自民総裁選、党員票の勢いは「高市早苗氏が最有力」小泉・石破・河野各氏をすでにリード。永田町震撼の最新情勢を京大教授が解説

 

「支持率」「バンドワゴン効果」の点から考える現時点の最有力候補は高市早苗氏

ちなみに、選挙において重要なのは支持率だけではなく、「勢い」だということはよく知られた事実です。

なぜなら、「投開票日」における支持率は、当然ながら「事前の支持率」と「勢い」の両者で決定されるからです。

しかも総裁選においては「勝ち馬に乗る」という効果(心理学では、バンドワゴン効果と呼ばれる普遍的な効果です)が特に重要となりますが、そんな状況では「勢い」の重要性はさらに重大なものとなるのです。

そもそも「勢い」は「空気」を醸成し、その「空気」こそが(バンドワゴン効果という)「勝ち馬に乗る心理」の支配的要因となるからです。

その点で考えると、(無論、総裁選までの間に何が起こるのか、とりわけ自民有力者達がどこまで世論の動向や自民党員の思いを汲み取るのかについては予断を許すことはできませんが)少なくとも総裁選における重大な3ファクターの内の2つの「(2)自民党員の支持率」や「(3)国民の支持率」のその水準および勢いの視点から見た、最も総裁の椅子に近い候補者は「高市早苗」候補であると、現時点においては想定されることになるのです。

いずれにしても、国民の皆さんには是非、日本の命運を分ける自民党総裁選の動向にご注視頂きたいと思います。

追伸:高市早苗候補が支持を拡大しているその最大の根拠は、その「政策論」にあると考えられます。例えば、岸田氏を総裁候補として強く推薦していた西田昌司氏が今、高市氏を推薦する事を公表していますが、その理由として「積極財政派で、保守の理念を主張している候補者は高市氏のみである」という事を挙げています。是非下記、ご覧下さい。
https://x.com/SF_SatoshiFujii/status/1824010159557169309

あるいは、高橋洋一氏は下記記事にて、政策的評価は高市氏が「圧倒的一位」と指摘しています。
https://gendai.media/articles/-/135872

文末付録

総裁選プロセスの概要を以下に記載します。

【ステップ1:立候補者の特定】国会議員議員の内、20名以上の推薦者を集めた議員が候補者となる。

【ステップ2:第一回投票】全立候補者を対象にして行われる第一回投票は、「国会議員票」と「党員票」が1対1のウェートで扱われる。約370名の国会議員票は一人一票を投じるもので、「党員票」は全国100万人以上の自民党員が投じた一人一票での票数に基づいて国会議員票を概ね比例配分する方式(厳密に言うならドント方式と呼ばれる方式で)割り振った票数である。この段階で、「過半数」を超える支持を得た候補者がいれば、その者が総裁となる。過半数を誰も超えなければ、第二回投票に進む。

【ステップ3:第二回投票】第一回投票のトップと次点の二名から一名を選ぶ決選投票。この第二回投票は370人近い国会議員による「議員票」と、自民党の各都道府県連に1票ずつ与えられた「地方票」の合計値がより多い候補者が総裁として選出される。

(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論』2024年8月18日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ)

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image by: 首相官邸ホームページ, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

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京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。

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【著者】 藤井聡 【月額】 ¥880/月(税込) 【発行周期】 毎週 土曜日

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