松本人志(60)が自身の性加害疑惑を報じた『週刊文春』23年12月27日発売号の記事により、「筆舌に尽くしがたい精神的損害を受けた」として1月22日に文藝春秋に対して起こした名誉毀損訴訟。
【関連】《呼び出された複数の女性が告発》ダウンタウン・松本人志(60)と恐怖の一夜「俺の子ども産めや!」
『週刊文春』は21日、雑誌発売に先行して電子版を配信、15日午前11時に東京地裁から編集部に届いた慰謝料5億5,000万円を請求する訴状の内容を公開した。記事によれば松本側が主張する名誉毀損のポイントは大きく3つに分けられるという。
まずは性加害疑惑の一人目の証言者となったA子さんに関する記述で、抵抗するA子さんの体の一部で松本が果てた等の内容が「『無理やり』性的行為に及んだとの事実を認識させるものである」と指摘。
続いて同記事で全裸の松本から無理やりベッドに引きずり込まれ、手による行為を強制されたというB子さんの証言内容の記述を「B子が『必死に抵抗』していたにもかかわらず、性的行為に及んだとの事実を認識させるものである」とし、『週刊文春』の記者が松本に直撃取材を行った様子を描いた箇所を「原告(松本)が、女性に対し、不倫に属する『行為を強制』したとの事実を認識させるものである」と主張しているという。
これらについて訴状は、松本の社会的評価を著しく低下させ名誉を毀損するものであることは明らかとした上で、「原告がA子及びB子に対し性的行為を強要したという客観的証拠は存在しないにもかかわらず、一方的な供述だけを取り上げて記事として掲載するという、極めて杜撰な取材活動に基づくものである」と結論づけていると記事は伝えた。
文春サイドは徹底反論
この主張について文春サイドは「〈客観的証拠〉を吟味し、〈杜撰〉ではなく慎重に慎重を期した上で、報道に踏み切っている」と反論。A子さんへの取材は2020年夏頃から慎重に進めており、別途取材を行っていたB子さんとの証言と照らし合わせたところ、飲み会への松本のサプライズ参加、会最中の携帯没収、終盤のゲームからの流れで松本と2人きりにされるといった共通点が判明したことに加え、彼女らの証言内容に矛盾がないこと、さらに独自に行なったA子さんが性被害を受けたホテルでの“実況見分”の結果などを踏まえ、「真実相当性」があると判断し記事掲載を決定したと記している。
さらに同記事では、記事化に当たり吉本興業に事前質問と事実確認のメールを送付したが期日までに返答がなかったことを明かし、松本側が被害を訴える女性との性的行為の有無ではなく、強制性があったのか否かを争う構えであろうことを伝えた。
【関連】松本人志「5.5億円訴状」を公開する《「無罪請負人」弘中弁護士、伊藤詩織さんの代理人が解説》
この記事について大手週刊誌での執筆経験を持つ50代の元記者男性はこのように話す。
「さすがの文春さんと言いましょうか。3年半も地道に検証作業を行っていたという事実には執念めいたものを感じましたね。記事にもありましたが、まさに真実相当性が十分にある大スクープだと思います。おそらくエース級の記者や編集者が裏取りに走り回った末の記事化ですから、これを松本さんが『同意があった』としてひっくり返すのは難しいのではないでしょうか」
おそらく記事を読んだ誰しもが抱いた感想ではないだろうか。そして多くの人が注目することとなったのが、松本の「同意取得方法」だ。
超高速で性的同意を得るのは可能だったのか
松本の主張は、被害を訴え出た女性たちに性的行為を強要した「客観的証拠」はなかったのにもかかわらず、あたかも強制したかのように報道されたことで名誉を毀損されたというもの。これについて40代の男性ネットメディア編集者が以下のように指摘する。
「それは裏を返せば、出会ったその日に若い女性から超高速で性的同意を得ていたということを意味しますが、ちょっと難易度が高いですよね。今なら性的同意アプリ「キロク」で同意を取ればいいのかもしれませんが、そういう話ではないでしょうから」
いかに松本とて、すでに還暦。確かに“超高速で性的同意”を取りつけるのは簡単な話ではない。
「しかも参加女性が女衒芸人たちから松本さんの登場時に“驚いたふり”まで練習させられていた飲み会もあるわけで、そんな情けないオッサンに若い女性たちが出会って短時間でOK出すとは考え難いんですよね」(同前)
弊サイトでも既報の通り文春砲の「二の矢」には、福岡の「性の宴」に参加させられた女性の「松本さんは私たちのような素人に『わー!』と驚かれるのが好きなのだそう」という証言が掲載されており、さらに「三の矢」に登場した女性は、松本が部屋にいることを知らない体で、一度開けたドアを驚いて閉める練習までさせられたという、松本に取っては赤面モノの「事実」が記されている。
【関連】松本人志「勝ち目ゼロの裁判」ついに始動。「筆舌に尽くしがたい精神的損害」に“お前が言うな”の総ツッコミ、松本信者の勘違いだけが加速中
確かにこんな“情けないオッサン”が、女性と出会ったその日に性的同意を得られるとは思えない。しかも松本の場合、今回の訴訟では「性的同意があった」と証明しなければならないのはA子さんとB子さんの2人だ。
「彼女たちから高速で同意を受けていたとなったら、それはもう“神業”って話ですよ。仮に今後、松本さんを不同意性交等罪で訴える女性たちが出てきたとしたら、その数だけ同意を受けていた証拠を出さなければならないわけで、それは厳しい戦いになるでしょうね」(同前)
知らない上に金払いの悪い男と「関係」を持つメリット
今回の文春の記事にも書かれているが、女衒芸人たちがアテンドしていた飲み会には、松本が参加することを知らされず、スマホも松本登場前に没収されるという「性の宴」が複数回行われている。
「まさかとは思うのですが、そんな会に呼ばれた女性の中に、ダウンタウンさんに興味がなく松本さんのことをまったく知らないという人がいないとも言い切れません。実際、今の若い世代にそういう子もいると聞いてますし」
と話すのは50代のテレビ関係者。
「そんな子が若手芸人さんの指示通り松本さんの登場に驚いたふりをしながら、『誰この人?』と思ったとしてもスマホが手元にないわけですから調べようないですよね」
さらにこう続ける。
「そんな中で八百長ゲームで松本さんと二人きりにされるわけですよね。ベッドルームで目の前にいるのは上半身だけ鍛えたチキンレッグ、下手したら自分の父親より年上のおじさんじゃないですか。そんなさっき会ったばかりの男に『性的同意』を出しますかね」
こちらも弊サイトで既報の通り、松本のアテンド飲み会でのドケチぶりも判明しており、「相手」にした女性に渡していた“タクシー代”は、東京では1万円、大阪では3,000円、福岡では5,000円だったとされている
【関連】松本人志の異常な女喰い「失敗の本質」。西川のりおが指摘した松本&吉本“大逆転勝利”の可能性、彼らは何を間違えてしまったのか?
そんな男とネンゴロになるのは、女性にとって何も得るものがないどころか失うものが多すぎる、と言えはしまいか。
X(旧Twitter)の反応
訴訟になっただけで「負け」といった雰囲気になるメディアもあるなか、こうして戦う姿勢を見せる週刊文春は記者にとってとてもやりがいある現場なのだろうなと思う。
松本人志「5.5億円訴状」を公開する《「無罪請負人」弘中弁護士、伊藤詩織さんの代理人が解説》 https://t.co/EPiDnS7CCj
— ??高橋ユキ?? (@tk84yuki) February 21, 2024
文春の最近の凄いのは、こうやって、かつて敵対した弁護士(しかも超一流)をも起用して記事に信憑性を持たせる事
松本人志「週刊文春」への“5億5000万円”訴状を公開〈A子さんへの取材は3年半前から〉弘中弁護士、伊藤詩織さんの代理人が争点を解説する https://t.co/yH6SjpaShl #文春オンライン
— ヤン・ウェンリー提督 (@yangwenli1007) February 21, 2024
要は人柄だよね。浜ちゃんの、不意にフレンチクルーラー貰って泣いちゃった話なんか、誰も咎めたりしないよね
松本人志「週刊文春」への“5億5000万円”訴状を公開〈A子さんへの取材は3年半前から〉弘中弁護士、伊藤詩織さんの代理人が争点を解説する(文春オンライン) https://t.co/bW1uo2FGw8
— sa ma (@stxjp) February 21, 2024
しかし松本人志をどうしても擁護したいか文春とにかく潰したい人々はこの記事が実は非常に冷静な判断の上で注意深く書かれていることに気付いていない。
訴状は原告側弁護士が公表した内容の該当部分だけ引用されている。そして当事者たる女性にこれを見せるのは当然だし専門家の意見を聞くのも当然。
— ??ナノセコンド????ミヤッチ???? (@nanosecond0) February 21, 2024
文春の言い分はともかく、第三者的なポジの弁護士のコメントからすると松本さんについた弁護士先生、だいぶポンコツなのでは。巻き返す手段とか他の意図があるんかな??
松本人志 5.5億円「訴状」を公開する(週刊文春) https://t.co/uvd3Kz7S8j
— いつもご機嫌なイッヌ (@good_mood_doggo) February 21, 2024
※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
image by: Tonio Vega, CC BY-SA 2.0, via Wikimedia Commons