■年商30億円の居酒屋のケース
お米の仕入価格高騰から、お米関連メニューの全体的な値上げを検討されていました。
しかし!これは上述のラーメン企業と同じ。
「〆とかご飯カテゴリー弱いですよね??」となり、交差原価率を分析してみました。
すると!やっぱりお米系の影響ほぼなし! もちろんちょびっとの影響はありますが、それよりもドリンク強化した方が値上げせず粗利改善。
その為、ご飯ものの値上げはストップ。一部のカテゴリーの値段が上がったな~とお客様が感じる方が嫌だねという判断に。
・交差原価率が低い(影響が低い)のでほったらかし
・それよりもドリンクを強化していく
・もし交差原価率が高くなればその時に検討
こうなりました。ちなみにこの戦略を1年続けてこられ、1年前よりも原価率は1.5%改善。
業態のセンターピンを把握するのは大切ですね。
■年商10億円の仕出し企業のケース
お米の値上げによって原価率は2.8%悪化。その為、値上げ自体は実施する事に。
包材を除いた食材の理論原価率は28%。これが30.8%になっていました。
その為、売価自体も110%にする必要がありました。このレンジで値上げはする事にしたのですが、気をつけるべき点がありました。
それはBtoBの領域です。
BtoCであれば法事法要や慶事が中心。
3,300円→3,600円
4,200円→4,600円
この辺りの値上げは許容頂けるとの判断。ただBtoBはそうもいきません。
1,500円→1,650円
1990円→2,200円
こうなると「領収書が切れる」金額の設定値を超えてしまうんですよね。
この領域は会議費や交際費や福利厚生費です。その為、どんだけ魅力があっても、損金にできなければ注文が入りません。
全品の値上げであれば、元々下だったメニューが今の領収書のちょうど金額になる事もあります。
しかし反面、下限系はーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2025年6月9日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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