自民総裁選、党員票の勢いは「高市早苗氏が最有力」小泉・石破・河野各氏をすでにリード。永田町震撼の最新情勢を京大教授が解説

 

支持率トップ(8月時点自民支持層)は高市氏。7月一位の石破氏を抜き約6%差

まず、自民支持者を対象に含めた総裁選候補者の世論調査としては、おおよそ一月前の7月20・21日の産経新聞社・FNNの調査と、それから一月弱経過した8月16日の紀尾井町戦略研究所の調査があります。

この調査の結果の中でもとりわけ、「一般の国民」における支持率よりも総裁選により強く、直接的に影響する「自民支持者」に限った支持率に着目してみましょう。

【自民支持層 対象結果】
―――――――――――――――――――
<7月20・21日調査> <8月16日調査>
石破茂   21.2%  高市早苗  19.7%
小泉進次郎 13.0%  石破茂   13.9%
高市早苗  10.6%  河野太郎  12.7%
             菅義偉   12.7%
             小泉進次郎 11.6%
             上川曜子   4.6%
―――――――――――――――――――
(※7月20・21日調査では4位以下は不明)

7月時点では、総裁選への出馬への意向を比較的に明確に示していたのは石破氏に限られていたものの、 8月16日は岸田氏が不出馬を宣言した後の時点で、石破氏以外にも高市氏を含めた多くの議員が立候補を示唆・暗示する発言を行っており、状況が大きく変わっていることがわかります。

ご覧の様に、7月時点で11%程度の支持率で3位に留まっていた高市早苗氏が、岸田氏が不出馬宣言を行った後の8月時点では、約21%の支持を獲得し、1位に躍り出る結果となっています。しかも高市氏は2位の約14%の石破氏に、おおよそ6%もの大きな差を付けています。

ちなみに、次に紹介するように7月調査を行った産経新聞は、一般対象の調査でその前の6月時点で高市氏の支持はより低い水準であったと報道していますが、それを踏まえると、高市氏は、自民支持層においても6月、7月、8月と時間を経るにつれてぐんぐんと支持を伸ばしてきていると考えられます。

一般国民において「小石河」は徐々に人気下落。高市氏が人気上昇中。

ところで、自民支持層の調査結果は限定的ですが、一般対象の調査結果はより広範に報道されており、以下の様になっています(6月調査は産経新聞社・FNN調査)。

【一般 対象結果】
――――――――――――――――――――――――――
<6月17日調査> <7月20・21日調査> <8月16日調査>
石破茂   16.4% 石破茂   24.7% 石破茂  15.1%
小泉進次郎 14.6% 小泉進次郎 12.1% 高市早苗 11.8%
河野太郎  8.4% 高市早苗  7.5% 菅義偉   6.9%
高市早苗  6.3% 河野太郎  7.0% 小泉進次郎 6.8%
           菅義偉   5.4% 河野太郎  6.1%
           上川曜子  4.8% 上川曜子  5.3%
――――――――――――――――――――――――――
(※なお、8月17日には女性自身の一般国民対象の調査結果が報告されているが、その順位は、河野氏と上川氏の順位が異なる以外は紀尾井町戦略研究所のそれと整合する順位)

ご覧の様に(また先にも指摘したように)、高市氏は、6月、7月、8月と月を経る毎に着実に順位をあげ、トップの石破氏を追い上げてきています。

そして確かに石破氏はトップを続けていますが、その理事率は7月から8月にかけて減少しています。そして、「小石河」と呼ばれるあと二人の小泉氏は7月から8月にかけて下落し、河野氏は6月、7月、8月と一貫して順位を下げてきています。

つまり、「小石河」と呼ばれた小泉・石破・河野の三候補はこれまでさんざんメディア等でも取り上げられてきており、総裁選がまだ本決まりでなかった頃には一定の支持を受けていたのですが…総裁選が近づくにつれ、そしてとりわけ総裁選が確定して以降、急速に「失速」してしまい、その代わりに、高市氏に猛追され、ついに自民支持層において「トップの座」を明け渡す事になってしまったわけです。

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