「百薬の長」ではなかった。健康長寿を妨害する「アルコール」の新常識

 

また、年を取るとアルコールの代謝能力も変化するため、アルコールの影響が体内に残りやすくなります。さらに、加齢とともに脳もアルコールに敏感になるため、体の動きやバランスの調整が難しくなり転倒しやすくなると共に、判断能力や反応時間にも影響が及ぶこともわかりました。

これら老化による影響は、40代頃から始まり、年齢とともに加速度的に顕著になり、そこに高齢者ならではの「薬の服用」が加わると、薬の効き目が悪くなったり、逆に副作用が強くなったりと、健康にもネガティブな影響を与えるとされています。

かつて適度の飲酒、特にワインなどは健康にプラスと考えられていました。2杯まではオッケーとか、休肝日を儲ければいいとか。しかし、今、そういった言説を支持する研究者は滅多にいません。習慣的なアルコールの摂取は、うつ状態、血圧上昇、睡眠障害、不整脈など健康に様々な害をもたらすことがわかっています。

「いやいや、人生残り少ないんだから、酒くらい好きに飲ませてくれよ!」という人も多いかもしれませんが、「健康」という幸せのボールを落とさないためには、生活習慣の見直し、スローダウンを心がけた方が楽しく暮らせます。習慣からイベントにするなど工夫して、年をとることを楽しみましょう。

90歳以上の「超高齢者」を目指して。みなさんのご意見、お聞かせください。

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