そもそも政策上の争点はあるのか~もしトラ、もしハリ、中国問題etc.
本当に腹立たしいのですが、今回の総裁選では政策上の争点が報じられていません。各候補はそれなりに主張があるのかもしれませんが、メディアの低次元な扱いにも困ったものです。報道機関の中には11名の候補について「経験」「刷新感」「外交力」「世論支持」「議員支持」の5項目でポイントをつけて比較しているようなものもあります。
いわゆる統治能力ということかもしれませんが、やはり政策論争がなければ民主国家の政治プロセスにはなりません。少なくとも以下の点についてぐらいは、しっかりと論戦をしてもらいたいと思います。
(1)外交については、まず「もしトラ」について、最悪の場合に更に防衛負担を求められる、かつ台湾防衛に消極的、北朝鮮の現状承認、ロシアの全千島支配の確定などを迫られたらどうするか?
(2)次に「もしハリ」で、難民受け入れ、女性活躍の加速などの外圧を食らったらどうするか、排出ガス抑制に消極な姿勢を批判されたらどうするか?
(3)中国問題について、サプライチェーンをどこまで切り離すのか?半導体、ガソリン車、EVの3分野での現状の協業を続けるのか?
(4)金融政策については、日銀の専管事項だが、妥当な為替レートの範囲はどの程度か? 円安になると物価高、円高は多国籍企業の決算破壊、金利高は国際の支払い金利の暴騰で財政破壊という中で、どこが最適解なのか?
(5)多国籍企業の連結決算が日本経済だという経団連思想を、どこまで許容するのか? 空洞化を抑制する施策はあるのか? 大卒5割で主要国内産業が観光業というのは間違っていないか?
(6)国内の生産性低迷の打開策は何か、DXと準英語圏化をどのようなロードマップで進めるのか? 労働規制の緩和はどうする?