巨額のカネを簡単に手に入れたいばかりに、闇バイトに応募したり、ギャンブルにハマったり、会社の資金を横領してしまうバカな人間が世間にはたくさんいる。これに関して、道徳面ではなく合理性の観点から「非合法なカネ儲けのほとんどはハイリスク・ゼロリターン」であると指摘するのは作家・投資家の鈴木傾城氏だ。早い話が、犯罪はカネを儲ける手段としてまったく割に合わない。それよりも、人生の「二大ツール」を駆使してカネを稼ぐほうがよほど簡単だという。(メルマガ『鈴木傾城の「フルインベスト」メルマガ編』より)
※本記事のタイトル・見出しはMAG2NEWS編集部によるものです
プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。
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非合法なカネ儲けほど「ハイリスク・ゼロリターン」という事実
「カネが欲しい」「カネこそすべて」みたいな考えかたに染まっていくと、一部の人は、闇バイトやギャンブル、横領といった一見簡単にカネが手に入りそうな非合法ビジネスに惹かれていく。
人によってはこれらが表面上、実に手軽な手段に見える。しかし、実際には手軽でも何でもない。極めて大きなリスクである。非合法なカネ儲けは、ほとんどがハイリスク・ゼロリターンになっている。
インターネットとSNSの普及によって、闇バイトの募集や違法なギャンブルの勧誘が以前よりも容易になった。警察庁の発表によれば、闇バイトによる犯罪検挙件数は年々増加傾向にあり、特に10代や20代の若年層が犯罪にかかわるケースが目立つ。彼らは大金を得ようとして、結局何も得られない。
ギャンブルも同様だ。日本においてはパチンコや競馬など合法の枠組みが存在し、こうしたギャンブルにハマっていく人も多い。だが、これらは時間を無駄にして、カネも無駄にして、得られるのは借金だけというケースが多い。あげくの果てに依存症になって人生が終わる。
あと、会社の運転資金を横領する人もいる。横領は組織や企業で働く人々にとって、比較的身近な犯罪といえる。特に中小企業や自治体での資金管理の甘さを突いた横領事件が後を絶たない。銀行でも、客の貸金庫の中を漁って逮捕された行員が出た。
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これらの犯罪が発覚した場合の代償は非常に大きい。懲戒解雇はもちろん、社会的信用の失墜、再就職の困難、家族や周囲からの信頼喪失など、人生そのものが根底から破壊される。
私自身は道徳家でも宗教家でも何でもないので「きれい事」なんかまるっきり興味がない。だが、それでも犯罪による金儲けはしない。理由はシンプルだ。それはワリに合わないし、リスクの無駄遣いだし、客観的に見て「損」だからである。
非合法ビジネスは「やるだけ無駄」なのでやらない。それよりも、もっとワリに合っていて、リスクも低く、客観的に見て「得」になるものがある。だから、合理的に考えてそちらを選んでいる。(次ページに続く)
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