営業や接客で成果を上げる人と、なかなか結果が出ない人。この差は「話し方」や「商品力」以上に、実は“出会って最初の一言”で決まることが多いのだそう。メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭も執る菊原さんは、ゴルフ中にそのことに気が付き、ビジネスにも応用できるとして今日からできるトレーニング法を伝授しています。
“第一声”でお客様の心つかむためのトレーニング方法
営業や接客の世界では「第一印象が9割」と言われる。
どれだけ優れた商品を持っていても、「この人はイマイチだな」と思われれば話を聞いてもらえない。
その逆に第一声で「この人感じがいいな」と思われればうまくいく確率が高くなる。
出会って15秒で勝負はつく。
これはヤン・カールソンの真実の瞬間の「15秒間の顧客と接する時間(真実の瞬間)を充実させることこそが経営の成功につながる」からきいている。
心理学でも「人は出会って数秒で相手の印象をほぼ決める」と言われる。
ハロー効果や初頭効果と言われるもの。
・見た目
・表情、姿勢
・声のトーン
・第一声
これらの要素により、お客様は瞬時に「いいか悪いか」を判断してしまうのだ。
ゴルフでのこと。
初対面のAさんという方が同じ組にいた。同じような歳で見た目も普通。あまり個性のない人のように思えた。
その日はかなりの強風。
群馬県特有の空っ風が吹いていた。
ゴルフは風があると厳しい。
コンディション的にプレーに集中できる状況ではなかった。
しかしAさんは第一声で「ちょっと風が強いですが、昨日じゃなくて良かったですよね。昨日のほうがもっと荒れていましたから」と言った。この瞬間、空気が変わった。
普通なら「風が強くてやりづらいですね」と言うだろう。
そうなれば「アイアンの距離感とか出せないから厳しいですよね」と話が悪い方向へ展開する。
ところがAさんは状況を肯定的に受け止めた発言をした。言われてみれば前日よりは風は弱い。「今日でまだよかった」と思えた。
その一言で「この人は気持ちのいい人だな」と好印象を持った。
その後の会話も弾んだ。風の影響はあったものの、あまり気にならない。その日は気持ちよくラウンドできた。
この体験は私に気づきを与えてくれた。
それは「たった一言で空気が変わる」ということ。
ポジティブな第一声が方向性を決める。そして場の空気を支配するのだ。
この記事の著者・菊原智明さんのメルマガ
営業や接客では、最初の一言が“お客様の心を開くか閉ざすか”を決める重要な要素になる。
営業スタッフが発する第一声が“明るく、さわやか”といった感じであれば、お客様は安心し心を開きやすい。
しかし内容がネガティブでは意味がない。
少し前のこと。
紹介で営業スタッフとお会いした。感じの良さそうな人だった。
しかし第一声で「今日はあいにくの雨ですね」と言ってきた。
雨という事実をネガティブに捉える。その瞬間、ちょっとテンションが下がった。
そうではなく「この雨で少し乾燥が和らぎましたね」と言ってくれたらどうだろう?
その瞬間に「この人はポジティブだな」と好印象を持っただろう。
同じ雨でも良い方向に変換する。これだけで印象はガラッと変わるもの。
第一印象というのは「視覚 → 聴覚 → 言葉」の順で形成される。
1 清潔感のある身だしなみ・姿勢
2 明るい声のトーン
3 ポジティブな第一声
この三つがそろえば、相手はあなたに対して「この人と話してみたい」と思う。
しかしどれか一つ欠けると弱くなる。
・見た目が良くても、第一声がネガティブなら台無し
・声が明るくても、身だしなみに気遣いがなければ敬遠される
だからこそ外見で好印象を与え、声と内容で心をつかむ。これを心掛けて欲しい。
第一声について多くの営業スタッフは重要性に気が付いていない。
例えば、
「ご無沙汰しております」
「本日はお時間をいただきありがとうございます」
といった感じ。
悪くはないが印象には残らない。ちょっとした一言で印象はガラッと変わる。
知人の営業スタッフとお会いした時のこと、開口一番「またお会いできて嬉しいです。前回のルーティーンの話、最高でした」と言ってきた。
この一言で「覚えていてくれたんだ。嬉しいな」といい気分になった。
たった一言で相手の気持ちは変わる。人は関心を向けられた時に心が動くものだ。
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最初に受けた感情が、その後の認知を大きく左右する。
最初にポジティブな言葉を受け取れば、
・その後の説明を好意的に聞いてくれる
・多少のミスも見逃してくれる
・提案内容への信頼も高まりやすい
ということになる。
提案内容やトークのスキルより“最初の一言”のほうが結果に直結するものだ。
ではここで、今日からできるトレーニング方法を紹介する。
1 ネガティブワード → ポジティブ変換
いわゆる“ネガポ変換”ということ。
「寒い」→「キリっとして気持ちいいですね」
「忙しい」→「そんなにニーズがあって素晴らしいです」
2 挨拶+αの習慣
「ありがとうございます」+「お会いできて良かったです」
「こんにちは」+「お元気そうで安心しました」
3 笑顔とアイコンタクトを意識する
自分で思っているほど笑顔になっていない。
笑顔を意識して相手の目を見る、といったことを心掛ける
この3つを習慣とする。
それだけで第一印象は格段に良くなる。
多くの場合、最初の5秒で“話を聞くモードになるかどうか”が決まり、その後の商談の展開を大きく左右する。
今日からご紹介したトレーニングをやってみて欲しい。
それが習慣化すれば営業も人間関係も必ずうまくいく。
【本日のポイント】
・出会いの15秒に集中する
・第一声のポジティブ発言で信頼が始まる
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