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また町田市か…隠された「中3いじめ自死」事件。LINEで送られた「死ね」の文字、死去の前日まで続く難癖、校長が隠ぺい“陣頭指揮”か?

先日掲載の記事で、いじめにより小学校6年生の女子児童が自死した事件における東京・町田市の第三者委員会の呆れるほかない対応を紹介した、現役探偵で「いじめSOS 特定非営利活動法人ユース・ガーディアン」の代表も務める阿部泰尚(あべ・ひろたか)さん。そんな町田市において、またも公教育そのものを疑わざるを得ないような事実が発覚しました。今回のメルマガ『伝説の探偵』で阿部さんが、2023年に起きてしまった「中3いじめ自死事件」の隠蔽の陣頭指揮を取るかのような学校長の信じがたい言動の数々を公表。マスコミが一切報じていない真実を白日の元に晒しています。

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※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:隠されたいじめ自死事件_また町田市

「中3いじめ自死事件」を隠蔽工作か。またも町田市で発覚した教育関係者の不適切な言動

また町田市か…隠された「中3いじめ自死事件」。LINEで送られた「死ね」の文字、死去の前日まで続く難癖、校長が隠ぺい“陣頭指揮”か?

2020年に起きた町田市タブレットいじめ自死事件は3月に再調査委員会の答申があった。いじめは認定されたもののいじめの定義を歪めていたり、「殺し方ノート」をいじめと認定しない他、ドッキリいじめに計画書があったことを隠すなど、不十分な調査にご遺族は2024年3月28日に記者会見を開き、再調査を求めた。

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これに対し、町田市は既に終結したという認識だが、回答を調整すると報道取材に回答したという。

実は当日、町田市側は、回答を連絡するかどうかも検討するというとんでもない回答を遺族側に告げている。

権力を背景に何とも上から目線の回答であったが、報道機関の取材ではその挑発的なトーンは下がっている。

まるで、町田市ではいじめ問題は皆無とでも言いたいのだろうか?

しかし、隠そうとしても隠せない問題が実は発覚したのだ。

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担任がいじめを助長。自死した生徒に送りつけられていたLINE

2023年6月4日、町田市立の中学校に在籍する中学3年生の男子生徒が、いじめを苦に自殺していたのだ。この件は、この記事が会員向けに発行される4月9日の段階では、初出のことになる。

なにせ、私がご遺族から事情を聴き、報道機関に連絡を取ったところ、この事態を知っている報道機関は1つしかなかったし、まだ報じていないからだ。

亡くなった男子生徒は、クラスのムードメーカーで多くの同級生に愛されていた生徒であったが、一方で、一部の生徒からいじめの対象にされ、さらには教員もこれを止めようともしていなかったという。

実は私の手元には、有志の同級生らが作った資料がある。また、ご遺族が聞き取った生徒からの証言がまとまっている資料などもある。

これらによると、亡くなった男子生徒は、中学1年生当時から紙に落書きをされたり、プリントをぐちゃぐちゃにされるなどの他、机に名前を彫られるなど様々ないじめ行為を受けていた。

また、中学2年生当時は女子グループから一方的な嫌がらせや特定の生徒から目をつけられて難癖をつけられていたという。特に難癖は自死前日まで続いており、これを担任が助長するなどしたという。

この場にいた生徒の多くは、亡くなった男子生徒がみんなの前でやり玉にあげられ、不当に貶められていると思ったという。

亡くなった男子生徒に送られていたLINE(ご遺族提供)

亡くなった男子生徒は友人に、こうしたいじめ行為が「トラウマになっている」「眠れない」などと悩みを告げていた。

「学校に問題はなかった」。自死直後に校長が家族に放った言葉

ご遺族の話を聞く限り、多くの保護者、同級生は校長がいじめを隠蔽し、亡くなった男子生徒の自殺を隠そうとしていたことに怒り心頭のようだ。

提供された学校発行のプリントの中には「保護者の皆様にお伝えしたいこと」というものがある。2024年3月24日校長名義で書かれた1枚のプリントだ。

そこには、「ご家族との話し合いにより、3年生の進路選択が決まった3月に第3学年の生徒に伝えるということになっていましたので、学校からはお知らせをあえて控えておりましたことを先ず、ご報告いたします」とあるが、ご遺族によれば、校長らは自殺直後にすぐに自宅にやってきて、その第一声は「学校では問題ありませんでした。学校は問題ありません」であったそうだ。

そして、一方的に自殺の事は言わないと告げたという。

ご遺族が泣いて頼んで、やっと学校が同級生らに告げたのは「自宅で亡くなりました」という死因不明なコメントであったのだ。

つまり、「ご家族との話し合い」は事実上なかったのだ。

こうしたことは、いじめ自殺のケースではよくある事なのだが、「ご遺族が嫌がっているので」「ご遺族の意向で」という嘘であることが多い。

一方で、本件のご遺族は「教職員との接触」を禁じられたりもしていたし、校長らはご遺族の心痛が深いため訪問などをしないようにとアナウンスしていたという。

こうして隠し通していたが、人の死を隠すのは限りがある。

結果として、自殺ということがわかり、生徒らがいじめを告発し、保護者は学校の対応に抗議を始めたわけだ。

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生徒たちが受けた覚えのない「いじめアンケート」

各資料によれば、学校がいじめの疑いを認知したのは2023年11月の事だという。学校は早々に関係生徒の聞き取りや保護者からの情報提供という調査方法で、わずか4枚の調査報告書をあげている。この内容によると、「いじめはなかった」と結論付けられている。

しかし、報告書においては関係生徒がそうした回答をした覚えがない、関係生徒が聞き取りを受けていないという証言もある。

また、亡くなった男子生徒がいじめに関する悩みなどを学校のアンケートなどでは確認できなかったとされ、いじめに事実は確認できないとなっている。

さらに、学校側の説明会の際、生徒らは学校を質問攻めにしたということだが、その際、校長は「家庭のせいだと思うんだよね」と発言したというのだ。

事実として、ご遺族が取り寄せた学校作成の資料には、「家庭の問題」という言葉が散見されている。

しかし、ご遺族やその友人らによれば、「家庭の問題」は見当たらないのだ。さらに、こうした問題についてご遺族が町田市教委や学校に問い合わせると、その根拠となるものはほぼなかった。

あるとすれば、スクールカウンセラーに保護者が子育ての苦労を少し愚痴った程度だというのだ。重箱の隅をつつき、まるで家庭の問題があったようにバイアスをかける方法は「町田市タブレットいじめ自死」のケースと同様と言える。

高圧的な態度で遺族にストレスを与える第三者委員会メンバー

町田市の場合、いわゆる常任委員会という形式でいじめ問題の調査会が存在する。ご遺族によると、特に何の説明もなく、「とにかく信用できる人たちですから」ということで、第三者委員会が設置されたというのだ。

2024年4月初旬の段階で複数回の会議をしているようだが、ご遺族によると、この第三者委員会の諮問の内容も知らされず、これから確認するのだというのだ。

委員会のメンバーには会ったようだが、高圧的な態度に強いストレスを感じたという。

文科省HPには度重なるいじめの第三者委員会設置の失態などから、懇切丁寧な内容のガイドラインを公表しているが、設置の段階での手続きはこのガイドラインからは脱線している。

これから諮問を見たとしても、すでに会議は始まっているわけだ。どういう調査をするか何を目的にするかの説明もなく、進めてしまっている今は、もはや脱線中だとも言えるだろう。

すでに終結したけど回答を調整するといういじめ対策には自信満々な町田市、いったい何の教訓を活かしているのだろうか。

こどもの命に直結するいじめ問題、何でも家庭のせいにして終わらせればいいとでも思っているのだろうか。

ご遺族はいう。

もう我が子は生き返ることはありません。にぎやかで友達が多く、明るい子。もうその笑顔を直接見ることはできません。

 

なぜ息子は死ななければならなかったのか、真実をただただ知りたい。

 

そして、二度と同じ思いをする子どもや親が出ないように、心から願うのみです。

第三者委員会は調査中とのことだが真摯な寄り添った対応が求められる。

まあ、ご遺族の信頼度は、すでにマイナスなわけだから、何がいけなかったかも含め、一旦立ち止まり振り返った方がよかろう。それには、2020年に起きた「町田市タブレットいじめ自死問題」の検証、再調査は必須であろうと思う。

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自死を「家庭のせい」にしたい大人たちの願望

今回は緊急対応をしたので、まだ全ての聞き取りを私は終えていません。

ですので、現在資料や状況の調査から確証と裏付けがあるもののみを第一報として記事にしました。また、決定的に近い証拠類もあるのですが、様々な配慮のもと、第一報では差し控えることにしました。

ですので、続報の際はより深い状況をお伝えできると思います。

それにしても、また町田市か…です。

今まで様々な自治体の問題に当たってきましたが、正直、ここまでコミュニケーションが取れず、権力フル利用という自治体はありませんでした。政治も絡んでくるし、大人の問題の方が強いという印象がどうしてもあるのです。

この問題を現状知るのは限られていますが、こどもたちは、いじめがあったと言います。関係の大人たちの一部(校長や市教委の担当者)は、家庭のせいだといいます。こどもたちには、目の前で起きていた、その際に先生に相談したのに何もしてくれなかったという経験からの発言です。大人たちの家庭のせい発言は、そう聞いたからという伝聞とそうしたいという願望です。まあ誰が言ったのか特定できるのですが、個人攻撃になるので控えます。

ご遺族に、その事実を話し、心当たりはありますか?ときいたところ、ひとり親家庭だからでしょうか?と仰りました。そう思うのは、そういう対応をされてきたからだそうです。

これも酷い話です。今すぐ正すべきだし、直すべきだと私は思います。

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image by: 伝説の探偵

阿部泰尚この著者の記事一覧

社会問題を探偵調査を活用して実態解明し、解決する活動を毎月報告。社会問題についての基本的知識やあまり公開されていないデータも公開する。2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
まぐまぐよりメルマガ(有料)を発行するにあたり、その1部を本誌でレポートする社会貢献活動に利用する社会貢献型メルマガ。

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