自民総裁選、党員票の勢いは「高市早苗氏が最有力」小泉・石破・河野各氏をすでにリード。永田町震撼の最新情勢を京大教授が解説

20240819sanae-takaichi_eye
 

岸田総理の後任を選ぶ自民党の総裁選挙は、小泉進次郎氏、石破茂氏、河野太郎氏の“小石河”のほか、茂木敏充氏、上川曜子氏なども有力視され、まさに候補乱立の様相を呈している。そんな中で「世論分析に基づくと、『支持率』『勢い』『バンドワゴン効果』の視点から考えた場合の“現時点”の総裁選“最有力”候補は『高市早苗』氏である」と指摘するのは京都大学大学院教授の藤井聡氏だ。具体的なデータを見てみよう。(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:世論分析に基づくと,「支持率」「勢い」「バンドワゴン効果」の視点から考えた場合の“現時点”の総裁選“最有力”候補は「高市早苗」氏である.

「日本の命運を分ける総裁選」を決する3つのファクター

岸田氏の総裁選不出馬表明を受け、自民党総裁選挙の火蓋が切って落とされました(9月下旬投開票の見通し)。

この総裁選は、経済の視点からも外交力を含めた総合的国力の視点からも、コロナ禍、ウクライナ戦争、そして、世界的インフレの進行等の煽りを受けてますます激しく凋落しはじめた我が国日本のその凋落を食い止め、我が国の再生を図る上で、極めて重要な重大な歴史的意義を持つものとなります。

そうした背景を受け、この総裁選に向けての国民の注目は大きなものとなっているわけですが、果たして、一体誰が総裁、そして次期総理大臣として選ばれるのでしょうか…?

それを考えるにあたり、総裁選全体のプロセス(文末付録参照)を踏まえれば、次の三点が重要ファクターであることが分かります。

(1)新旧派閥の領袖等の自民党有力者の判断
(2)自民党員の支持率
(3)国民の支持率

もちろん、今回の総裁選は派閥が麻生派を除いて解散しており、「(1)新旧派閥の領袖等の自民党有力者の判断」の影響力が最小化されているとも言われていますが、実情を鑑みると、決してそうでは有りません。

例えば唯一派閥を正式に残存させている麻生氏は、正々堂々とその派閥を使って、特定候補者を支援することが可能な状況にあります。

同様に、菅義偉元総理もまた、その判断に従う国会議員を多数抱えていると言われており、菅義偉氏の意向で特定候補者を支援することが可能な状況です。

それ以外の旧派閥もまた、形式上は解散しているものの、「政策集団」などの名前で残存しているケースもあれば、再び集まりましょうという暗黙の約束が事実上、存在しているケースもあります。

そのあたりはまさに、「密室」で決定されていくプロセスですので、これについては、現時点では予想が困難な状況にあるのですが…こうした「有力者達の判断」に影響を及ぼす重要ファクターとして挙げられるのが「(2)自民党員の支持率」や「(3)国民の支持率」です。

有力者達が目指しているのはあくまでも「自分が支持する候補者が総裁選(ならびに、その後の衆院選)で勝利すること」(そしてそれを通して、その勝利者総理をコントロールし続ける状況を創出すること)です。

したがって、自民党有力者達といえども、決して「(2)自民党員の支持率」や「(3)国民の支持率」を完全に無視するわけにはいかないのです。

とりわけ今回は、表向きに派閥が存在していないという状況を受け、候補者が乱立することが想定されています。そうなると、国会議員票も割れてしまい、自民党有力者が思い通りに「国会議員票」を制御することが必ずしも容易ではありませんから、相対的に「(2)自民党員の支持率」や「(3)国民の支持率」の重要度が高まるという傾向も予期されます。

そして勿論、各議員がどの候補を「推薦」し、どの候補に「投票するか」を考える上でも、「(2)自民党員の支持率」や「(3)国民の支持率」は重要な要素となります。「勝ち馬に乗る事ができるかどうか?」というポイントは、各議員にとっても決定的に重大なファクターとなるからです。

ついては総裁選の行方を占うという主旨で、各総裁候補の支持者の「支持率」がどういう状況になっているのかを確認してみることにしたいと思います。

この記事の著者・藤井聡さんを応援しよう

メルマガ購読で活動を支援する

print
いま読まれてます

  • 自民総裁選、党員票の勢いは「高市早苗氏が最有力」小泉・石破・河野各氏をすでにリード。永田町震撼の最新情勢を京大教授が解説
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け