ビジネスにおいて、本来なら性別は関係なく公平に評価すべきですが、そうではない状況も多く見受けられるようです。今回、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』著者である土井英司さんが、女性が“なめられない”ようになるためのマインドを語った一冊を紹介しています。
【「なめられない自分」になる】⇒『なめられない品格』
『なめられない品格』
リサ・サン・著 山口真由・序文 鹿田昌美・訳 飛鳥新社
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、マッキンゼーで10年以上コンサルタントを務めた後、ポディ・ポジティビティとインクルージョンと自信を促進する独自の服飾ブランド「Gravitas(グラビタス)」を立ち上げた著者による一冊。
かつてベストセラーとなった『LEAN IN』の中で、著者のシェリル・サンドバーグが、女性の自信のなさについて指摘していましたが、本書は女性がその自信のなさと戦うためのバイブル書。
『LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲』
タイトルには「品格」とついていますが、品格よりはむしろ、「なめられない自分の作り方」だと思います。
本書では、ステレオタイプな「自信のある人」ではなく、自分の強みに根差した自信の作り方と、その活かし方を述べています。
興味深かったのは第3章で、ここであなたの「一番の強み」を知るための診断テストが用意されています。
全56問の質問にチェックを付け、採点すると、自分独自の「一番の強み」の組み合わせ(=自信の言語)が出てきます。
ちなみに土井は、「創造する力」「目立つ力」「自分を支える力」に4つ以上、チェックが入りました。(これによって処世術も変わるので、ぜひテストしてみてください)
本書の中に、一万時間の法則の研究者の一人、アンダース・エリクソン教授の言葉が出てきますが、それによると、「訓練は大切だが、最も効果的なのは教師の指導を受けて入念に練習すること」だそうです。
著者はこれを受けて、教師が専門知識を与え、的を絞った分野での上達をサポートすることが、成功の道と説きます。
要するに、自信を育てるためには、まず分野を定めること。そして次に、適性のある分野を伸ばすこと。
この2ステップが重要なのです。
自分がどんなところに強みを持っているのか、どうすれば自信を持ち、なめられない自分に変われるのか。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
さっそく、気になるポイントを赤ペンチェックしてみましょう。
オフィスに足を踏み入れる前から自分を好きでいなさい
私は、事前に選んでおいた服をお客様が見る前から、試着室のムードを「自己否定の小部屋」から「ポジティブなエネルギーのプラットフォーム」へと変えます
あなたの強みを受け入れ、疑いや恐れをシャットアウトして、周囲の人に才能をシェアしてください
女性の足を引っ張る最大の要因のひとつが「自分の価値を知らない」こと
自信の8つの分類
<主導する力>
<目立つ力>
<成果を出す力>
<与える力>
<頭脳の力>
<創造する力>
<楽観の力>
<自分を支える力>
理想は「ひとつ」ではなく「複数」存在することを、積極的に認めて称賛しましょう。自信にはさまざまな形があると受け入れることで、自分らしい美しさを認めることができます
なめられない人が持っている3つのマインドセット
「勇気」「思いやり」「つながり」
「勇気」と「思いやり」は自分を見つめることであり、「つながり」は他の人の本質を見つめること
プロフィールに注目する代わりに、個人の強みに目を向けると、その人の能力や成果を称賛する機会が得られます
親友のジェーン・パークは、こんなことをよく言います。
「人生が楽になるのではなく、私たちが強くなっていくだけ(以下略)」
<目立つ力>を<一番の強み>に持つ人に覚えておいてもらいたいのは、常に注目の的になるのがあなたの仕事ではないことです
<創造する力>は、55歳を超えた後に再び現れる
私たちは無意識に「すみません」と言いすぎています
能力を発揮できない状況トップ10(女性)
1.自分がしたことで批判される
2.人前で話す/スピーチする
3.昇給を求める
4.昇進を求める
5.聴衆の前で自分語りをする
6.自分のビジネスを始める
7.失望を手放す
8.頼みごとをする
9.知り合いが誰もいないイベントに出かける
10.計画やアイデアを売り込む
土井も仕事で著者のブランディングをやった経験上、わかるのですが、女性は見た目から入った方が、ブランディングが上手く行くことが本当に多い。
そういう意味で、著者のメソッドは、どちらかといえば女性に向いたメソッドだと思います。
『なめられない品格』を身につけるために、ぜひ、読んでみてください。
image by: Shutterstock.com