6月27日(現地時間)、大統領選に向け行われたテレビ討論会で共和党のトランプ前大統領と対峙した民主党のバイデン大統領。しかしそこでアメリカ国民が目にしたのは、現職大統領の健康状態を疑われるレベルの姿でした。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、民主党支持者の中から「大統領候補差し替え」の声が上がっている事実を紹介。さらに持論を交えつつ、その方法について考察しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:バイデンを大統領候補から変えられるか?米国大統領選討論会、巨大な余波
バイデンを大統領候補から変えられるか?米国大統領選討論会、巨大な余波
バイデンとトランプの討論会が終わりました。
ご存じのとおりトランプの圧勝でした。
CNNの「どちらの候補が勝ったと思うか」という調査に対して、トランプ67%、バイデン33%でした。
討論会全体を見て、バイデンが勝ったと思う人が33%もいること自体が驚きではありました。3%なら驚きませんが…。
トランプは不法移民以外の争点でもそれを結びつけていました。
- 経済:不法移民が特にヒスパニックの雇用を奪い賃金を押し下げている
- 社会保障:不法移民が社会保障に依存することで正当な納税者の受益水準をさげている
- 治安:不法移民は犯罪を引き起こしている
それぞれ説得力がありました。
それに対してバイデンは主張や言葉がよくわかりません。
その内容以前に、バイデンの仕草や反応は、認知症またはパーキンソン病を彷彿させるものでした。
こういったバイデンの様子、大手マスコミは以前からよくわかっていたでしょう。
しかし、そういったバイデンの映像を流すことを避けていたのでしょう。トランプに利するからです。
生放送の討論会でそれが全米・全世界に露呈した形です。
当然の事ながら、民主党支持者の中からは大統領候補者を替えるべきだはないかとの声があがっています。
ただ、それは非常に難しいです。バイデンは民主党内の長期にわたる正式な選挙手続きに基づいて大統領候補になっているからです。
可能性があるとしたら、バイデンが自ら次期大統領候補を辞退をする場合です。
ただ現状(6月30日午前)の時点で、バイデンに候補辞任の意思は全く見られません。
このままバイデン大統領を次期候補者とするしかない状況です。
実はもう一つ方法があります。
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米国憲法に修正第25条第4項というものがあります。
これは、副大統領と行政閣僚の過半数に、大統領が続投にふさわしいか否かを決定する権限を与えているのです。
カマラ・ハリス副大統領が行政閣僚の幹部を集め「バイデン氏は大統領として不適格である」と共同で宣言するのです。
その後、議会の2/3の賛成により、バイデンを大統領の座から降ろすことができます。
民主党の次期大統領候補からも自動的に外れるでしょう。
この場合は、カマラ・ハリス副大統領が大統領になります。
実際、TV討論会ではバイデンが「現大統領」としての判断力をもっているかにも大きな不安を感じました。
「今、この人(バイデン)が核のボタンをもっているのか」と恐ろしい気持ちになった人は少なくないはずです。
民主党、どのような選択をするにしろ、米国大統領選で勝つ確率は限りなくゼロに近くなりました。
■執筆後記
私の主張は、「大手の新聞社やTV局は、報道機関たれ、プロパガンダ機関になるな」という事です。事実・主張を公平に報道して、その上で自社のオピニオンを出すのがあるべき姿です。
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(『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』2024年6月30日号より。この続きをお読みになりたい方は初月無料のお試し購読をご登録の上、6月分のバックナンバーをお求め下さい)
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