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営業・接客は「最初の一言」が9割。出会って5秒で心をつかむ営業力とは?

営業や接客で成果を上げる人と、なかなか結果が出ない人。この差は「話し方」や「商品力」以上に、実は“出会って最初の一言”で決まることが多いのだそう。メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントで関東学園大学で教鞭も執る菊原さんは、ゴルフ中にそのことに気が付き、ビジネスにも応用できるとして今日からできるトレーニング法を伝授しています。

“第一声”でお客様の心つかむためのトレーニング方法 

営業や接客の世界では「第一印象が9割」と言われる。

どれだけ優れた商品を持っていても、「この人はイマイチだな」と思われれば話を聞いてもらえない。

その逆に第一声で「この人感じがいいな」と思われればうまくいく確率が高くなる。

出会って15秒で勝負はつく。

これはヤン・カールソンの真実の瞬間の「15秒間の顧客と接する時間(真実の瞬間)を充実させることこそが経営の成功につながる」からきいている。

心理学でも「人は出会って数秒で相手の印象をほぼ決める」と言われる。

ハロー効果や初頭効果と言われるもの。

・見た目

・表情、姿勢

・声のトーン

・第一声

これらの要素により、お客様は瞬時に「いいか悪いか」を判断してしまうのだ。

ゴルフでのこと。

初対面のAさんという方が同じ組にいた。同じような歳で見た目も普通。あまり個性のない人のように思えた。

その日はかなりの強風。

群馬県特有の空っ風が吹いていた。

ゴルフは風があると厳しい。

コンディション的にプレーに集中できる状況ではなかった。

しかしAさんは第一声で「ちょっと風が強いですが、昨日じゃなくて良かったですよね。昨日のほうがもっと荒れていましたから」と言った。この瞬間、空気が変わった。

普通なら「風が強くてやりづらいですね」と言うだろう。

そうなれば「アイアンの距離感とか出せないから厳しいですよね」と話が悪い方向へ展開する。

ところがAさんは状況を肯定的に受け止めた発言をした。言われてみれば前日よりは風は弱い。「今日でまだよかった」と思えた。

その一言で「この人は気持ちのいい人だな」と好印象を持った。

その後の会話も弾んだ。風の影響はあったものの、あまり気にならない。その日は気持ちよくラウンドできた。

この体験は私に気づきを与えてくれた。

それは「たった一言で空気が変わる」ということ。

ポジティブな第一声が方向性を決める。そして場の空気を支配するのだ。

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営業や接客では、最初の一言が“お客様の心を開くか閉ざすか”を決める重要な要素になる。

営業スタッフが発する第一声が“明るく、さわやか”といった感じであれば、お客様は安心し心を開きやすい。

しかし内容がネガティブでは意味がない。

少し前のこと。

紹介で営業スタッフとお会いした。感じの良さそうな人だった。

しかし第一声で「今日はあいにくの雨ですね」と言ってきた。

雨という事実をネガティブに捉える。その瞬間、ちょっとテンションが下がった。

そうではなく「この雨で少し乾燥が和らぎましたね」と言ってくれたらどうだろう?

その瞬間に「この人はポジティブだな」と好印象を持っただろう。

同じ雨でも良い方向に変換する。これだけで印象はガラッと変わるもの。

第一印象というのは「視覚 → 聴覚 → 言葉」の順で形成される。

1 清潔感のある身だしなみ・姿勢

2 明るい声のトーン

3 ポジティブな第一声

この三つがそろえば、相手はあなたに対して「この人と話してみたい」と思う。

しかしどれか一つ欠けると弱くなる。

・見た目が良くても、第一声がネガティブなら台無し

・声が明るくても、身だしなみに気遣いがなければ敬遠される

だからこそ外見で好印象を与え、声と内容で心をつかむ。これを心掛けて欲しい。

第一声について多くの営業スタッフは重要性に気が付いていない。

例えば、

「ご無沙汰しております」

「本日はお時間をいただきありがとうございます」

といった感じ。

悪くはないが印象には残らない。ちょっとした一言で印象はガラッと変わる。

知人の営業スタッフとお会いした時のこと、開口一番「またお会いできて嬉しいです。前回のルーティーンの話、最高でした」と言ってきた。

この一言で「覚えていてくれたんだ。嬉しいな」といい気分になった。

たった一言で相手の気持ちは変わる。人は関心を向けられた時に心が動くものだ。

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最初に受けた感情が、その後の認知を大きく左右する。

最初にポジティブな言葉を受け取れば、

・その後の説明を好意的に聞いてくれる

・多少のミスも見逃してくれる

・提案内容への信頼も高まりやすい

ということになる。

提案内容やトークのスキルより“最初の一言”のほうが結果に直結するものだ。

ではここで、今日からできるトレーニング方法を紹介する。

1 ネガティブワード → ポジティブ変換

いわゆる“ネガポ変換”ということ。

「寒い」→「キリっとして気持ちいいですね」

「忙しい」→「そんなにニーズがあって素晴らしいです」

2 挨拶+αの習慣

「ありがとうございます」+「お会いできて良かったです」

「こんにちは」+「お元気そうで安心しました」

3 笑顔とアイコンタクトを意識する

自分で思っているほど笑顔になっていない。

笑顔を意識して相手の目を見る、といったことを心掛ける

この3つを習慣とする。

それだけで第一印象は格段に良くなる。

多くの場合、最初の5秒で“話を聞くモードになるかどうか”が決まり、その後の商談の展開を大きく左右する。

今日からご紹介したトレーニングをやってみて欲しい。

それが習慣化すれば営業も人間関係も必ずうまくいく。

【本日のポイント】

・出会いの15秒に集中する

・第一声のポジティブ発言で信頼が始まる

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image by: Shuttetrstock.com

菊原智明この著者の記事一覧

群馬県高崎市生まれ。工学部機械科卒業後トヨタホームに入社し、営業の世界へ。 自分に合う営業方法が見つからず7年もの間クビ寸前の苦しい営業マン時代を過ごす。 お客様へのアプローチを訪問から「営業レター」に変えることをきっかけに4年連続トップの営業マンに。 2006年に独立。営業サポート・コンサルティング株式会社を設立。 現在、上場企業への定期研修、講演、コンサルティング業務、経営者や営業マン向けのセミナーを行っている。 個人の営業マン向けとして【営業通信講座】や個人コンサルティングも実施。 2010年より関東学園大学にて学生に向け全国でも珍しい【営業の授業】を行い、社会出てからすぐに活躍できるための知識を教えている。 また(社)営業人材教育協会の理事として営業を教えられる講師の育成も取り組む。 2019年までに56冊の本を出版。ベストセラー、海外で翻訳多数。

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