しました。

何度も何度も繰り返し、少しは近づけたようですが、まだまだだと言います。

それでも、お客さまに満足してもらえるように、努力を続けなければなりません。

祖父の味だけではなく、もっと若い層にも来てもらいたいと考え、新しいメニューも次々に考案しています。

「ステーキチャーハン」や「ドデカハンバーグチャーハン」をはじめ、大きな海老が2本のった「エビフライチャーハン」、エアーズロックと称される「豚角煮込み」、「牛すじハヤシライスセット」、「ローストチキンラーメンセット」、そして日替わりの「まんぷくセット」など、かなりインパクトのあるメニューで、お客さまを惹きつけています。

こうした面白メニューは、お客さまによるSNS拡散だけではなく、店主と相棒自らが、女性大生らしい発想でアピールしています。

InstagramやTikTok、X(旧twitter)を使い、新メニューの紹介や調理動画、営業のお知らせなどを配信しています。

時には、ダンスをしているところや2人のプライベートの様子など、観る人が興味を持つように作られています。

つけ加えると、この2人はなかなかの美形なので、若い男性は積極的に観てしまうのではないでしょうか。

美人だからという表現をすると、いまどきは〇〇ハラスメントだと言われそうですが、店員さんが美人であるという事実は、明らかに集客力を高める要素なので、美人がいるなら、接客をしたもらうことは必須なのです。

このことを本人たちが自覚しているのかどうかは不明ですが。

美貌と若さを武器に、柔軟な発想で大成功したのだと言えます。

若い感性で面白いことをして、いまどきのメディアを使いこなし、注目度の高い宣伝をしています。

女子大生が主体となって切り盛りする町中華。

この事例は特殊なのかもしれませんが、店舗経営の新しいカタチとして、古い商売人のお手本となるのではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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