あなたにとって労働が喜びなら、もちろん気が済むまで働いていい。だが、寝ていたいならいつまでも寝ていられるのが本当の自由ではないか?好きなことをやり、カネの心配をせずに生きる幸せ。これに勝る人生は恐らく存在しない。闇バイトなどの犯罪行為がリスクに見合わないのは言うまでもないだろう。金融・経済に精通し、自身も大きな資産を築き上げた作家の鈴木傾城氏は、「不労所得こそ自分自身に時間を与えてくれるツール。できるだけ早く手に入れろ」と呼びかけ、その手法を惜しみなく公開している。不労所得を得るのに特別な才能や能力は必要ない。誰もが今日から取り組めるシンプルな資産運用戦略をご紹介しよう。(メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
「資本主義に向いていない人」ほど不労所得を目指すべきだ
アメリカの優良企業をドルコスト平均法で長期に買うと、資産が大きく増える。あるいは、アメリカの株式市場全体をトレースするETFを手に入れておくのもいい。すると、どうなるのかというと、最終的に「不労所得」が得られるようになる。
不労所得とは、労働を伴わずに得られる収入のことを指す。
株式の配当金で暮らせるのであれば、やりたくもない労働から離れ、自分の好きなこと「だけ」をして生きていけるし、あるいは何もしないでぶらぶらしても生きることもできる。自分のやりたいようにやれる。
たとえば、配当が定期的に入ると生活の安定性が向上するので、場合によっては新たな挑戦やリスクテイクが可能になる。冒険心のある人は、収益のことを考えないで、いろんなことができる。
私自身は不労所得については「自分の時間を生み出すためのツール」であると捉えている。不労所得によって収入を得るための労働に縛られることなく、創造的な活動や自己への投資、さらには「何もしない」時間を持つ余裕を得られるからだ。
不労所得を得るのは、株式の配当のほかにも債券の利子、不動産賃貸収入、知的財産権によるロイヤリティ、事業の所有などが挙げられる。いずれにしても、これらの収入源は、個人の直接的な労働時間や努力に比例せず、所有する資産や投資から生み出される。
よく誤解されているのだが、不労所得は資本主義でどんどんマネーを稼ぎたい人が目指すものではない。むしろ資本主義に向いていない人こそ、それを得るべきなのだ。私はそう思っている。
事業運営なんかまったく関心がなく、労働に興味がなく、ぶらぶらと生きたい人は資本主義の社会に向いていない。さしずめ、私なんかがそうだ。そういう人でも資本主義で破綻しないために生きられるのが不労所得なのだ。
労働は美徳かもしれないが、人生のすべてではない
不労所得の獲得は、ぶらぶらと生きていきたい人間にとっては、もっとも現実的な手法のひとつである。労働は美徳かもしれないが、人生のすべてではない。労働以外に人生の目的があるのであれば、不労所得を得るのは必須であるともいえる。
この不労所得だが、私は米国株を活用して手に入れている。アメリカが好きだろうが嫌いだろうが、そんなことは関係ない。グローバル化が好きだろうが嫌いだろうが、それも関係ない。
私もべつにアメリカが大好きなわけではない。好き嫌いの話をするならば、私は東南アジアが心から好きだ。
それでも、投資はアメリカ中心にする。現実を見ると、高い成長性と安定した配当収入を兼ね備えているのが米国企業なのだから、そうであればそこに投資するのが合理的だからだ。
米国株市場の成長性に注目してほしい。S&P500指数で見ると、2012年から2021年までの10年間でおよそ2倍に成長している。今後もあらゆるイノベーションが米国企業から生まれ、さらに成長していくだろう。そういうところに賭けたほうが勝てる確率が高いからそうしている。
米国企業は高配当かつ連続増配を実現している企業も多い。年間4%程度の配当利回りを見込むことができる企業も少なくない。日本株の平均配当利回りが約2%であることを考えると、非常に魅力的な数字である。
だが、誰でも最初は不労所得で暮らしていけるほどの資金があるわけではない。最初は臥薪嘗胆の労働が必要となる。その労働は「将来、不労所得を得るための労働」であるべきだ。労働して、早いうちから不労所得の元になる株式を増やしておく。
あと、節約のライフスタイルも不労所得の重要なポイントになるので、将来の不労所得のために身につけておく。
若いうちから株式を増やしておけば、その株式が配当を生み出すのだが、それはギリギリまで使わないで、将来の不労所得のために再投資しておく。そうすれば、貯金で株式が増え、節約で株式が増え、配当で株式が増え、増配で株式が増えて、不労所得による生活が着々と近づいてくる。
100万円あれば、節約できる人なら5か月は働かないですむ
貯金が1,000万円あたりになると、それを配当利回り3%以上で回していたら年間30万円になる。この30万円は1か月分の不労所得だと考えるべきだ。
2,000万円になると60万円になる。これは2か月分の不労所得と考えるべきだ。節約が身についているのであれば、60万円で3か月の不労所得になる人もいるだろう。
もし配当利回り4%ならば、2,000万円で80万円だから3か月から4か月分くらいの不労所得が得られることになる。
配当率4%といえば、けっこうな高配当に見えるのだが、米国株では4%の配当利回りなんかゴロゴロある。仮に3%の配当利回りでも優良企業は増配を繰り返すので、気がついたら4%、5%になっていたりする。
ちなみに米国株では「配当貴族銘柄」というのがある。長期にわたり安定的かつ継続的に配当を増加させている企業のことをそう呼ぶ。具体的には、S&P500指数に採用されており、一定の時価総額と流動性を有し、最低25年以上連続して配当を増配している企業が該当する。
よく筆頭に挙げられるのが、コカコーラ、J&J、P&Gなのだが、どれも25年どころか、60年以上連続で増配を維持しているのだから驚異的である。
仮に2,000万円を5%で回したら、100万円の配当となる。月20万円で生きていける人であれば、5か月分の不労所得が得られる。要するに5か月は働かないですむというわけだ――
不労所得は自分のための時間を与えてくれるツール
この続きは、有料メルマガ購読者さま限定記事です。初月無料のお試し登録ですぐに全文をご覧いただけます。ご参考までに、ポイントを一部抜粋してご紹介します。
65歳の時点でどれくらいのカネが貯まっているのかは人によって違う。3,000万円以上貯めている人もいれば、1,000万円に満たない人もいる
金額の多寡はそれぞれ懸命に生きてきた人生の結果だから、そんなことを気にする必要はない
月日がたてばたつほど「労働が軽くなっていく」
不労所得でのんびり暮らしたいと思うのであれば、早くそれに取り組んだ人が勝ち
不労所得は資本主義社会におけるもっとも合理的な生存戦略である
著者の鈴木傾城氏は、米国株式を軸に据えた資産運用術を長年メルマガで解説し、読者から絶大な支持を得てきました。
鈴木氏が提唱する投資方法は、短期的なマーケットの上げ下げに惑わされることなく、着実に不労所得を構築していくためのもの。たとえば来年、NYダウ指数やNASDAQ指数が-80%の大暴落に見舞われたとしても自分の老後は安泰。そんな、巷の「株バブル」とは一線を引いた資産運用の普及・啓蒙につとめています。
毎週のメルマガでは、投資哲学、マクロ経済分析、株式市場全般の動向、個別銘柄の動き、新たに組成された株式ETFの評価、相場急変時の解説などさまざまな情報を配信中。1日で大金を稼ぐような内容では決してありませんが、不労所得の実現にむけて株式投資に取り組む際のよきペースメーカー、よきパートナーとなってくれることでしょう。あなたも今日からはじめてみませんか?
(本記事は、メルマガ『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』2024年11月17日号を一部抜粋、再構成したものです。続きはご購読ください)
初月無料購読ですぐ読める! 11月配信済みバックナンバー
- 低所得層が金利を支払い富裕層が利益を得る。「金利をもらう側」の養分になるな(11/24)
- 不労所得は自分のための時間を与えてくれるツール。できるだけ早く手に入れろ(11/17)
- トランプ政権で生まれる株式市場の大きな変動に振り回されない合理的な方法がある(11/10)
- 投資の勉強して情報を追えば追うほど、逆に泥沼に落ちて損を重ねる人が多い理由(11/3)
鈴木傾城さんの最近の記事
image by: Goldilock Project / Shutterstock.com