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九州の空に「異変」、トカラ群発地震との関係は?上層大気の電子の乱れ、東日本大震災前と類似点も

この世界に関しての真実、そして私たちが本当に知るべきと思われる智恵や情報を発信する『In Deep メルマガ』好評配信中。本記事はその姉妹ブログ『In Deep』2025年6月29日配信記事を抜粋、再構成したものです。
※本記事のタイトル、見出しはMAG2NEWS編集部によるものです/原題:日本上空の電子数の攪乱度合いが大きくなる中で振り返る「地震と電子数の異常」

トカラ列島近海の群発地震と関係か。九州上空で今起きていること

今、トカラ列島で群発地震が続いています。

MBC南日本放送によれば、今月21日からの9日間での有感地震の回数が「555回」を超えたとのことで、これは過去最大規模となります。

トカラ列島というのは、ここ数年、群発地震が何度か起きていまして、2023年9月にも群発地震が起きていますが、その時の有感地震は、15日間で346回でした。

2021年12月にもトカラ列島で群発地震が発生し、この時は、26日間で308回の有感地震が記録されました。

そこから考えますと、今回の、

9日間で500回を超える有感群発地震

というのは、以前のものより、はるかに回数も(おそらく規模も)大きなものとなっています。

どんな群発地震にしても、普通はそのうち収まるものですので、トカラ列島の群発地震も収まっていくと思いますが、この鹿児島では、今日(6月29日)までの数日、他にも気になる地質的事象が起きています。

以下は、それぞれ南日本放送の報道のタイトルです。

これらの位置は、正確ではないですが、おおむね以下となっています。

新燃岳、トカラ列島、諏訪之瀬島の場所(出典:Google Maps)

ほぼ直線の位置にあるこれらの地域ですが、実は、昨日くらいから気になっていたことがあるのです。

それは、

九州一部の上空で、上空の電子が激しく攪乱している

ことです。

日本時間2025年6月28日夜間 日本上空の電子密度攪乱指数(出典:GEONET

日本時間2025年6月28日23:00〜23:10 日本上空の電子密度擾乱指数(出典:GEONET

赤が「攪乱指数最大レベル」です。私はこれを毎日見ていますけれど、こんなようになることは、本当にあまりないのです。

実は6月27日にも、関東あたりから関西あたりまで激しく攪乱していました。(外部リンク:関連記事

なぜ、こんなことを気にするのかというと、

地震と上空の電子数攪乱には関係があるから

です。

ちょっと古い話も含みますが、少し振り返ってみます。(次ページに続く)

2011年3月11日の地震で判明した事実。日本上空で何が起きていたか

これは、 NASAのゴダード宇宙飛行センターが 2011年3月11日の東北の大地震のあとに公開したデータで明らかになったものです。(外部リンク:関連記事

2011年3月10日から3月12日までの日本上空の赤外線のエネルギー量の変化(出典:MIT Technology Review)

以下は、NASA や台湾の研究に簡単にふれた科学者の文章です。

【2015年のジャマル・S・シュレア博士の文書より抜粋】

2008年には、米NASAの研究者たちが、上層大気の電子の乱れと地上で発生するの地震の間に密接な関連があることを発見した。この発見は、他の宇宙研究機関が行った同様の研究と一致していた。

人工衛星が、その後地震に襲われた地域の上空100〜600Kmの高度での電子擾乱を拾い上げている。

大規模な地震が発生する前に、電離層内の電子などの電荷粒子の密度の変動が観測され、何度も巨大な信号が検出された。

台湾でも同様の研究が行われ、過去数十年の100回以上の大地震のデータを解析したところ、地震発生の深さが35キロメートル以内のほとんどの地震で、地震発生に先行して、高層大気の電離層における電気的攪乱が起きていることがわかった。

2019年には、京都大学の研究者たちが、「2016年2月の台湾南部地震直前の電離圏異常を発見」というタイトルの論文を出しています。(外部リンク:関連記事

要するに(すべての地震ではないにしても)、

地震発生の前には、上空の電離層が攪乱する

という傾向が非常に明確になってきているのです。

これは、つまりは、

地震の原因は宇宙から来ている

ということと同義です。

電子の攪乱だけで地震の発生を予測できるものではないでしょうが、しかし、先ほどの文章には、

台湾でも同様の研究が行われ、過去数十年の 100回以上の大地震のデータを解析したところ、地震発生の深さが 35キロメートル以内のほとんどの地震で、地震発生に先行して、高層大気の電離層における電気的攪乱が起きていることがわかった。

とあり、震源の深さが 35km以内の「ほとんどの地震」で、攪乱が起きていることがわかっています。(次ページに続く)

「大地震は予測できない」という定説の死角

もちろん、これで正確な地震の発生位置がわかるわけでもなく、それは「地震後になって初めてわかる」ものではあります。

いずれにしても、現在、日本列島の一部で電子数の攪乱がかなり多く発生しているというのは、気にはなります。

そして、それに沿うように、鹿児島では連続して火山が噴火しているわけで、地質的な状況としては、穏やかとは言えない状態なのかもしれません。

世界全体的に見ても、火山の噴火も地震の発生も比較的活発で、過去 1週間のアジア近辺だけでも「マグニチュード 4.5以上の地震」は、以下のように発生しています。

2025年6月29日までの1週間のM4.5以上の地震:89回(出典:USGS

これで太陽活動も再び活発になると、世界的に地震が繰り返されるのかもしれません。

太陽フレアと地震の関係については、以前にも、ネイチャー誌に掲載された論文をご紹介しています。(外部リンク:関連記事

実際には、災害がいつ来るかはわからないものですので、ある程度の準備をいつも心がけるのもいいかもしれない、という単純な話になってしまうのかもしれないですけれど――(『In Deep』2025年6月29日配信記事より抜粋、再構成)

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image by: ge zheng / Shutterstock.com

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