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岸田首相の“経済制裁”で下がる賃金、上がる物価。日本人がビッグマックはおろかポテトSも買えなくなる日

好調な株価の裏で進む円安・インフレ。生活が苦しい国民としては一刻も早い賃上げに期待したいところですが、物価の影響を考慮した2023年12月の実質賃金は前年比-1.9%の大幅ダウンで21ヶ月連続マイナスに。値上げラッシュに収入が追いつかない“セルフ経済制裁”の様相を呈しています。これに関して、岸田首相の2年前の就任会見を思い出そうと呼びかけるのは、『きっこのメルマガ』著者で人気ブロガーのきっこさん。「新しい資本主義で成長と分配の好循環を生み出し、賃金倍増を実現すると公言したのに、いつまで経ってもその気配すらない」今の状況を終わらせる方法とは?

マクドナルド「過去最高益」のカラクリ

2月8日、日本マクドナルドホールディングスが2023年12月期の連結決算を発表しましたが、フランチャイズ店を含む全店の売上高、営業利益、最終利益のすべてが過去最高を記録したそうです。

で、何よりもあたしの興味を引いたのが、全店の売上高が前期比8.4%増の7777億円になったという点です。

7が3つ並ぶフィーバーだってなかなか出ないのに、その7が4つも並ぶなんて、そしてそれが過去最高を記録しただなんて、ギャンブル好きのあたしとしては、25年も利用していないマックのこととは言え、興味を持ってしまいました。

ちなみに、あたしが最後にマックを利用したのは、25年くらい前にフィレオフィッシュを100円で売ってた時です。

それまで200円だったフィレオフィッシュが期間限定で100円になったので、その期間だけ、毎日買って食べてましたが、また200円に戻ったので、それ以来、一度も利用していません。

好調の要因は「値上げ」、反動でお客も「脱落」

ま、あたしのことはともかくとして、どうしてこんなに売上や利益が上がったのかと言うと、看板商品ビッグマックを始めとした主力商品の値上げが理由とのこと。

あたしは今のマック事情をまったく知りませんが、風の噂によると、今のマックって普通に食事しただけで700~800円も掛かり、デザートまで注文すると楽勝で1000円を超えるらしいのです。

2月13日のニッポン放送『あなたとハッピー!』にゲスト出演した経済アナリスト、森永康平さんは、

確かに主力商品の値上げによって一時的に売上や利益が上昇しましたが、客数は前年度を下回っているんです。つまり、値上げによって客単価が上がった一方で、マックは高いから利用するのをやめた、という人も増えているのです。

と指摘しました。また、

よく、アメリカでビッグマックを食べたらもっと高い、と言う人がいますが、日本とアメリカでは労働者の賃金がまったく違いますから、これは比較する意味がありません。

とのこと。そして、

最近は、マックでハンバーガーだけ買って店を出て、スーパーで飲み物を買う人が増えていると聞きます。賃金が上がっていないのに物価だけが上がっているからです。今後はマックもワンコインで飲み物までカバーできるセットなどにシフトしていかないと、客数の減少が続くと思います。

と述べていました。

そこで、あたしが思い出したのが、昨年9月から10月にかけてのアメリカの自動車メーカーの一斉ストライキでした。

フォード、GM(ゼネラルモーターズ)、ステランティス(クライスラー)という「ビッグスリー」の労組が、賃上げと待遇改善のための一斉ストライキを起こしたのです。

ま、これは良くある話ですが、あたしが驚いたのは、その要求内容でした。

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トヨタ待遇の「日米格差」に見る日本のヤバさ

日本の春闘の場合は、基本給を5000円上げろだの1万円上げろだとのいうレベルで、時給で言えば1000円の人が「1050円にしろ!」と言っているような感じです。

でも、昨年の「ビッグスリー」の労組の一斉ストライキの要求は、初任給が「70%アップ」、基本給が「25%アップ」で、各メーカーはこれに合意したのです。

その結果、製造ラインで働く非正規労働者も、時給が日本円で5000円近くにまで跳ね上がったのです。

時給5000円なら、1日8時間の労働で4万円、月20日で80万円です。ビッグマックが1個1000円でも余裕で食べられます。

ま、フォードだGMだと言ってもピンと来ないと思いますし、日本の自動車メーカーと単純比較はできません。そこで、アメリカにも製造工場のあるトヨタ自動車の日米格差を見てみましょう。

日本のトヨタの期間従業員は、時給ではなく日給計算で、1年目の基本日給は1万100~1万900円、実働時間は7時間35分なので、時期換算すると、ザックリ1300~1400円ほどになります。

これでも、日本の最低賃金よりは遥かに高額ですが、同じトヨタでもアメリカの工場を見てみると、なんと時給34.80ドル!日本円で約5200円!ちょうど4倍なのです!

ま、トヨタの日本工場の期間従業員の場合は、前記の日給の他に、入社時のお祝い金や半年ごとの報奨金などがあり、無料の独身寮も用意されているので、単純に時給だけをアメリカ工場と比較することはできません。

しかし、いくら「その他」を積み上げたところで、4倍もの時給差を埋めることはできないと思います。

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下がり続けている日本の実質賃金

ちなみに、2024年1月の最新のビッグマックの世界価格ランキングを見ると、1位のスイスが1230円、2位のノルウェーが1070円、3位のウルグアイが1050円‥‥と続き、8位のアメリカが850円、43位の日本が480円でした。

アメリカのビッグマックは日本の約2倍ですが、あなたは時給1300円でビッグマックが480円の国と、時給5200円でビッグマックが850円の国、どちらが暮らしやすいと思いますか?

そう言えば、岸田文雄首相は2年前の就任会見で「新しい資本主義によって成長と分配の好循環を生み出し、賃金倍増を実現する」と公言しましたよね?

でも、いつまで経っても賃金倍増など気配すらなく、それどころか実質賃金は21カ月連続でマイナスが続いています。

このまま行くと、裏金と脱税でウハウハしているのは自民党議員だけで、日本で真面目に働いて真面目に納税している労働者の大半は、ビッグマックどころかポテトのSも買えない時代が到来しそうな予感がします。

さあ皆さん、次の国政選挙では1人でも多く自民党議員を落選させましょうね!

【関連】日本国民が知るべき「山本太郎は岸田総理に何を質問したか?」被災者切り捨て国会「対策を検討」の醒めぬ悪夢

(『きっこのメルマガ』2024年2月14日号より一部抜粋・文中敬称略)

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