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中国政府のタイミングを図ったような動き。“放送ジャック事件”に揺れるNHKに隣国のスパイが潜んでいるこれだけの証拠

先日掲載の記事でもお伝えした、8月19日に発生した中国人スタッフによる「NHK放送ジャック」事件に新たな疑惑が浮上しています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、NHK局内に中国のスパイが潜んでいる可能性を指摘。その上で日本政府に対して、スパイ防止法の早急な策定を求めています。

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※ご高齢ということもあり、今年3月からメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の「ニュース分析」コーナーの執筆をスタッフに任せて、自身は「国家論」の連載に集中していた台湾出身の評論家・黄文雄さんが、7月21日に85歳で永眠されました。今後もメルマガは黄さんの思いを継ぐスタッフにより継続されます。
※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:【日本】NHK放送ジャック問題、局内に中国スパイが潜む懸念も?

NHK局内に中国のスパイが潜入か。「放送ジャック問題」で露呈したこと

NHK国際放送不適切発言「南京大虐殺を忘れるな」発言も 会長謝罪

先週のメルマガでは、NHKのラジオ国際放送で中国人スタッフが放送をジャックした事件について、「尖閣は中国の領土」以外にも、「南京大虐殺、慰安婦、731部隊を忘れるな」といった発言があったことを、実際にラジオを聞いていた知人の話としてお伝えしました。

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NHKは、当初、尖閣について中国人スタッフが「不適切な発言をした」とのみ伝えて謝罪していましたが、本メルマガの発行から数時間後、8月22日に開かれた自民党の情報通信戦略調査会に出席したNHKの稲葉延雄会長は、それ以外にも、NHKへの批判や、日本への憎悪を煽るような言説を繰り返していたことを明らかにし、改めて謝罪したわけです。

また、当該の中国人スタッフに対して、損害賠償と刑事告訴を考えていることも、明らかにしました。

朝日新聞の取材に対して、この「南京大虐殺や慰安婦、731部隊」についての発言があったことの公表が遅れた理由として、「放送を通じて主張を拡散させたいという外部スタッフの目的を達成させてしまうことになりかねないと考え、対応した」と説明しましたが、中国人スタッフへの損害賠償請求を検討するなど、状況が変わったことをふまえて公表したそうです。

もっともNHKは、さらにその数日後、ニュース原稿も改変されていたことを発表しました。もともと、この中国人スタッフは靖国神社で中国語とみられる落書きが見つかったというニュースを伝えたわけですが、その際に、勝手に、「『軍国主義』『死ね』などの抗議の言葉が書かれていた」との文言を付け加えていたそうです。

実際に聞いていたスタッフの知人によれば、「便所(厠所)」という落書きの文言があったことも、話していたということです。

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NHK内に中国へ重要情報をリークするスパイがいる「証拠」

このように、わずか20秒ほどの放送ジャック事件について、何度も新たな発表を繰り返すこと自体が異常ですが、すでにこのスタッフは中国に帰国してしまったようで、すると、損害賠償にしろ刑事告訴にしろ、何の意味もなくなってしまったのではないでしょうか。しかも、このスタッフは中国ではヒーロー扱いです。

NHKラジオで不適切発言の外部スタッフ、中国に帰国 現地報道

靖国神社への落書きにしろ、日本で犯罪を犯して、すぐ中国に逃げるというパターンが定着してきたようにも思えます。何らかの手を打つ必要があるでしょう。

それともう一つ、今回の放送ジャック事件で気になったのは、中国政府の動きです。NHK会長が中国人スタッフの損害賠償と刑事告発を検討していると述べたその日、中国外務省の報道局長が定例会見で、昨年から中国当局に拘束されているアステラス製薬の日本人男性をスパイ容疑で起訴したと発表したのです。

アステラス社員起訴、中国外務省が説明 具体的な内容は明かさず

起訴自体は、8月中旬に決定していたそうですが、それを22日に発表したわけです。

中国検察当局、アステラス製薬の日本人男性を起訴

近年、中国は「人質外交」を繰り返しています。よく知られたもので言えば、2018年12月、カナダで中国ファーウェイの副会長兼最高財務責任者・孟晩舟が逮捕された直後、中国を訪れていたカナダ人2人がスパイ容疑で逮捕・拘束されたことがありました。約3年後に孟晩舟が司法取引で釈放されると、このカナダ人2人もすぐに開放されるという、典型的な「人質外交」でした。

華為副会長が帰国 中国の人質外交を許すな

アステラス製薬の社員については、すでに拘束され、8月中旬に起訴されたわけですが、その発表タイミングと、中国スタッフの放送ジャック、そして刑事告訴という言葉がNHK会長から出るタイミングが、同日であったことは、単なる偶然なのでしょうか。

NHKが中国人スタッフへの損害賠償や刑事告訴の方針を決定したのは、資料作成などの関係上、少なくとも自民党情報通信戦略調査会が開かれた8月22日の前日以前でしょう。

その方針と発表タイミングが中国側に伝わり、NHK会長が刑事告訴も視野に入れていると述べたその日に、アステラス製薬社員の告訴を発表することで、日本への揺さぶりをかけてきたとも見ることも可能です。つまり、NHKの刑事告訴方針が、発表前に中国側に伝わっていて、あえて同日発表をした可能性も疑われるのです。

そうであれば、NHK内に、中国へ重要情報をリークするスパイがいることになります。すでに放送ジャック事件が起こっているのですから、その可能性は否定できないでしょう。

事件を起こした中国スタッフが中国に逃れた今、中国共産党の浸透工作の実態も含め、その背景を本人から直接探ることは不可能に近くなってしまいました。そうなると、局内スタッフの精査も含め、広範囲の調査が必要となってくるのではないでしょうか。

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日中友好議連の訪中直前に日本の領空を侵犯した中国の意図

加えて8月26日には、中国軍機が日本の領空を初めて侵犯するという事件が起こりました。複数回旋回したあとに、日本領空に侵入し、領空侵犯は2分にも及んだということです。明らかに企図的であり、日本の反応を探っていたのはないかと言われています。

中国軍機の領空侵犯は意図的か 2分間で数十キロ飛行 防衛相「主権の重大な侵害」と非難

しかも時期として、日本の国会議員でつくる日中友好議員連盟(会長=二階俊博・自民党元幹事長)のメンバーが訪中する直前のことです。日本国内や議員の反応を見るためだったと考えるのが普通でしょう。

前回のメルマガでも述べたように、NHKの放送ジャックも、中国の台湾侵攻など有事の際に日本を撹乱することを想定した、予行練習だったのではないかという疑惑があります。

昨年7月には、尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域に、中国はブイを設置しましたが、これに対して日本は中国に外交ルートを通じて抗議しているといいますが、それでも放置されたままです。強制的にブイを撤去するわけでもありません。

一説には、このブイによって、この周辺地域における中国の潜水艦の活動に役立つ海洋データを採取している疑いも出ています。

中国、日本EEZ内の尖閣沖観測ブイ使い複数の論文発表 活動を既成事実化、軍事利用も

加えて、中国は日本最南端の沖ノ鳥島北方の海域にもブイを設置しています。日本政府は日本の海洋権益を侵害することがないように中国へ申し入れしましたが、中国側は「日本側が干渉する権利はない」などと突っぱねています。

● 中国「干渉する権利ない」沖ノ鳥島北方にブイ設置 林官房長官は「遺憾」

とにかく中国はやりたい放題で、次から次へと日本の主権侵害につながるようなことを仕掛けてきていると言えるでしょう。日本はこの事態をいつまで放置しておくのでしょうか。このまま何の対策も講じなければ、中国の行為は近いうちにさらにエスカレートしていくはずです。

スパイ防止法を早急に策定し、国内の中国スパイの摘発、そして中国でスパイ容疑で逮捕されている日本人の救出に、全力を傾けるべきでしょう。

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※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2024年8月28日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

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