ある30代の乗客は「バスがバス停に止まるはるか前に椅子から立ち上がって待機する」とし、「乗客も忙しくて運転手も忙しいのでそうしている。韓国ではこれが普通だ」と話す。
バスから降りていた70代の乗客は「バスが止まるのを待てばすでに出発してしまうので危険を甘受するしかない」と話した。
2022年12月、光州広域市ではある子供の通学バスの運転手が11歳の子供が地面に両足を全て踏み入れる前に出発し、全治11週間の負傷を負わせる事故があった。2020年にはソウル中区(チュング)でバスの急ブレーキで70代の老人が死亡した。
韓国消費者院が2019~2023年の5年間に受け付けたバス乱暴運転関連の苦情は428件。このうち半分以上の219件(51%)が60代以上の高齢者被害である。
「滑り・転り」が282件(65.9%)、「ぶつかり」が61件(14.3%)、「押され・挟まり」が58件(13.6%)だった。
京畿道バス運送事業組合の苦情掲示板には、今年2月から「乱暴運転」というキーワードだけで「急な出発のおかげで怪我をするところでした」 「乱暴運転で関節を痛めた」など2650件の苦情が寄せられている。
昨年、ソウル市内バス11路線23台とコミュニティバス14路線28台を調査した結果、走行距離100km当たり62.6回の割合で急出発・急停止など危険運転が発生したりもした。
一線のバス運転手たちは「配車時間があまりにも切迫している」とし、「私たちも無理に乱暴運転の崖に追い込まれている」と話した。交通渋滞・事故などで配車時間を守れないこともあるが、会社からはひどければ懲戒まで与えられるという。乗客の乗り降り安全教育を一線の業者で行っていて、今回の事故バスの運転手も随時教育を受けたものの形式にとどまるとも言われている。ある業者関係者は「有能な運転手は無条件に時間を合わせる人」と話した。
日本など先進国では乗車乗客が完全に車内に定着し、下車乗客が停留所に降りて安全を確保した様子を確認してからバス・タクシーなどが出発する姿が日常的である。
韓国交通安全公団のイ・ミヨン教授は「後進的な『パrリパrリ=早く早く』公共交通文化を清算しなければならない」とし、「配車時間遵守より重要なことが安全であることを全体社会構成員が認知するよう制度改善が必要だ」と話した。[朝鮮日報参照]
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