転職やキャリアアップのため多くの人が取り組む資格の取得。しかし少なくない人が、「重要事項」を考えることなく資格試験に臨んでいるのが現実でもあるようです。今回のメルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』では「5つの仕事を掛け持ちする時間管理の専門家」の石川さんが、資格を目指す際に意識しておくべきポイントを提示。目標を果たして燃え尽き症候群とならないための考え方をレクチャーしています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:資格取得は目的ではない
資格取得は目的ではない
働き方の不安やステップアップをするため、デジタル人材の確保やリスキングの影響で資格を取得する人が、再び増えています。
資格取得はキャリアチェンジやスキルアップのために素晴らしい行動ですが、以下の点に気をつけなければただの浪費行動になってしまいます。
例えば、資格試験の合格を目指し、工夫した勉強法がうまくいって、次々と資格を取得していくと、とても充実感があります。
苦しかった勉強が実り、資格証を手にするのは、確かに気分がいい。
私の知人にも、この快感にハマってしまい、ありとあらゆる資格を取得している人がいます。その人は普通の会社員で、中には「えっ?そんな資格、これから生涯で使うことがあるの?」というものまで取得しています。つまり、その知人にとっては資格を取ることが目的になっているのです。
でも、ここであえて言います。
資格は、取るだけでは意味がありません。
取った資格は、活かしてこそはじめて意味をなすのです。
難しい資格試験を目指して、工夫して勉強し、ましてや何度か不合格を経験すると、いつの間にか資格を得ることがゴールになってしまいます。
そして、やっと合格したら、満足しきってしまう。
まるで、東大合格にそれまでの人生を捧げてきて、合格し卒業しても何をやっていいのかわからない「東大ニート」のような状態になってしまうんです。
忘れてはいけないのは、資格を持っているだけでは、何の役にも立たないということです。
医師免許を持っていても、ラーメン屋になったら、医師免許が泣きます。司法試験に受かったのに、タクシー運転手になったら、六法全書が泣きます。
ラーメン屋やタクシー運転手が悪いといっているわけではありません。取得した資格を活かしきれていないという話です。
単に資格試験を目指すのではなく「目指す資格を取得したら、自分はその資格を活かして〇〇をする!」という目的をセットで考えておいて欲しいのです。
「お笑い芸人になるのが夢だけど、話芸を磨くためにコーチングの資格も取っておきたい」というのも良いでしょう。資格を自分のスキルアップに役立てるのですから、すばらしいと思います。
もちろん、私の知人のように「自分は、資格を取るのが趣味。死ぬまでに少なくとも100個の資格を取るのが目標」という人は別。おおいに資格取得を楽しんでください。
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