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アジア杯サッカー日本代表8強敗退の「戦犯」は伊東純也か被害女性か『週刊新潮』か?「新証拠」「スラップ訴訟説」「爆破予告」とカオスに…窮地の森保ジャパン

サッカー日本代表の中核選手として、“森保ジャパン”を支えてきたMF伊東純也(30、仏スタッド・ランス所属)。そんな伊東の性加害問題を『週刊新潮』が先月31日報じたが、その内容はセンセーショナルなものだった。

『週刊新潮』によると、女性Aさん、Bさんの2人が伊東から性被害を受けたというのは23年6月21日未明。前日に大阪で行われた日本代表VSペルー代表を観戦後、知り合いの男性に誘われて出向いた飲み会の席で、伊東らと顔を合わせたという。その流れで連れて行かれた高級ホテルの一室で女性2人は意識を失うほどの大量の酒を飲まされ、伊東と彼のトレーナーから性被害を受けたとされ、1月18日に刑事告訴し、大阪府警が受理したと伝えられている。

これを受け伊東は、カタールでアジアカップに臨んでいる日本代表から2月2日に離脱。翌3日にイランとの準々決勝を控えた中でのゴタゴタにチーム内の空気も最悪と報じられもしたが、その雰囲気も影響したのか結果は1-2の逆転負け。3大会ぶり5度目の優勝を狙ったアジアカップだったが、ベスト8で姿を消すこととなってしまった。

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この結果に、「伊東離脱のきっかけとなった『週刊新潮』の記事さえなければ上を狙えた」と一部のサポーターが激怒。SNSに「新潮社を爆破する」とポストするネットユーザーすら現れる状況となっている。

そんな中にあって伊東サイドは、「女性2人からの虚偽告訴により名誉を傷つけられた」として、民事訴訟を起こす意向を表明するなど、事態は混沌化の様相を呈しているという状況だ。

イラン戦敗退の「戦犯」は『週刊新潮』なのか?

アジアカップ準々決勝のイラン戦敗退に納得の行かない一部サポーターたちにより「戦犯」扱いされている新潮社。前述の通りSNSには「新潮社を爆破する」「(告訴した)女を特定して●●する」と言った犯罪予告も書き込まれるまでの事態となっているが、当然ながらそれは許される行為ではない。さらにファンによる過度な伊東擁護は「本人にとってしんどいこと」と、週刊誌のセンセーショナリズムに否定的な立場を取る、幻冬社の編集者・箕輪厚介氏ですら語っている。

【関連】伊東純也擁護論が本人にとって「しんどい」ワケ。箕輪厚介氏「ファンの勝手」

さらにネット上には、以下のような意見も多数見られる。

《文春の松本報道はM-1報道後。なぜ新潮はアジアカップの真っ最中に伊東純也の疑惑をもってきた》

《伊東純也の件が真実だとしてもアジアカップの後でよかったのでは?文春だってM-1だったし》

《M-1の後に松本の記事出した文春なら、伊東の記事もアジアカップ後に出したろうな》

伊東の疑惑を日本代表がアジアカップを戦っている最中に報じた『週刊新潮』に対する批判的な書き込みだ。これにより伊東がチーム離脱に追い込まれ結果としてイラン戦に勝つことができなかったのであり、「戦犯は新潮社」論が成り立つということであろう。

しかし3日の試合内容を冷静に見てみれば、試合に対する意気込みや修正力、ベンチワークのどれをとっても「負け試合」にふさわしいもので、伊東1人が抜けたことが大きな敗因とは言えないのではないか。

大谷翔平を引き合いに「知らないけど遊んでいますよ」「絶対に発散はしていますよね」

そんな箕輪厚介氏は、元日本代表DF西大伍と西のYouTubeチャンネルで対談した中で、アスリートの飲み会事情を説明。ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平投手にも言及した。

箕輪氏は「アスリートにまで清廉潔白を求め始めたら、世の中つまらなくなると思う。大谷翔平みたいな人がいてもいいけど」と持論を展開。

すると西は「僕知らないですけど、大谷翔平も遊んでいますよ」と推測した。これに対して箕輪氏は「あの人はそうじゃない気がするけど。お酒飲まないとしても、絶対に発散はしていますよね。そうでなかったらやばいですからね」などと、これまた推測を披露している。

伊東純也「性加害記事」の登場人物と関係性

「新潮社戦犯論」はさておき、『週刊新潮』が報じた伊東らによる性加害疑惑は、「登場人物」が多く理解が追いつかないという声も多く聞く。ここであらためて関係する人物とこれまでの流れを見てみよう。

被害を受けたという女性AさんとBさんはともに芸能活動を行っており、彼女らが所属する事務所のC社長を通して、当時、スポーツ選手のマネジメント会社社員だったX氏から日本代表VSペルー代表観戦に誘われ、女性2人は乗り気ではなかったものの「次の仕事につながる可能性」をX氏から匂わされ、C社長とともに東京から大阪に出向いたという。

その試合後、AさんとBさん、C社長はX氏に呼び出され向かった飲食店で伊東らと合流。それから1時間ほど経った頃、AさんとBさんは伊東とX氏と4名で車に乗り込んだというが、C社長はX氏から乗車を拒否されたと言い、不安になったAさんが車内からC社長に電話をかけようとしたが、X氏から「社長には連絡してあるから大丈夫」と止められたと『週刊新潮』は伝えている。

この車で連れて行かれた高級ホテルの一室で、4人に伊東のトレーナーという男性が加わり酒盛りが始まったが、X氏はすぐに自室に引き払い、その後に大量の酒を飲まされ、女性2人は意識を無くし、伊東とトレーナーに性加害を受けたとされる。

飲み会は「普通」の会合だったのか?

女性2人がこの日の出来事について伊東を「準強制性交」で刑事告訴したのは前述の通り。これを警察が受理したのは大きい。ただし、この女性たちは芸能活動を行っており、あくまで「一般人」ではないことも確かだ。彼女らを大阪にアテンドしたのは事務所のC社長であり、さらに「Smart FLASH」の記事にはA子さんのスポンサーを名乗る知人男性が登場しており、件のチリ代表戦後の飲み会は明らかに「普通」の会合ではないと見ることも可能だ。

その疑念はネットユーザーも持ち合わせているようで、事実このようなポストも多い。

《美人局未遂じゃないの?》

《芸能事務所社長と所属タレント2人って完全に美人局》

《伊東純也かわいそうに、美人局にかかっちゃったか》

「誰が何のために?」という疑問は残るが、「美人局」の線は検証されるべきという声もある。

伊東の「逆告訴」に勝ち目はあるのか

彼女らの訴えに対して伊東サイドは「逆告訴」に出たが、勝算はあるのだろうか。前掲の「Smart FLASH」の記事によれば、伊東の代理人である加藤博太郎弁護士は「完全なでっち上げの事件」と断言し、「彼女らの主張を否定する数々の決定的証拠がある」と話しているという。

その一つが、彼女たちが伊東の部屋で「ジャージ姿」で眠る動画であるという。確かに『週刊新潮』の記事では、性加害を受けた際の女性らは「ワンピースをたくし上げられた」とされている。しかし加藤弁護士によれば、彼女らは「ホテル到着後すぐに、X氏の部屋で伊東が持っていたジャージに自ら着替えている」とし、記事内容との矛盾を指摘している。

しかしこれには「何かトラブルになったときに言い訳するために撮影してるようにも思えて、常習性すら感じられる」等の声が上がっていると伝えるメディアもあるなど、完全に身の潔白を証明できるものではないという見方も示されている。

【関連】伊東純也の関係者が自信満々に「伊東の部屋でジャージを着て熟睡する被害女性」の動画を提示「性加害を否定できるものではない」「むしろ悪質さを証明している」の声

伊東の逆提訴は「スラップ訴訟」と言い切れるか

さらにこの「逆告訴」については、次のような書き込みも。

《スラップ訴訟で圧力掛けて被害届を取り下げさせる目的?》

《構造はスラップ訴訟そのもの》

《スラップにしか見えないんだけどどうなのかな》

そう、嫌がらせの目的で訴訟を提起する「スラップ訴訟」を疑う声だ。しかしこれを否定する声もあり、このような極めて腑に落ちるポストもある。

《伊東純也の件、スラップ訴訟とか言ってる奴もいるけどそもそも女側が週刊新潮に情報を売らなければここまで話がややこしくならなかったやろ》

《(伊東目線で虚偽の)被害を訴えてきた相手に伊東が個人的に損害賠償を求める民事裁判を起こすのはスラップ訴訟でも何でもない》

事実、伊東が『週刊新潮』の性加害報道で失ったものは大きい。一例を上げれば彼が公式アンバサダーを務めるクレディセゾンは、公式サイトに掲載していた伊東関連のページや写真を全削除。さらに伊東とスポンサー契約を結んでいた化粧品会社のアンファーも、公式X(旧ツイッター)での関連投稿をすべて削除したと伝えられる。

これだけでも莫大な経済的損失を被ることは明らかで、女性らの訴えに納得が行かない伊東が「逆告訴」に出たことをもって「スラップ訴訟」と決めつけてしまうのは早計かもしれない。

「逆告訴」を被害女性サイドはどう受け止めたか

伊東サイドの「逆告訴」を受け、被害女性の代理人は「客観証拠を確認し被害申告の裏付けを十分に行っていますので、虚偽告訴ではないと確信を持っている」とのコメントを発表。伊東が告訴したことで、被害者らはさらなる精神的苦痛を受けているとし、さらにSNS上での被害女性らへの誹謗中傷を止めるよう訴えた。

【関連】サッカー伊東純也選手側の『逆告訴』に対し、被害女性側の代理人がコメント「裏付け十分、虚偽告訴ではないと確信」「SNSの誹謗中傷が追い込んでいる」とも

この状況で、日本代表はいかなるカードを切るべきなのか。森保一監督のあのノートにも、さすがに苦境を乗り切るアイディアは書かれていないのか。

X(旧Twitter)の反応





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image by: Werner100359, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で

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