「現場が暗ければ明るくすればいい」最高の技術を持つ探偵は、証拠写真を撮るためにどんな“ワザ”を使うか

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知力と体力を総動員して依頼者のためにあらゆる調査に当たる探偵。そんな探偵における「最高の技術」とは一体どのようなものなのでしょうか。今回のメルマガ『探偵の視点』では現役探偵の後藤啓佑さんが、今となっては表立って言いにくいという、自身が思うところの「最高の技術」を具体例を上げつつ解説。併せて調査現場に起きている変化についても紹介しています。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:最高の技術

最高の技術

探偵にとっての最高の技術とはなにか?本日は、なかなか表で言えない技術をお伝えします。

世間一般的に周囲への警戒や法的な措置が厳しくなった今ではこういった技術を会得し実行するのは難しいですし、すぐに「あの探偵は違法行為をしている!」となるので言わないですが昔の話だと思って見て頂ければと思います(笑)。

僕がバリバリ現場に出ていた頃は探偵の調査現場はまさに「アイデア勝負」でした。

そう、最高の技術とは「良い証拠を撮影するために、“常識を超えたアイデア”を実行する技術」です。

例えばこんなシーン。

対象者は40代女性。30代の独身男性と浮気をしている。午後4時。2人は喫茶店で接触し、1時間ほど会話をする。喫茶店を出た後、コンビニに寄り、食料を買い込み、男性の自宅アパートの205号室へ入って行く。僕たちは、彼らが205号室へ入るのを撮影できたので、あとは出てくるところを撮影しなければならない。

午後6時。段々と辺りが薄暗くなってくる。そこで気づく。

「なんかこのアパートの共用部の明かり、めちゃめちゃ暗い!!」
「これだけ暗いと、出てきたときに良い写真撮れないな」

そんな時どうする??そう、最高の技術を持つ探偵ならこう考えるでしょう。

「共用部の明かりをLEDに交換してやろう」

そうすれば、明るくなって良い写真が撮れますね。帯同していた後輩探偵に買いに行ってもらい、自分は張り込みを続ける。そして、作業着に着替え、電球を交換する。

すると目論み通り!205号室の前だけめちゃめちゃ明るくなった!!

アパート住人からしたらすごく謎な現象ですがそんなのは関係ありません。むしろプラスに捉えてほしい。

そうして、見事に明るく見やすい写真が撮れたのです。

こういったある種強引ともとれるアイデアを思いつく柔軟さと、それを実際に緊張感のある調査現場で咄嗟に再現する実行力。それこそが最高の技術だと思います。

マニュアルが無い仕事。探偵の現場の面白さの1つです。

現代では、このような部分を発揮できる現場も減り昔は「いかに良いアイデアを実行できるか」だった現場が今は「いかにスマートに終わらせるか」という現場に変化しています。

「現場が荒れてでも良い写真を撮る」から「何事も無く調査を終えること」へ。

世間的には後者が良い風潮ですが、個人的には、前者の精神を持ち続けて、これからも探偵業を営んでいこうと思います!

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平成3年生まれ。探偵歴10年。愛知県出身。好きな調査シーンは張り込み。19歳から探偵の修行を始め、他の職業をやることなく社会に出て現在までずっと探偵。中高生の頃から中南米地域に興味があった為、好きな探偵と中南米を合わせよう!ということで23歳のときに中南米で探偵をする為グアテマラ入りをする。グアテマラにて活動後、事業の基盤作りの為帰国。まずはアジアからということで現在はバンコクやマニラなどでの調査を経験しながら、国際探偵への道を走っている。多くの男女トラブルや企業内外の調査を受けている。

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【著者】 後藤啓佑 【月額】 ¥121/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

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