■年商15億円とんかつ企業のケース
とんかつと言えば、
・ご飯お代わり無料
・キャベツお代わり無料
・味噌汁お代わり無料
このようなサービスが多いですよね。
ただご飯の度重なる値上げでどんどんコストプッシュに。その為、お代わり有料を検討されていました。
ここもちょっと待ってください!と。
確かにお代わりは人気。男女問わず「お代わり率は80%」と非常に高い人気なのがわかりました。
80%もの人が支持されているのを急に有料にするのは気になるなと。
その上で更に気になったのが、お米の高騰における原価圧迫が想定よりも小さかったという事。
よく調べてみると理論原価にて、お代わりは2.5杯分で計上。
しかし実態は2.0杯程度。つまり、0.5杯分が想定より少なかったのです。
それで言えば敢えて有料化せずとも、今の所は理論原価率範囲内で収まる事に。
・お代わり有料を中止
・理論原価率を超える時に再検討
このようなケースもあります。
■年商5億円カレー企業のケース
カレーはお米高騰の影響が大きく、前年比比べて3%原価率が悪化。
原価率が30%から33%になった訳です。
もしこれを値上げで30%に戻すには、売価も同じく110%で上げる必要が出ます。
CoCo壱さんもベースのカレーで、
2022年6月:平均+5.9%(+33円)
2022年12月:平均+7.4%(+44円)
2024年8月:平均+10.5%(+43~76円)
ここまで値上げされています。その必要性を感じさせられますよね。
その為、こちらの企業も値上げを実施。但し困った事がありました。
それは、
従来の下限:990円
従来の中心:1,150円
こう設定したのですが今回の値上げで、
今後の下限:1,090円
今後の中心:1,250円
こうなってしまう訳です。これは正直めちゃくちゃ怖い値上げでした。
・下限商品は集客商品。
ここを一気に1,000円を越すと来店頻度の悪化が気になる点。
しかも集客商品なのでABC分析すると、出数1位はもう何ヶ月もずっとこれな訳です。
・中心価格も心理的予算帯が上に。
ランチでは1,200円は重要なポイントで、
1,200円以上:1,500円予算帯
1,199円以下:1,000円予算帯
こうなってきます。もちろん1,500円予算帯は狙っていきますが、今自分たちのポジションを冷静に考えるとキツイ。。
その為、
・レシピ自体を見直し
・短期的にお米を輸入米に切り替え
・下限990円をキープ
・中心価格1,180円に設定
上記にて来店頻度を守りつつ、内部対策で原価対応を行う事にしました。このようなケースもあります。
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