AIやリモート商談が当たり前となった今、営業の世界はかつて無いほど大きな変化を迎えています。メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭も執る菊原さんは、AI時代においてこそ求められる“勝ち残る営業スタッフ像”についてお伝えしていきます。
AI時代に勝ち残る営業スタッフ像とは
ここ数年で営業のやり方が変化してきた。大きく変わったのが、数年前のコロナウイルスの影響。
今まで、多くの営業スタッフが「いきなり訪問してもいい結果にはつながらない」と感じていた。
しかし、営業スタッフも上司も「訪問が全くダメなわけじゃないし、まあ、これでやってきたのだから」と疑問を持ちながらも続けていた。
それがコロナウイルが広かったことで“訪問したくてもできない”という状況になった。
それからは“対面ではなくリモートで商談する”ということが劇的に増える。
リモートで結果を出すには対面とはやり方を変えなくてはならない。コロナをきっかけにして、営業活動は大きく変革した。
近年はさらに変わってきている。AIによる営業活動だ。
・顧客リストの自動生成
・メール文章の自動作成
・商談のストーリーやトークの自動作成
などなど。
かつて営業スタッフが行っていたことの多くを“AIが代わりに行う”というようになってきている。
多くの営業スタッフが「AIが発達すればオレたち営業スタッフはいらないのではないか」と不安に感じている。
実際にそのような声も耳にする。淘汰される部門あるのは事実だ。しかし、すべての営業をAIに奪われるわけではない。
AI時代だからこそ“人でしかできない能力を発揮する営業スタッフ”が圧倒的な価値を発揮する。
ここから「AI時代に必要な営業のスキル、考え方、習慣」について紹介させてほしい。
1 お客様の本音を引き出すスキル
AIはデータを分析し“お客様の行動履歴や嗜好を提示する”といったことを得意としている。
しかし、それはあくまで“データ的な表面的な情報”にしか過ぎない。
お客様の心の奥にある本音を引き出す。
もしくは本人ですら言葉にできていないことをあぶりだす。
これに関してはAIでなかなか難しい。
営業の本質は「お客様の心に寄り添い、まだ言語化されていないニーズを引き出す」ということ。
そのために欠かせないのが「本音を引き出すスキル」である。
・言葉の間や沈黙
・表情の変化
・声のハリ、トーン
などを敏感に読み取る。
こうした人間的な感受性はAIが最も苦手とする領域である。
日々の接客や商談で「本音を聞き出す」ということを習慣化する。
意識していれば必ず上達するもの。これができる営業スタッフは、AI時代でも確実に必要とされる。
2. 信頼を積み重ねる
苦戦する営業スタッフは「今月のノルマを何とか達成したい」と短期的な成果を追ってしまう。
逆に、トップ営業スタッフは「長期で信頼を得る」と考えて行動する。
信頼という資産を積み上げた営業スタッフは、時代が変わっても変わらず結果を出す。
AIは効率的に顧客情報を処理できる。
最適なタイミングで提案することも可能だ。
しかし「この人なら安心して任せられる」という信頼は、どれほど優秀なAIでも構築することはできない。
・約束を守る
・報告を怠らない
・感謝を言葉にする
・いいタイミングで連絡する
などんど。
こうした小さな信頼を積み重ねる。こうした営業スタッフはいつの時代も選ばれるものだ。
3 振り返る習慣を身につける
AIは商談を記録し、分析レポートを提示してくれる。これは大いに利用するべきだ。
しかし、それをどう受け止め、次にどう活かすかはその人次第になる。
日々の営業を振り返る習慣を持つ営業スタッフは“自らを常にアップデート”することが可能になる。
結果に対して
「なぜ契約に至らなかったのか」
「お客様が本当に求めていたものは何か」
を考える。
これを重ねることで、営業スタッフとして成長できる。AIはあくまでデータを提示するだけ。
そのデータを血肉化できるかどうかは、“振り返る習慣”を持っているか否かにかかっている。
これを身につけた営業スタッフは常に結果を出すことができる。
この記事の著者・菊原智明さんのメルマガ
4 言葉を磨く習慣を身につける
最近のAIが非常に自然な文章を作成できるようになっている。
しかし、どれほど自然に見える言葉であっても、“その人らしさ、その人の温度感”までは表現できない。
営業の現場で契約を決めるのは、完璧に整った説明文ではなく、「この人の言葉だから心に響いた」というものだ。
例えば、顧客が不安を感じているときに「大丈夫です。私が最後まで責任を持ちます」と心を込めて伝える。
この一言の重みをAIが再現することはできない。
・商談後の一通のフォローメール
・定期的な声掛け
・ちょっとした気遣いの一言
これら一つひとつは小さな行動である。
しかし長期的に見れば信頼を生み、大きな成果を生み出す。
言葉を磨く習慣とは、単に語彙を増やすことではない。
お客様のことを考え、言葉に厚みを持たせることである。
これを習慣とできる営業スタッフは、時代を問わずお客様に選ばれる。
AIは営業を効率化し、営業スタッフの作業をサポートする。それは大いに使うべき。
しかし、AIに置き換えることのできない部分があるのも事実だ。
くれぐれもAIのいいなりになってはならない。使いこなしつつ、人間にしかできない習慣を徹底する。
その上で「聞く・信頼・振り返り・言葉」といった習慣を徹底する。
これを続けていれば今後も必ず勝ち残っていけるものだ。
■本日のポイント
・AIを活用する
・AIに使われるのではなく使いこなすと考える
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