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外国人が土足で民家侵入、福島原発・帰還困難区域「不謹慎動画」が衝撃的!再生数稼ぎかジャーナリズムか?ネット物議

福島原発事故の「帰還困難区域」に無断で立ち入り、民家に不法侵入して部屋の中を物色する外国人の動画が批判を浴びている。一方で、一部にはそんな動画を「評価」する声も。どういうことなのか?

民家に土足で上がり込み、部屋の中を物色する外国人たち

福島県の「帰還困難区域」に外国人が立ち入り、一般の民家などを物色する様子をとらえた動画がネットで物議を醸している。

「これらの動画は外国人TikTokerが無許可で撮影・投稿しているようで、日本のSNSユーザーからは、住居不法侵入窃盗被害を危惧する声が多数あがっています。多くの人が住み慣れた土地・住居を奪われた原発事故が、外国人に“エンタメ”として消費されている状況に不快感を示す人も少なくありません」(ネットメディア編集デスク)

以下は動画の一例だ。“2011年3月で時間が止まった”現地の様子を伝える内容となっているが、出演者がふざけたりおどけたりするシーンも。軽快なBGMもあいまって、どうしても興味本位の悪ふざけという印象は否めない。



「帰還困難区域」は、2011年3月の福島第一原発事故で放射性物質に汚染され住民の居住が制限されたエリア。除染により避難指示が解除された地域もあるが、2024年現在も300平方キロ以上が居住できない状態となっている。

外国人TikTokerの“探検気分”に批判殺到

動画では、ごく一般の民家に外国人TikTokerが侵入してタンスの引き出しなどを物色。宝飾品パスポートなど、慌てて避難したであろう住人が残していった私物を“発掘”する様子がおさめられている。この「やりたい放題」に対しネットでは、

《え、なにこれ…完全に不法侵入の証拠動画じゃん》

《外国人だろうと日本人だろうと許される行為ではない》

《住人がどんな気持ちで家を捨てたか想像できないんだろな》

《あの事故を動画再生数稼ぎの道具にするとかモラルがなさすぎる》

《帰還困難区域では窃盗が多発してます、本当にやめて…》

など懸念や批判が噴出している状況だ。

この外国人を叩いても無意味だ?動画を「擁護」する意見も

ただ、そのいっぽうで、否応なしに動画から伝わってきてしまう「帰還困難区域の悲惨さ」に注目する人も。福島原発事故の「ありのままの被害の実態」をテレビなどの国内マスコミが積極的に報道しようとしないことを批判し、今回の外国人TikTokerによる動画は“必要悪”である、ととらえる向きも一部にはあるという。

先の編集デスクが説明する。

「ネットでは、帰還困難区域に不法侵入した外国人TikTokerを叩く声が圧倒的ではあります。ただ、この外国人の行為が『日本や日本人を侮辱している』という主語の大きい批判に対しては、『いやいや、本当の意味で日本を侮辱してきたのは東電や自民党のほうでしょ』『マスコミがきちんと報道しないから、こういう動画の再生数稼ぎが隙間産業として成立してしまうんだよ』『この外国人をいくら叩いたところで、事故をなかったことにはできないんだけどな』といった反論がみられるのも事実です」(ネットメディア編集デスク)

2011年3月の原発事故から5000日が経過しようとしている。マスコミ報道はめっきり減少し、事故を「過去の済んだ話」として扱う風潮が世間にはたしかにある。この動画で、ひさしぶりに事故を思い出したという読者もいるのではないか。

TikTokのユーザーには、事故当時を知らない若年層が多い。彼らが、外国人の投稿する“廃墟”と化した帰宅困難区域の動画から、何らかの教訓を読み取る可能性はあるのかもしれない。

とはいえ、無許可での民家侵入は、避難している住人の権利を踏みにじる犯罪行為だ。観光気分で現地を“探検”する再生数稼ぎの外国人が、日本国民の理解を得るのはやはり難しいと言えるだろう。

※本記事内のツイートにつきましては、X(旧Twitter)のツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: TikTok

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